似た意味を持つ「コンクール」と「コンテスト」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「コンクール」と「コンテスト」という言葉は、「作品の優劣を競う催し」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
コンクールとコンテストの違い
コンクールとコンテストの意味の違い
コンクールとコンテストの違いを分かりやすく言うと、コンクールは芸術分野で多く使われる表現であり、コンテストは芸術分野以外にも使われる表現であるという違いです。
コンクールとコンテストの使い方の違い
一つ目のコンクールを使った分かりやすい例としては、「次回の合唱コンクールに伴奏者として参加することになった」「次のピアノコンクールのために努力を怠らないようにしてきた」「コンクール入賞を果たすことができ、安堵している」などがあります。
二つ目のコンテストを使った分かりやすい例としては、「美人コンテストに参加する友人は自分磨きを怠らない人だ」「フォトコンテストに送るためにSNSには写真を掲載しなかった」「ファッションデザインコンテストでは奇抜な服装も見られる」などがあります。
コンクールとコンテストの使い分け方
コンクールとコンテストはどちらも、作品の優劣を競う催しを表しますが、競い合うテーマとして選ばれる題材が若干異なります。
コンクールは、作品の出来栄えや技能および演技などの優劣を競う催しを指します。上記例文の「合唱コンクール」「ピアノコンクール」などのように、特に音楽や映像など、芸術分野において競い合う催しに対して使われることが多い言葉です。
一方のコンテストは、作品の出来や技術、容姿などを競う催しを指します。上記例文の「美人コンテスト」「フォトコンテスト」「ファッションデザインコンテスト」などのように、様々な分野で用いられる言葉です。
つまり、コンクールは芸術分野で競い合う催しに対して多く使われる表現であり、コンテストは芸術分野以外で競い合う催しに対しても使われる表現であるという違いがあります。
コンクールとコンテストの英語表記の違い
コンクールとコンテストを英語にすると「contest」「competition」となり、例えば上記の「合唱コンクール」を英語にすると「a singing contest」となり、上記の「美人コンテストに参加する」を英語にすると「take part in the beauty contest」となります。
コンクールの意味
コンクールとは
コンクールとは、特定のテーマで参加者を募り、作品の出来栄えや技能および演技などの優劣を競う催しを意味しています。
コンクールの使い方
コンクールを使った分かりやすい例としては、「例年合唱コンクールで選ばれる楽曲リストをもらった」「コンクールのヴァイオリン部門に出場する人たちは素敵なドレスを纏っていた」「チーズコンクールやチーズアワード上位の製品に興味がある」などがあります。
その他にも、「日本ワインで競い合うコンクールでは、香りや味などの項目に分けて採点が行われる」「チーズを販売する企業は販売するチーズを用いたお菓子のコンクールを開催しているそうだ」「読書感想文コンクールで入賞を果たした」などがあります。
コンクールはフランス語で「concours」と表記され、英語で表現する場合、「contest」「competition」を用います。日本語ではフランス語の発音をカタカナ語としており、「作品の出来栄え、技能や演技などで競う催し」を表します。
コンクールの語源
日本では、1932年から続く「日本音楽コンクール」をきっかけに使われるようになった語です。設立された当初は音楽系統のイベントが少なかったため、「音楽コンクール」が正式名称とされていました。
今日では、音楽作品や演奏だけでなく、絵画や映画、バレエ、読書や映画の感想文などの他の芸術分野において競い合う場合にも用いられており、チーズやワインなどのコンクールも存在しています。
コンクールの類語
コンクールの類語・類義語としては、複数の業者を競わせて優劣をつけることで業者を一つ選ぶ方式を意味する「コンペ」などがあります。
コンテストの意味
コンテストとは
コンテストとは、作品の出来や技術、容姿などを競う催しを意味しています。
コンテストの使い方
コンテストを使った分かりやすい例としては、「ミス・コンテスト出場者は取材に応じたりウォーキングの練習などに励むそうだ」「気に入った作品でフォトコンテストに応募した」「デザインコンテストではファッションやアートなど色々ある」などがあります。
その他にも、「高校生でも参加できるコンテスト一覧には様々な分野で競い合うことができる」「プログラミングに関するコンテストに興味がある」「イラストコンテストに提出した作品には多くの時間を掛けた」などがあります。
コンテストは英語で「contest」「competition」と表記され、「競争」「競技」「論争」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、「優劣を競う催し」を表します。
表現方法は「フォトコンテスト」「デザインコンテスト」
上記例文の「フォトコンテスト」「デザインコンテスト」「イラストコンテスト」など、アートや文芸、デザイン、建築、写真、マンガ、その他ロゴやポスターなどのデザインの優劣を競う催しに対して使われており、芸術分野以外にも多く用いられている言葉です。
また、上記例文の「ミス・コンテスト」とは、女性の容姿や知性などを基準に「美」で競い合う催しを指す言葉で、「ミスコン」と省略されることもあります。今日では、様々な大学や高校の文化祭の催事として行われることも多くなっています。
コンテストの類語
コンテストの類語・類義語としては、競技会を意味する「アワード」、4年に一度開催される大会や一番優秀な人や団体を決める催しを意味する「オリンピック」などがあります。
コンクールの例文
この言葉がよく使われる場面としては、特定のテーマで参加者を募り、作品の出来栄えや技能および演技などの優劣を競う催しを意味する時などが挙げられます。
基本的に、芸術分野において競い合う催しを指しますが、例文5の「ワインコンクール」も存在します。
コンテストの例文
この言葉がよく使われる場面としては、作品の出来や技術、容姿などを競う催しを意味する時などが挙げられます。
例文5の「鳥人間コンテスト」とは、モーターなどの機械から得た動力を用いずに、人力のみで飛ぶ飛行機を制作し、飛行距離で競う大会で、「鳥コン」と呼ばれることもあります。
コンクールとコンテストは、どちらも「作品の優劣を競う催し」を表します。どちらを使うか迷った場合は、芸術分野で多く使われる表現は「コンクール」であり、芸術分野以外にも使われる表現は「コンテスト」であると覚えておけば間違いありません。