似た意味を持つ「万能感」(読み方:ばんのうかん)と「全能感」(読み方:ぜんのうかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「万能感」と「全能感」という言葉は、どちらも「自分は何でもできると思うこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
万能感と全能感の違い
万能感と全能感の意味の違い
万能感と全能感の違いを分かりやすく言うと、万能感と全能感は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。
万能感と全能感の使い方の違い
一つ目の万能感を使った分かりやすい例としては、「得意な英語に関しては万能感を持っています」「気分が高揚し万能感が強くなることがあります」「大人になっても幼児的万能感が消えない原因は何ですか」「大人になってから万能感を捨てるのは難しい」などがあります。
二つ目の全能感を使った分かりやすい例としては、「大学生の頃は無駄に全能感があった気がする」「近年は全能感を持ち続ける大人が増えています」「英語を操ることで、ある種の全能感を覚える」などがあります。
万能感と全能感の使い分け方
万能感と全能感という言葉は、どちらも心理学用語で「自分は何でもできると思い込むこと」を意味します。実際の能力とは関係なく、感覚として自分の能力を過信している状態です。子供の発達段階においては成長に必要な感覚ですが、大人になるにつれて薄れていくものです。
二つの言葉の意味や使い方には違いがないため、どちらを使っても問題ありません。上記の「万能感が強くなる」「幼児的万能感が消えない」「無駄に全能感があった」「全能感を持ち続ける大人」の万能感と全能感は、互いに置き換えて使うことができます。
日本語としての「万能」と「全能」にニュアンスの違いはありますが、心理学用語としての「万能感」と「全能感」は区別されないことを覚えておきましょう。
万能感と全能感の英語表記の違い
万能感も全能感も英語にすると「almighty feeling」「universal feeling」「omnipotence」となり、例えば上記の「万能感を持っている」を英語にすると「have an almighty feeling」となります。
万能感の意味
万能感とは
万能感とは、自分なら何でもできると思う感覚を意味しています。
万能感の使い方
万能感を使った分かりやすい例としては、「多くの子供は万能感を抱くものです」「得意とする英語を話すと万能感に浸れる」「万能感がある大人は打たれ弱いらしい」「母の行動は幼児的万能感を持つ大人の特徴にあてはまる」などがあります。
その他にも、「大人の万能感を心理学からアプローチする」「幼児的万能感を克服する方法はありますか」「幼児的万能感が強いと己愛性パーソナリティ障害になってしまう可能性がある」「万能感に満ちあふれた状態の病気があります」などがあります。
万能感とは、「自分なら何でもできる」と思い込んでしまう感覚を表す心理学用語です。全能感とも言います。子どもの発達段階において見られる現象であり、大人になるつれて薄れていくとされています。万能感の「万能」は、何事にも優れていること、すべてに効力があることを表します。
「幼児的万能感」の意味
万能感を用いた日本語には「幼児的万能感」があります。幼児的万能感とは、精神的に未熟な幼児期に自分は何でもできるすごい人間だと思い込む感覚のことです。普通、人は様々な経験を通して自分の限界を知るため、この幼児的万能感は薄れていきます。「幼児的全能感」とも言います。
万能感の対義語
万能感の対義語・反対語としては、自分に力がないと分かったときの虚しい気持ちを意味する「無力感」、能力がないことや何もできないことを意味する「無能力」、腕力や筋力の弱いことを意味する「非力」などがあります。
万能感の類語
万能感の類語・類義語としては、完全に何でもできることを意味する「オールマイティー」、すべてを理解しどんなことでも行える能力を意味する「全知全能」、すべてがそろって完全なさまを意味する「十全十美」などがあります。
全能感の意味
全能感とは
全能感とは、自分は何でもできるという感覚、完全無欠な能力が備わっている感じを意味しています。
全能感の使い方
全能感を使った分かりやすい例としては、「幼少期は全能感に満ちている時期です」「子供に比べて全能感がある大人は少ないでしょう」「20代になると全能感や万能感は薄まります」「英語の全能感を確かめるために留学しました」などがあります。
その他にも、「心理学の授業で全能感について学びました」「全能感は時として危険な状況を招きます」「全能感と無力感を繰り返す病気があります」「いじめることによって全能感を得ている可能性があります」などがあります。
全能感とは、心理学用語で「自分が何でもできる」という感覚を意味し、前述の「万能感」と同義の言葉です。幼い時に抱く気持ちであり、「幼児的全能感」「幼児的万能感」とも言います。全能感の「全能」は、何事でも為しうること、できないことは無いことを表す言葉です。
全能という言葉は、褒め言葉にもなるプラスイメージの言葉ですが、心理学用語の全能感は誉め言葉ではないので注意が必要です。全能感は身の程を知らない幼児性の現れですから、他人に対しては悪口になるので使わない方がよいでしょう。
全能感の対義語
全能感の対義語・反対語としては、能力や才能がないことや役に立たないことを意味する「無能」、役に立たないことを意味する「役立たず」、何のとりえもなく役に立たないことを意味する「能無し」などがあります。
全能感の類語
全能感の類語・類義語としては、どんな技術でもまんべんなくこなせることを意味する「オールラウンド」、欠点や不足がなくて非のうちどころのないことを意味する「完全無欠」、まったくの完璧さを誇っていることを意味する「尽善尽美」などがあります。
万能感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分が全知全能であるかのような考えを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「万能感」は「全能感」に置き換えることができます。
全能感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分なら何でもできると思い込む感覚を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「全能感」を「万能感」に置き換えても問題ありません。
万能感と全能感という言葉は、どちらも「自分はどんなことでもできる感覚」を表します。どちらの言葉を使うかは、意味や使い方に違いはないので好みや語呂により選べば良いでしょう。