似た意味を持つ「投稿」(読み方:とうこう)と「寄稿」(読み方:きこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「投稿」と「寄稿」という言葉は、どちらも「原稿や文章を送ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
投稿と寄稿の違い
投稿と寄稿の意味の違い
投稿と寄稿の違いを分かりやすく言うと、投稿とは自発的に原稿を送ることを意味し、寄稿とは依頼されて原稿を送ることを意味するという違いです。
投稿と寄稿の使い方の違い
一つ目の投稿を使った分かりやすい例としては、「投稿者氏名を伏せて動画をアップする」「投稿規定をご確認の上お寄せください」「投稿文を匿名で出す」「新聞の読者投稿欄を毎日読んでいます」などがあります。
二つ目の寄稿を使った分かりやすい例としては、「同人誌にイラストを寄稿する」「寄稿依頼書の書き方を教えてください」「寄稿した本が出版されました」「喜んで寄稿のご依頼を受けさせていただきます」などがあります。
投稿と寄稿の使い分け方
投稿と寄稿という言葉は、どちらも新聞や雑誌に載せるために原稿を送ることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
投稿とは、雑誌や新聞などの媒体に、自分が書いた原稿を送ることを意味します。また、近年では、ブログやSNSなどのウェブサイトなどに文章や動画をアップロードすることも「投稿する」と表現するようになっています。
寄稿とは、雑誌や新聞などの編集者に頼まれて、原稿を書いて送ることを意味します。例えば、このテーマで論文を書いてください、連載コラムを書いて欲しいなど、依頼されてから原稿を書く場合に「寄稿」と表現します。
つまり、投稿と寄稿の違いは、依頼されているかどうかにあります。投稿は依頼されずに自分からすすんで原稿を書いて送ることであり、寄稿は依頼されてから原稿を出すことです。
投稿と寄稿の英語表記の違い
投稿も寄稿も英語にすると「contribution」となり、例えば上記の「投稿者」を英語にすると「a contributor」となります。
投稿の意味
投稿とは
投稿とは、雑誌や新聞などに、公表・公開してもらうために原稿・文章を送ることを意味しています。
その他にも、「インターネット上の決められた場所で、文章・画像・動画などを公開すること」の意味も持っています。
表現方法は「動画投稿」「投稿する」「投稿文」
「動画投稿」「投稿する」「投稿文」などが、投稿を使った一般的な言い回しです。
投稿の使い方
「英語雑誌に論文を投稿する」「自分の意見や感想を投稿する」「募集要項をお読みの上で投稿下さい」「投稿者は英語教育研究会の会員に限ります」などの文中で使われている投稿は、「雑誌や新聞などに原稿や文章を送ること」の意味で使われています。
一方、「投稿小説サイトを毎日チェックしています」「インスタの投稿を非表示にしたい」「韓国語でインスタ投稿しています」「いつも投稿見てくれてありがとうという英語を併記する」などの文中で使われている投稿は、「インターネット上で文章や画像などを公開すること」の意味で使われています。
投稿の「投」とは、差し出したり入れたりして特定の場所に収まるようにすることを表します。文章の下書きを表す「稿」と組み合わさり、投稿とは、新聞や雑誌などに載せてもらうために、自分から原稿を送ることを意味します。依頼されずに自発的に送る投書や、応募原稿などについていう言葉です。
また、投稿という言葉は、ウェブサイトなどで記事や動画などを公開することに関しても用いられています。特に、ブログやSNSなどに文章や画像を掲載したり、動画共有サイトにデータをアップロードしたりすること意味します。
「不適切投稿」の意味
投稿という言葉を用いた日本語には「不適切投稿」があります。「悪ノリ投稿」とも言い、飲食店やコンビニのアルバイト従業員らが、悪ふざけで不適切行為をしている動画をインターネット上で公開することです。また、なりすまし投稿やフェイク情報の書き込みなども指します。
投稿の対義語
投稿の対義語・反対語としては、インターネットなどでデータをホストコンピューターから受信することを意味する「ダウンロード」などがあります。
投稿の類語
投稿の類語・類義語としては、意見や苦情などの書状を関係機関などに送ることを意味する「投書」、印刷するための原稿を印刷所に渡すことを意味する「入稿」、インターネットなどでデータをホストコンピューターに送信することを意味する「アップロード」などがあります。
寄稿の意味
寄稿とは
寄稿とは、依頼されて、新聞や雑誌などに原稿を書いて送ることを意味しています。
寄稿の読み方
寄稿の読み方は「きこう」です。誤って「よこう」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「寄稿をお願いする」「寄稿のお願い」「寄稿する」
「寄稿をお願いする」「寄稿のお願い」「寄稿する」などが、寄稿を使った一般的な言い回しです。
寄稿の使い方
寄稿を使った分かりやすい例としては、「会員の方からの寄稿文を掲載しています」「10月号より連載コラムを寄稿することになりました」「データの見方や使い方を経済誌に寄稿する」「寄稿者には謝礼のギフト券を贈呈いたします」などがあります。
その他にも、「創立百周年の記念誌に寄稿文を寄せる」「英語のおすすめ参考書を寄稿しました」「事業部長に社内報への寄稿依頼をメールする」「ご寄稿についてご快諾を賜り誠にありがとうございます」「当社の寄稿文は著作権法で保護されています」などがあります。
寄稿の「寄」は人に物をあずけることや送り届けること、「稿」は文章の下書きや詩の原案を表します。寄稿とは、依頼されて書いた原稿や文章などを送ることや、その原稿そのものを意味する言葉です。
「寄稿者」の意味
寄稿を用いた日本語には「寄稿者」があります。寄稿者とは、新聞社や雑誌社の編集者などに原稿を頼まれて書く人のことです。「寄稿家」とも言います。
寄稿の類語
寄稿の類語・類義語としては、原稿を送ることを意味する「送稿」、原稿を印刷所などに出すことを意味する「出稿」、公共事業や社寺などに金品を贈ることを意味する「寄付」、新聞や雑誌などに文章を寄せることを意味する「寄書」などがあります。
投稿の例文
この言葉がよく使われる場面としては、新聞社や雑誌社などへ自分の原稿を寄せること、インターネットに記事を発信したりメッセージを書き込んだりすることを表現したい時などが挙げられます。
例文1の文中にある投稿は、「新聞や雑誌などへ自分の原稿を寄せること」の意味で用いられています。例文2から例文5の投稿は、インターネットにメッセージを書き込んだりすることの意味で用いられています。
寄稿の例文
この言葉がよく使われる場面としては、頼まれて新聞や雑誌などに原稿をよせることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある寄稿と執筆の違いは、寄稿は依頼されて文章を送ることに対して、執筆は文章を書くという意味合いが強い点にあります。
投稿と寄稿という言葉は、どちらも「原稿や文章を送ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自発的に原稿を送ることを表現したい時は「投稿」を、依頼されて原稿を送ることを表現したい時は「寄稿」を使うようにしましょう。