【拝見させていただく】と【拝見する】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「拝見させていただく」(読み方:はいけんさせていただく)と「拝見する」(読み方:はいけんする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「拝見させていただく」と「拝見する」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「拝見させていただく」と「拝見する」の違い

「拝見させていただく」は「拝見する」の間違い

「拝見させていただく」と「拝見する」の違いを分かりやすく言うと、「拝見させていただく」とは「拝見する」の間違った使い方、「拝見する」とは見ることを謙って言うことです。

「拝見させていただく」は誤字

一般的には「拝見させていただく」という言葉は間違っています。「拝見する」をさらに丁寧に表現しようとして「拝見させていただく」を使っている人がほとんどです。

「拝見する」は正しい日本語

正しい言葉である「拝見する」を使った分かりやすい例としては、「お手紙を拝見する」「頂いた資料を拝見する」「御社のホームページを拝見する」「久々に先生のお顔を拝見することができました」「色んな会社を拝見することができて嬉しい」などがあります。

「拝見する」という言葉はあっても、「拝見させていただく」という言葉は存在しません。同時に「拝見する」という単語の意味について「見ることを謙って言うこと」と覚えておきましょう。

「拝見する」の英語表記

「拝見する」を英語にすると「see」「look at」となり、例えば上記の「色んな会社を拝見することができて嬉しい」を英語にすると「I am happy to be able to see various companies」となります。

「拝見させていただく」の意味

「拝見させていただく」とは

「拝見させていただく」とは、「拝見する」の間違った使われ方です。

「拝見させていただく」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「拝見する」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「拝見させていただく」は二重敬語

「拝見させていただく」が何故間違った言葉かというと、二重敬語だからです。二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。

「拝見させていただく」は「見る」の謙譲語である「拝見」と「させてもらう」の謙譲語である「させていただく」で成り立っています。したがって、謙譲語が二つ含まれており、二重敬語の例に当てはまるので間違った日本語です。

二重敬語はより丁寧に表現しようとして、同じ種類の敬語を重ねて使ってしまうのですが、間違った敬語の使い方なので使用しないように気をつけましょう。

しかし、ビジネスシーンにおいて「拝見させていただくようお願いします」「拝見させていただきます」などが頻繁に使われており、間違った日本語と一概には言えなくなっているのが現実です。

「拝見する」の意味

「拝見する」とは

「拝見する」とは、見ることを謙って言うことを意味しています。

表現方法は「資料を拝見する」「絵を拝見する」「姿を拝見する」

「資料を拝見する」「絵を拝見する」「姿を拝見する」などが、「拝見する」を使った一般的な言い回しになります。

「拝見する」の使い方

「拝見する」を使った分かりやすい例としては、「ここ数日のお姿を拝見する限りでは体調は良さそうです」「撮って貰ったお写真を拝見する」「王様の手品を拝見するのも悪くない」「こちらの計画書を拝見する」などがあります。

「拝見する」は見ることを謙って言うこと、つまり「見る」の謙譲語です。

謙譲語とは自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味する敬語です。そのため、相手の動作に対して使うのではなく、自分の動作に対してしか使えない言葉と覚えておきましょう。

「拝見する」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉で、主に目上の人に対して使います。反対に、同僚や目下の人に対して使うことはありません。

「見る」の尊敬語は「ご覧になる」や「見られる」になります。尊敬語とは話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することです。そのため、尊敬語は謙譲語とは違い、相手の動作に対して使う言葉になります。

また、「ご覧になられる」とすると尊敬語+尊敬語の二重敬語になってしまうため、使わないように気をつけましょう。

「拝見する」の類語

「拝見する」の類語・類義語としては、神社やその宝物などを謹んで観覧することを意味する「拝観する」、謹んで見ることを意味する「拝覧する」、身分の高い人に面会することを謙って言うことを意味する「拝謁する」などがあります。

「拝見させていただく」の例文

1.「拝見させていただく」という言葉は存在しないので、おそらく「拝見する」の言い間違いだろう。
2.「拝見する」という言葉は見ることを謙って言うことで、「拝見させていただく」という言葉はない。
3.「拝見させていただく」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.こちらの資料を拝見させていただくという言葉を使う人はいるが、正しくはこちらの資料を拝見するです。
5.お顔を拝見することができて光栄ですという言葉はあるが、お顔を拝見させていただくことができて光栄ですという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「拝見する」という言葉を間違えて「拝見させていただく」と表現している時などが挙げられます。

「拝見させていただく」は二重敬語なので、「拝見する」を間違えて使っている可能性が高いです。

「拝見させていただく」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「拝見させていただく」ではなく、「拝見する」と表現するのが正しい使い方になります。

「拝見する」の例文

1.ここ数日のお姿を拝見する限りでは、とても体調が悪そうです。
2.私はこの文章を拝見するたびに、いつも抵抗を感じずにはいられません。
3.上の元気な姿を拝見することがでできて、私はとても光栄です。
4.企画書を拝見する限り、とても良いプロジェクトなのですぐ実行に移そうと思います。
5.彼をは学年が違うので、このように間近でお顔を拝見する機会などありません。
6.事前にプレゼンテーションの資料を拝見していて、これではクライアントが納得しないだろうと思っていたが、やはりその通りになった。
7.ドラマの新人オーデイションではプロデューサーたちがお手並みを拝見してやろうという感じで、わたしの演技を隈なくみていた。
8.街行くおばさまたちからはいつもあなたの番組を毎日拝見していますといってくれるのだが、実のところ番組は毎日は放送していないのだがね。
9.わたしはワンピースの大ファンだが、実は一度も尾田栄一郎先生のお顔を拝見したことがないので、いつかお会いできたらなと思っている。
10.彼についてはたしか同僚の結婚式で名前を拝見したような記憶があったが、ほとんど面識はないと言っていいほどだった。

この言葉がよく使われる場面としては、見ることを謙って言うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「拝見する」は自分や身内の行為に対してのみ使う言葉です。

「拝見させていただく」と「拝見する」どちらを使うか迷った場合は、「拝見させていただく」は二重敬語なので、正しい敬語である「拝見する」を使うようにしましょう。

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