【遠回り】と【回り道】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「遠回り」(読み方:とおまわり)と「回り道」(読み方:まわりみち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「遠回り」と「回り道」という言葉は、どちらも距離の長い方の道を通って目的地に向かうことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「遠回り」と「回り道」の違い

「遠回り」と「回り道」の意味の違い

「遠回り」と「回り道」の違いを分かりやすく言うと、「遠回り」は抽象的な表現でも使える、「回り道」は物理的な表現でしか使わないという違いです。

「遠回り」と「回り道」の使い方の違い

一つ目の「遠回り」を使った分かりやすい例としては、「これは成功への遠回りかもしれません」「遠回りな言い方はやめて単刀直入に言ったらどうだ」「遠回りになるけどこっちの道の方が安全です」「その道は遠回りになる」などがあります。

二つ目の「回り道」を使った分かりやすい例としては、「彼女を家まで送るために回り道をした」「それでは回り道になってしまいます」「学校に行く途中にコンビニに寄って回り道した」「私たちは回り道をして帰りました」などがあります。

「遠回り」と「回り道」の使い分け方

「遠回り」と「回り道」はどちらも距離の長い方の道を通って目的地に向かうことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「遠回り」は「急がずに遠回りして帰ろう」のように物理的な表現だけではなく、「就職までに少し遠回りをしたけれど今は満足しています」のように、抽象的な表現でも使うことができます。

一方、「回り道」は「工事中のため回り道をするしかなかった」「渋滞を避けて回り道をしました」などのように、物理的な表現としてのみ使うというのが違いです。

つまり、「遠回り」は抽象的な表現でも使えるのに対して、「回り道」は物理的な表現でしか使わないと覚えておきましょう。

「遠回り」と「回り道」の英語表記の違い

「遠回り」を英語にすると「make a detour」「go by a roundabout way」となり、例えば上記の「その道は遠回りになる」を英語にすると「That road goes the long way」となります。

一方、「回り道」を英語にすると「a detour」「roundabout route」となり、例えば上記の「私たちは回り道をして帰りました」を英語にすると「We came home by a roundabout route」となります。

「遠回り」の意味

「遠回り」とは

「遠回り」とは、遠い道を回って行くことを意味しています。その他にも、かけなくてもいい手数をかけることの意味も持っています。

「遠回り」の使い方

「今日は遠回りして帰ることにしました」「工事中だったので遠回りして駅に向かう」などの文中で使われている「遠回り」は、「遠い道を回って行くこと」の意味で使われています。

一方、「結果的に遠回りな説明になってしまいました」「遠回りしたけど自分の夢をかなえることができました」などの文中で使われている「遠回り」は、「かけなくてもいい手数をかけること」の意味で使われています。

「遠回り」は遠い道を回って行くことと、かけなくてもいい手数をかけることの二つの意味を持つ名詞です。

遠い道を回って行くことの意味は、「駅に行くのにずいぶん遠回りしてしまいました」のように、実際に距離が長い道を通るという物理的なニュアンスで使います。

一方、かけなくてもいい手数をかけることの意味は、「すぐにうまくいかなくても遠回りした分だけ得るものは大きい」のように、手間や時間が多くかかる方法をとるという抽象的で比喩的なニュアンスで使うことができます。

したがって、「遠回り」は意味によって様々な使い方ができる言葉と覚えておきましょう。

「遠回り」の特徴

また、「遠回り」は日常生活でもビジネスシーンでも使うことができる言葉です。

「遠回り」の対義語

「遠回り」の対義語・反対語としては、近道を通って行くことを意味する「近回り」があります。

「遠回り」の類語

「遠回り」の類語・類義語としては、まわりくどいことを意味する「迂遠」があります。

「回り道」の意味

「回り道」とは

「回り道」とは、遠回りして行くことを意味しています。

表現方法は「回り道をする」「回り道をしてしまう」

「回り道をする」「回り道をしてしまう」などが、「回り道」を使った一般的な言い回しになります。

「回り道」の使い方

「回り道」を使った分かりやすい例としては、「通行止めのため回り道をすることにしました」「道を間違えたせいで回り道になってしまいました」「目的地までの道が渋滞していたので少し回り道をして迂回しました」「彼ともう少し話したかったのであえて回り道をしました」などがあります。

「回り道」は遠回りして行くことを意味する名詞です。

「回り道」の特徴

「回り道」は「工事中の道を避けて回り道をした」「近道を知らずに回り道になってしまった」などのように、実際に距離が長い道を通るという物理的なニュアンスで使うのが特徴です。

そのため、抽象的や比喩的な表現では使用しないと覚えておきましょう。

「回り道」の対義語

「回り道」の対義語・反対語としては、目的地に早く行ける道のことを意味する「近道」があります。

「回り道」の類語

「回り道」の類語・類義語としては、回り道をすることを意味する「迂回」があります。

「遠回り」の例文

1.遠回りになってしまうが、病院へよってから会社へ向かう予定です。
2.工事で通行止めになっていたため、仕方なく遠回りして駅まで向かいました。
3.彼女と話したい一心で、わざと遠回りして彼女の通る道を選びました。
4.自己流でやっていたせいで、正しいやり方を覚えるまでにかなり遠回りをしてしまいました。
5.効率よく作業する方法を知らなかったころは、毎日遠回りばかりして時間を無駄にしていた気がします。

この言葉がよく使われる場面としては、遠い道を回って行くことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、かけなくてもいい手数をかけることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は遠い道を回って行くこと、例文4と例文5はかけなくてもいい手数をかけることの意味で使っています。

「回り道」の例文

1.通勤途中で事故があったので、回り道をして会社に向かいました。
2.カーナビが古くて変な道を案内され、結局回り道することになってしまった。
3.回り道になったとしても、安全な道を選んだほうがいいと思います。
4.時間に余裕があったので、少し回り道してこの辺りの景色を見ていくことにしました。
5.彼女ともっと話したくて、わざと回り道して駅まで送りました。

この言葉がよく使われる場面としては、遠回りして行くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「回り道」は物理的な表現で使う言葉です。

「遠回り」と「回り道」はどちらも距離の長い方の道を通って目的地に向かうことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、抽象的な表現でも使えるのが「遠回り」、物理的な表現でしか使わないのが「回り道」と覚えておきましょう。

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