似た意味を持つ「やっぱり」と「やはり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「やっぱり」と「やはり」という言葉は、どちらも予測した通りになることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「やっぱり」と「やはり」の違い
「やっぱり」と「やはり」の意味の違い
「やっぱり」と「やはり」の違いを分かりやすく言うと、やっぱりとはやはりの砕けた表現のこと、やはりとは予測した通りになることという違いです。
「やっぱり」と「やはり」の使い方の違い
一つ目の「やっぱり」を使った分かりやすい例としては、「何事にも諦めずに挑む彼の姿はやっぱりカッコいい」「彼女のことがやっぱり好きなのでもう一度告白することにした」「やっぱりこういう結果になってしまうんだね」「やっぱりあのチームはまた負けたよ」などがあります。
二つ目の「やはり」を使った分かりやすい例としては、「やはり別れた彼のことを忘れることができない」「お年玉を上げたら大はしゃぎをしていたので利口にみえてもやはり子供だ」「この事件はやはり彼が犯人だった」「母もやはり野菜が嫌いです」などがあります。
「やっぱり」は「やはり」の砕けた表現
「やっぱり」と「やはり」は同じ意味を持つ言葉です。「やはり」が元々ある言葉で、「やっぱり」は「やはり」を砕けた表現にした言葉になります。また、「やっぱり」をさらに砕けた表現にした言葉として「やっぱ」や「やっぱし」などもあります。
その他の違いとしては、「やっぱり」は話し言葉で、「やはり」は書き言葉ということです。ビジネスシーンや公的な場面などでは「やはり」の方を使うのがいいのでしょう。また、目上の人と話す場合も「やはり」を使う方が失礼がないです。
「やっぱり」と「やはり」の英語表記の違い
「やっぱり」も「やはり」も英語にすると「either」「still」「as expected」となり、例えば上記の「やっぱりあのチームはまた負けたよ」を英語にすると「Just As expected, that team lost the game again」となります。
「やっぱり」の意味
「やっぱり」とは
「やっぱり」とは、やはりの砕けた表現のことを意味しています。
「やっぱり」の使い方
「やっぱり」を使った分かりやすい例としては、「やっぱり家の中に居る時が一番落ち着く」「やっぱり怪我をしない選手が一番凄い」「約束の場所で何時間も待っていたが彼はやっぱりくることはなかった」「やっぱり俺たちは勝つことができないのか」などがあります。
「やっぱり」は「やはり」が音変化し、砕けた表現になった言葉です。そのため、予測した通りになることや案の定ということ、以前と比べて違いがないこと、様々に考えても結局初めの結論なることという「やはり」と同じ意味を持っています。
「やっぱ」「やっぱし」は「やっぱり」よりも砕けた表現
また、現代では「やっぱり」をさらに砕けた表現にした「やっぱ」や「やっぱし」なども使われています。
「やっぱり」は公用文では使えない
「やっぱり」は話し言葉になります。そのため、使う場面は注意するようにしましょう。ビジネシーンや公的な場面などでは使わない方が無難です。反対に、親しい友人とのメールや自分のブログなどでは使っても問題ないでしょう。
「やっぱり」の漢字
ひらがなの「やっぱり」を漢字にすると「矢っ張り」となります。「矢っ張り」という漢字には深い意味はなく、ただの当て字です。
「やっぱり」の類語
「やっぱり」の類語・類義語としては、結末が予期した通りであることを意味する「果たして」、色々なことがあった上で最後に落ち着くことを意味する「結局」、詰るところを意味する「究竟」(読み方:きゅうきょう)などがあります。
「やっぱり」を漢字にした矢っ張り矢の字を使った別の言葉としては、「矢庭に」、続けて激しく急き立てることを意味する「矢の催促」、度々くる急ぎの使いのことを意味する「矢の使い」などがあります。
「やはり」の意味
「やはり」とは
「やはり」とは、予測した通りになることや案の定ということを意味しています。以前と比べて違いがないことや様々に考えても結局初めの結論なることの意味も持っています。
表現方法は「やはりそうでしたか」「やはり難しいでしょうか」「やはり無理ですか」
「やはりそうでしたか」「やはり難しいでしょうか」「やはり無理ですか」などが、やはりを使った一般的な言い回しです。
「やはり」の使い方
「やはりこの弱小チームで甲子園出場することはできなかった」「彼がやはり待ち合わせ場所に来ることはなかった」「やはり私の靴を隠していたのは彼女でした」などの文中で使われているやはりは、「予測した通りになることや案の定ということ」の意味で使われています。
一方、「彼女はやはり川崎市に住んでいた」「参加するかずっと悩んでいたがやはり参加しないことにした」などの文中で使われているやはりは、「以前と比べて違いがないことや様々に考えても結局初めの結論なること」の意味で使われています。
「やはり」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。現在が過去と変わらなかったり、予想通りになった場合に「やはり」を使うと覚えておきましょう。また、「やはり」と組み合わせる言葉によって、プラスのイメージにもマイナスのイメージにもなります。
「やはり」は正しい日本語
「やはり」は砕けた表現ではない正しい日本語なので、ビジネスシーンや目上の人に対して使っても問題はないです。特に、ビジネスメールにおいて使うことが多いでしょう。また、「やはり」は書き言葉になっています。
「やはり」の漢字
ひらがなの「やはり」を漢字にすると「矢張り」となります。「矢張り」という漢字に深い意味はなく、ただの当て字です。
「やはり」の類語
「やはり」の類語・類義語としては、思っていた通りということを意味する「果たせる哉」(読み方:はたせるかな)、予想していた通りにことが運ぶことを意味する「案の定」、予期した通りになることを意味する「果然」(読み方:かぜん)などがあります。
「やっぱり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「やはり」の砕けた表現のことを表現したい時などが挙げられます。
「やっぱり」は「やはり」の砕けた表現なので、「やっぱり」を「やはり」に置き換えることは可能です。
例えば例文5の「やっぱり怪我をしない身体を作ることが、スポーツ選手にとって一番大事なことです」を「やはり怪我をしない身体を作ることが、スポーツ選手にとって一番大事なことです」としても全く同じ意味を持つ文章になります。
「やはり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、予測した通りになることや案の定ということを表現したい時などが挙げられます。以前と比べて違いがないことや様々に考えても結局初めの結論なることを表現したい時にも使います。
例文1は以前と比べて違いがないことの意味で、例文2は予測した通りになることの意味で使っています。また、例文5は様々に考えても結局初めの結論なることの意味で使われています。
「やっぱり」と「やはり」どちらを使うか迷った場合は、正しい日本語である「やはり」を使えば間違いないでしょう。