【使う】と【遣う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「つかう」という読み方の「使う」と「遣う」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「使う」と「遣う」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「使う」と「遣う」の違い

「使う」と「遣う」の意味の違い

「使う」と「遣う」の違いを分かりやすく言うと、「使う」とは広く一般的に使われている、「遣う」とは限定的な場面でしか使わないという違いです。

「使う」と「遣う」の使い方の違い

一つ目の「使う」を使った分かりやすい例としては、「人を使って事業を始める」「魚介を使った料理を食べる」「嫌いな人が訪問してきたので居留守を使う」「仮病を使って会社を休む」「彼はクッションを枕に使う」などがあります。

二つ目の「遣う」を使った分かりやすい例としては、「彼はドイツ語を遣うのが上手です」「彼女の安否を気遣う」「人形を遣う芸を観に行く」「この作業は細かい神経を遣う」などがあります。

「使う」と「遣う」の使い分け方

「使う」と「遣う」は同音の言葉で意味も似ていますが、厳密な使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「使う」は広く一般的に使われており、ほとんどの場面で使うことができます。

一方、「遣う」は限定的な場面でしか使わない言葉で、「彼は槍術を遣う」「安否を気遣う」などのように、容易には扱えないものを巧みに動かすことやあれこれと注意を払って心を働かせることの意味の場合に使用します。

また、主に動詞形として使用する場合は「使う」の方が多く、「遣う」は「気遣い」や「心遣い」などの名詞形として使用するのが多いというのも違いの一つです。

「使う」と「遣う」の英語表記の違い

「使う」も「遣う」も英語にすると「use」「utilize」「handle」となり、例えば上記の「彼はクッションを枕に使う」を英語にすると「He use a cushion as a pillow」となります。

「使う」の意味

「使う」とは

「使う」とは、人に何かの働きをさせることを意味しています。その他にも、物などをある目的のために用いることや 目的を遂げる手段や方法としてあることをすることの意味も持っています。

表現方法は「頭を使う」「仮病を使う」「時間を有効に使う」

「頭を使う」「仮病を使う」「時間を有効に使う」などが、「使う」を使った一般的な言い回しです。

「使う」の使い方

「使う」を使った分かりやすい例としては、「この商品は防腐剤を使っておりません」「この作業は頭を使う」「時間を有効に使うのが得意です」「役人に色目を使う」「その手に持っているものを何に使うか教えてください」などがあります。

「使う」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。また、日常生活やビジネスシーンなど様々な場面で使われている言葉なため、馴染みがある人も多いでしょう。

「使う」の尊敬語

「使う」をビジネスシーンで使用する場合、尊敬語にすると「お使いになる」「使われる」などになります。また、「使う」を謙譲語にする場合相応しいフレーズはありません。無理矢理「お使いいたす」「お使いする」とすることも可能ですが、あまり一般的ではないと覚えておきましょう。

「使う」の類語

「使う」の類語・類義語としては、使ってなくすことを意味する「消費」、 そのものの持つ機能を生かして用いることを意味する「運用」、使って減らすことを意味する「消耗」、人や物を使うことを意味する「使用」、役立つように上手く使うことを意味する「利用」などがあります。

「遣う」の意味

「遣う」とは

「遣う」とは、容易には扱えないものを巧みに動かすことを意味しています。その他にも、あれこれと注意を払って心を働かせることの意味も持っています。

表現方法は「お金を遣う」「気を遣う」「神経を遣う」

「お金を遣う」「気を遣う」「神経を遣う」「頭を遣う」などが、「遣う」を使った一般的な言い回しになります。

「遣う」の使い方

「遣う」を使った分かりやすい例としては、「彼女はイタリア語を遣うのが上手です」「彼と話すと気を遣うのでとても疲れる」「今日はお金をたくさん遣う予定です」「オシャレに気を遣うことがないまま生きていました」などがあります。

「遣う」は複数の意味を持つ言葉ですが、限定的な場面でしか使わない言葉なので、馴染みがある人も少ないでしょう。また、「お金を遣う」のように金銭を消費する場合にも「遣う」を使用することがあります。無駄遣いの遣いはこちらの漢字が一般的となっています。

「気を遣う」の意味

「遣う」を使用した有名な言葉としては、「気を遣う」があります。「気を遣う」とは配慮することを意味する言葉です。

「遣う」の類語

「遣う」の類語・類義語としては、ある目的のために自分の所有する金銭や物品を支払うことを意味する「支出」、あることを成し遂げるために時間や労力などを使うことを意味する「費やす」などがあります。

「使う」の例文

1.彼女にそんな色目を使っても、あなたが付き合うことは無理だろう。
2.ワールドカップの決勝戦をライブで観るために、仮病を使うことにしました。
3.私はパソコンを使うのがとても得意なので、プロミラングを勉強することにしました。
4.彼は、英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語など、様々な外国語を使うことができます。
5.このお店は新鮮な魚を使うので、お値段は高いがとても美味しいです。
6.友人は秀才肌で何でもできるのにじゃんけんが弱く、彼曰く頭を使うものじゃないのでどうにもならないと言っていたのが印象に残っている。
7.大学のゼミではある女子学生が教授に色目を使うのが得意で、それでいつもレポート課題の提出期限を延ばしてもらっていた。
8.高級レストランのシェフがテレビで冷蔵庫にあるものだけを使って一流の味を出すと言ってたけど本当にそんなことできるのだろうかね。
9.辛子明太子なんかは着色料を使うとたしかに見栄えが良くなるが、大事なのは味だろうから、無着色のものを選ぶようにしている。
10.若い人がパソコンやスマートフォンを使いこなしているところを見ると、自分も頑張らなくてはと前向きになれる。

この言葉がよく使われる場面としては、人に何かの働きをさせることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物などをある目的のために用いることや目的を遂げる手段や方法としてあることをするこを表現したい時にも使います。

上記の例文のように、「使う」は様々な場面で用いることができる言葉です。

「遣う」の例文

1.私は被害者遺族の扱いにはもっと気を遣うべきだと思っています。
2.身分の違う結婚がこれほど気を遣うものだとは、思ってもいませんでした。
3.自分より若い世代に気を遣うようになったら、年をとった証拠だと言われています。
4.雨の中暗い山道を運転するのはとても気を遣うので、あまり運転したくありません。
5.あの家出事件があってからは、息子に対して気を遣うようにしています。
6.今度の職場は仕事自体はとてもうまくいっているのだが、お局様が幅を利かせているので人間関係には神経を遣うところがある。
7.知り合いが大地震で被災したので何か安否を気遣う手紙を送りたかったが、いかんせん文章を書くのが苦手でどう書けばいいのか頭を抱えてしまった。
8.その旅館はお世辞にも豪華とは言い難かったが、女将さんたちのちょっとした心遣いがうれしくて、またそこに泊まりたいと思ったのだ。
9.小さい頃から家庭が貧しかったため、おしゃれに気を遣う余裕がなく、おしゃれなクラスメイトをみてはいつも羨ましいと思っていた。
10.彼氏はとてもケチだったので、デートをするにも無料のスポットばかりを回り、結局お金を遣ったのはファーストフードを食べた時だけだった。

この言葉がよく使われる場面としては、容易には扱えないものを巧みに動かすことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、あれこれと注意を払って心を働かせることの意味も持っています。

上記の例文にある「気を遣う」という表現はよく使われています。

「使う」と「遣う」どちらの言葉を使うか迷った場合、「使う」の方が広く一般的に使用されており、ほとんどの場合で「使う」を使用すれば間違えることはありません。

また、容易には扱えないものを巧みに動かすことや、あれこれと注意を払って心を働かせることの場合は「遣う」を使用しても可能と覚えておきましょう。

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