似た意味を持つ「短絡的」(読み方:たんらくてき)と「浅はか」(読み方:あさはか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「短絡的」と「浅はか」という言葉は、どちらも深く考えていないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「短絡的」と「浅はか」の違い
「短絡的」と「浅はか」の意味の違い
「短絡的」と「浅はか」の違いを分かりやすく言うと、「短絡的」とは二つの物事を結び付けるという意味を持っている、「浅はか」とは二つの物事を結び付けるという意味を持っていないという違いです。
「短絡的」と「浅はか」の使い方の違い
一つ目の「短絡的」を使った分かりやすい例としては、「短絡的な考えを戒める」「短絡的な行動を取るのは辞めよう」「彼女の考え方は非常に短絡的です」「彼の短絡的な行動にはみんな呆れている」「彼女はそれに関して短絡的な考えをする」などがあります。
二つ目の「浅はか」を使った分かりやすい例としては、「浅はかにも彼の口車に乗ってしまいました」「目先だけしか見ていない浅はかな考えは辞めよう」「私の浅はかな行動から友人を傷つけてしまいました」「あなたの考えはいつも浅はかで」などがあります。
「短絡的」と「浅はか」の使い分け方
「短絡的」と「浅はか」は、どちらも深く考えていないことを意味する言葉ですが、厳密な意味や使い方は違うので、間違えないように注意が必要です。
「短絡的」は、物事の本質や筋道を深く考えずに原因と結果などを性急に結びつけてしまうことで、二つの物事を結び付けるというニュアンスを持っています。
一方、「浅はか」は思慮の足りないことを意味しており、深く考えていないだけで、二つの物事を結び付けるというニュアンスがないというのが特徴です。
「短絡的」と「浅はか」の英語表記の違い
「短絡的」を英語にすると「simplistic」となり、例えば上記の「彼女はそれに関して短絡的な考えをする」を英語にすると「She has a simplistic point of view about that」となります。
一方、「浅はか」を英語にすると「thoughtless」「shallow」「silly」「foolish」となり、例えば上記の「あなたの考えはいつも浅はかです」を英語にすると「You always have a shallow idea」となります。
「短絡的」の意味
「短絡的」とは
「短絡的」とは、物事の本質や筋道を深く考えずに原因と結果などを性急に結びつけてしまうことを意味しています。
表現方法は「短絡的な行動」「短絡的な考え」「短絡的すぎる」
「短絡的な行動」「短絡的な考え」「短絡的すぎる」「短絡的な人」などが、「短絡的」を使った一般的な言い回しになります。
「短絡的」の使い方
「短絡的」を使った分かりやすい例としては、「この事件がそんな短絡的なものだとは私は思っていません」「一回失敗しただけで諦めるなんて短絡的です」「医者は命を預かる仕事なので短絡的な判断をしてはいけません」などがあります。
「短絡的」は物事の本質や筋道を深く考えずに原因と結果などを性急に結びつけてしまうことを意味しており、マイナスなイメージでしか使われない言葉です。そのため、他人に対して使う場合は注意して使うようにしましょう。
「短絡的」の由来
「短絡的」の由来は電気回路の用語です。短絡という言葉は元々、電気のショートを表す言葉でした。ショートとは、電気回路の電位差のある二つの端子を、故意または過失で接触させること意味しています。
短絡の途中の回路を関係なく二点が結びついて問題を起こしてしまうことが転じて、物事の本質や筋道を深く考えずに原因と結果などを性急に結びつけてしまうことの意味で人に対しても使われるようになりました。
「短絡的」の類語
「短絡的」の類語・類義語としては、よく聞いたり確かめたりしないうちに分かったつもりになることを意味する「早合点」(読み方:はやがってん)、簡単で手軽に行うことを意味する「安直」(読み方:あんちょく)などがあります。
「浅はか」の意味
「浅はか」とは
「浅はか」とは、思慮の足りないことを意味しています。
表現方法は「浅はかな行動」「浅はかな言動」「浅はかな考え」
「浅はかな行動」「浅はかな言動」「浅はかな考え」「浅はかな知識」「浅はかな人」などが、「浅はか」を使った一般的な言い回しになります。
「浅はか」の使い方
「浅はか」を使った分かりやすい例としては、「何とかなると思って上京するなんて浅はかな人だ」「自分の浅はかさを今になって後悔しました」「彼なら助けてくれると信じていた自分が浅はかでした」などがあります。
「浅はか」は思慮の足りないことを意味しており、マイナスなイメージでしか使わない言葉になります。そのため、他人に対して使う場合は注意して使うようにしましょう。
「浅はか」の語源
「浅はか」は程度が軽いや少しなどの意味する「浅し」と、進み具合や量などを意味する「はか」が合わさったのが語源です。「浅はか」は元々、量や程度が少ないことを意味する言葉したが、これが転じて、思慮の足りないことの意味で使われるようになりました。
「浅はか」の類語
「浅はか」の類語・類義語としては、言葉や態度が軽々しくて思慮の深さや誠実さが感じられないことを意味する「軽薄」(読み方:けいはく)、浅はかで軽々しいことを意味する「浮薄」(読み方:ふはく)などがあります。
「短絡的」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の本質や筋道を深く考えずに原因と結果などを性急に結びつけてしまうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「短絡的」はマイナスなイメージで使われることが多いです。
「浅はか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、思慮の足りないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「浅はか」はマイナスなイメージで使われることが多いです。
「短絡的」と「浅はか」どちらも深く考えていないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、二つの物事を結び付けるというニュアンスがある時は「短絡的」を、二つの物事を結び付けるというニュアンスがない時は「浅はか」を使うと覚えておきましょう。