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【甲】と【乙】と【丙】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「甲」(読み方:こう)と「乙」(読み方:おつ)と「丙」(読み方:へい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「甲」と「乙」と「丙」という言葉は、書面における略称表記の記号という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




甲と乙と丙の違い

甲と乙と丙の意味の違い

甲と乙と丙の違いを分かりやすく言うと、甲は順序における一つ目を表現する時に使い、乙は二つ目を表現する時に使い、丙は三つ目を表現する時に使うという違いです。

甲と乙と丙の使い方の違い

甲という言葉は、「以下、甲と言う」「甲乙を争う商品だ」などの使い方で、一つ目や一種目を意味します。

乙という言葉は、「甲及び乙は書面による報告を行わなければならない」「乙な雰囲気のカフェで気に入った」などの使い方で、二つ目や二種目を意味します。その他にも、普通とは違うといった意味もあります。

丙という言葉は、「丙は、甲または乙以外に対して以下の情報の開示をしてはならない」「乙は、丙に企画書を提出し承認を受ける必要がある」などの使い方で、三つ目や三種目を意味します。

甲と乙と丙の使い分け方

日本の契約書では、文書に登場する人物を上の甲、乙、丙といった記号に置き換えて表されます。置き換えを行うことで文字量が減って読みやすくもなりますが、どの人物や団体が甲、乙、丙に宛がわれたのかを間違える可能性もあります。

そのため今日では、英語圏の方法に倣って甲、乙、丙ではなく、固有名詞の一部を繋ぎ合わせて省略したり、別の言葉を宛がうことも増えているようです。

また、甲、乙、丙はこの後更に7つ続いており、全てをまとめて「十干」(読み方:じっかん)と言います。本来は、甲から順に第一位、第二位と順序付けられていますが、契約書などの書面で使われる場合、甲を乙よりも優先する必要があるわけではありません。

ですが、大切な取引相手であったり、契約相手の規模が大きい場合には、相手を「甲」、自社を「乙」にするのが一般的とされています。

甲の意味

甲とは

甲とは、一つ目を意味しています。

甲の由来

甲は、亀の甲羅の形が由来となっており、甲羅のような堅い殻に覆われた種の状態の意味から十干(読み方:じっかん)という10の要素の一つ目に宛てられました。これは古代中国で考えられたもので、十二支と合わせて方角や暦を示す時などに使われました。

甲の読み方

そのため、甲という言葉は「こう」という読み方をしますが、「きのえ」という読み方をすることもできます。「きのえ」という読み方は「木の兄」という意味があります。

ちなみに、「かぶと」という読み方をすることもできますが、この場合頭にかぶる防護用武具を指すため、意味は大きく異なります。

「甲種」の意味

甲を使った言葉として、「甲種」(読み方:こうしゅ)があります。これは甲、乙、丙の分類において一つ目を意味するため、甲のみで使う時とほとんど同じ使い方をします。

徴兵検査において第一位の合格順位を意味する「甲種合格」の略としても意味も持ちますが、甲種は必ずしも順位を示すものではありません。

乙の意味

乙とは

乙とは、二つ目を意味しています。

乙の由来

乙は、ジグザグな形が由来となっており、種から出た芽が地上に出ようとして曲がっている状態の意味から十干の二つ目に宛てられました。

「乙な雰囲気がする」「乙なことを言う」「乙に絡む」という使い方もする

また、「乙な雰囲気がする」「乙なことを言う」「乙に絡む」などのように形容動詞として使うことで、普通と違って面白い様子や、変な様子を表す時にも使います。

ネットスラング「乙」「乙です」の意味

ちなみに、「乙」「乙です」などの使い方は、ネットスラングとして長いこと使われており、「お疲れ様でした」という意味として使われますが、感謝の意味を込めることはもちろん、皮肉の意味が込められることもあります。

これらの意味合いで発音が若干変わるものの、どちらも「おつ」と読むことには変わりません。

「甲乙人」の意味

乙を使った言葉として、「甲乙人」があります。これは、年齢や身分などが色々な人や、名前を挙げるまでもないような一般庶民を指す言葉です。

乙の類語

乙の類語・類義語としては、洗練されていることを意味する「小粋」、極めて詳しく細かいことを意味する「精緻」(読み方:せいち)、気が利いていて面白いことを意味する「軽妙」があります。

丙の意味

丙とは

丙とは、三つ目を意味しています。

丙の由来

丙は、脚が張り出た台の形が由来となっており、芽が地上に出て葉っぱがつき、広がった状態の意味から十干の三つ目に宛てられました。

丙の読み方

そのため、丙という言葉は「へい」という読み方をしますが、「ひのえ」という読み方をすることもできます。「ひのえ」という読み方は「火の兄」という意味があります。

丙は石川県の住所でも使われている

今日では、丙は契約書などの書面内で代名詞として使われることが多い言葉ですが、石川県の住所にも使われており、「金沢市三十苅町丙」「金沢市柳橋町丙」などの住所が存在しています。

茨城県や長野県にも丙が付いた住所は存在しますが、石川県では十二支や儒学用語なども使われており、江戸時代に実施された土地制度における地租改正事業が難航したためと言われていて、改正後もその地域の古くからの呼び方が残ったとされています。

甲の例文

1.甲乙丙三者間で締結された契約に、いずれかが違反した時は、いつでも契約を解除することができる。
2.乙は、事前に甲の書面による承諾がなければ、権利を委任することはできない。
3.甲類焼酎と乙類焼酎は、前者が度数36パーセントのものであるのに対して、後者が度数45パーセントのものと区別されている。

この言葉がよく使われる場面としては、一つ目や一種目を意味する時などが挙げられます。

例文3の「甲類焼酎」と「乙類焼酎」はどちらが優れている、劣っているという違いはありません。

乙の例文

1.乙は、この契約によって定められた業務の結果を書面にて甲に報告しなければならない。
2.実績や人柄などをとっても甲乙付け難い二人は、役員候補として名前が挙がっている。
3.しんしんと降り積もる雪を見ながら露天風呂につかるのは乙なものだ。

この言葉がよく使われる場面としては、二つ目や二種目を意味する時などが挙げられます。

例文2の「甲乙付け難い」とは、二つのものに差がなく、どちらが優れているのかを決めるのが難しいことを表す慣用句です。

例文3の「乙なもの」とは、普通とは違っていて面白いものを意味する言葉となるため、二つのものの間柄を指す時に使われる言葉とは使い方が異なります。

丙の例文

1.丙は、乙に対し、書面によって事前に通知を行い、同意を得るものとする。
2.甲、乙または丙が申出を行わない場合は、同一条件で契機を延長されたものとし、その後も同様とする。
3.前項の場合において丙が損害を受けた時は、乙はその損害を賠償しなければならない。

この言葉がよく使われる場面としては、三つ目や三種目を意味する時などが挙げられます。

例文のように契約書類などで多く使われる言葉で、その他は住所などにも使われていますが、基本的に日常会話で多用する言葉ではありません。

甲と乙と丙どれを使うか迷った場合は、順序における一つ目を表す場合は「甲」を、二つ目を表す場合は「乙」を、三つ目を表す場合は「丙」を使うと覚えておけば間違いありません。

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