似た意味を持つ「功績」(読み方:こうせき)と「実績」(読み方:じっせき)と「業績」(読み方:ぎょうせき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「功績」と「実績」と「業績」という言葉は、成し遂げた結果という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
功績と実績と業績の違い
功績と実績と業績の意味の違い
功績と実績と業績の違いを分かりやすく言うと、功績は立派な働きを表現する時に使い、実績は成し遂げた結果を表現する時に使い、業績は事業の成果を表現する時に使うという違いです。
功績と実績と業績の使い方の違い
功績という言葉は、「彼の偉業は功績として認められるのに時間が掛かった」「どんな研究も功績につながるだろう」などの使い方で、あることを成し遂げた手柄を意味します。
実績という言葉は、「彼は着実に実績を上げていった」「過去の実績をアピールをしっかりと行い、新しい仕事を引き受ける」などの使い方で、実際に現れた功績を意味します。
業績という言葉は、「彼の業績は落ち込んでいたがここ数か月で後れを取り戻した」「業績が良い企業は株取引なども多く行われる」などの使い方で、事業や学術研究の上で獲得した成果を意味します。
功績と実績と業績の使い分け方
功績と業績は、どちらも成し遂げた成果を意味する言葉ですが、前者は周囲から称えられるような立派な働きを意味し、後者は事業や研究において獲得した成果を意味します。
一方の実績も成し遂げた功績を意味する言葉ですが、事業や研究の成果に対してのみ使うことができる業績とは異なり、スポーツなどで収めた成績も表すことができます。
そのため、言葉が表す幅の広さの順に並べると、実績>功績>業績となります。また、英語でそれぞれを表す場合、功績は「achievement」、実績は「achievement」、業績は「accomplishment」などを主に使います。
これらが、功績、実績、業績の明確な違いです。
功績の意味
功績とは
功績とは、あることを成し遂げた手柄を意味しています。
表現方法は「功績をたたえる」「功績を残す」「功績は大きい」
「功績をたたえる」「功績を残す」「功績は大きい」「功績を立てる」などが、功績を使った一般的な言い回しです。
功績を使った言葉として、「功績倍率」「功績調書」があります。
「功績倍率」の意味
一つ目の「功績倍率」とは、役員が退職する際の退職金を定めるための倍率で、裁判にて社長が3.0、専務が2.4など細かい数値を国が示したことから、この数値が用いられていることが多くなっているようです。
「功績調書」の意味
二つ目の「功績調書」とは、特定の功績がある人物を表彰などに推薦するためにそれらを管理する官公庁や法人などに提出される文書を指す言葉で、いわゆる推薦状や表彰内申書と同じ意味を持ちます。
具体的には、表彰を授与するのに相応しい人格であることを示し、その人物のどんな功績が評価されたのかが詳しく記載されています。
功績の対義語
功績の対義語・反対語としては、職務などで失策や失敗とみなされる事柄を意味する「失点」、不名誉な点を意味する「汚点」、法律や道徳に背いた行いを意味する「罪過」、道徳や宗教の教えに背くことを意味する「罪悪」があります。
功績の類語
功績の類語・類義語としては、人から褒められるような立派な働きを意味する「手柄」、大きな功績とそのための努力を意味する「功労」、格別の功績を意味する「殊勲」(読み方:しゅくん)があります。
実績の意味
実績とは
実績とは、実際に現れた功績を意味しています。
表現方法は「実績を上げる」「実績を積む」「実績のある」
「実績を上げる」「実績を積む」「実績のある」などが、実績を使った一般的な言い回しです。
実績と実積の違い
実績は「じっせき」という読み方をしますが、同じ読み方をする非常に似た言葉に「実積」があります。
のぎへんを部首に持つ「積」と使った「実積」は実際の面積や体積を表すため、糸へんを部首に持つ「績」を使った「実績」とは意味が大きく異なります。
「実績報告」の意味
実績を使った言葉として、「実績報告」があります。これは、実際に行われた事業の報告を指す言葉で、これを行うことで補助金などの交付がなされたり、精算が行われたりします。
教育事業や、産業廃棄物に関する業務実績、テレワークの助成金などの実績報告など多岐にわたり、自治体によっては実績報告書をホームページに掲載しているものもあります。
実績の類語
実績の類語・類義語としては、成し遂げた仕事などの成果を意味する「成績」、あることをして得られたよい結果を意味する「成果」があります。
業績の意味
業績とは
業績とは、事業や学術研究の上で獲得した成果を意味しています。
表現方法は「業績が良い」「業績を伸ばす」「業績を上げる」
「業績が良い」「業績を伸ばす」「業績を上げる」などが、業績を使った一般的な言い回しです。
業績を使った言葉として、「業績不振」「業績ハイライト」があります。
「業績不振」の意味
一つ目の「業績不振」とは、売上高やその企業が得る利益が減少している状態を指す言葉です。「経営不振」や「売上不振」とも言い換えられることがあります。
似た言葉に「業績悪化」がありますが、こちらは通常時の業績と比較すると悪い場合に使いますが、「業績不振」は好調時の業績と比較すると劣っている場合に使います。
「業績ハイライト」の意味
二つ目の「業績ハイライト」とは、主要な経営指標などの推移が記載されたものを指し、売上高や、利益金額もしくや損失金額、純資産額、総資産額などが掲載されています。「ハイライト情報」とも呼ばれています。
業績の類語
業績の類語・類義語としては、成し遂げた仕事を意味する「事績」、仕事のうえでの成果を意味する「足跡」(読み方:そくせき)、何かをすることで得られた成果を意味する「収穫」、すぐれた仕事を意味する「偉業」があります。
功績の例文
この言葉がよく使われる場面としては、あることを成し遂げた手柄を意味する時などが挙げられます。
その他にも、「功績を収める」「功績をあげる」「功績を立てる」など様々な使い方があります。
実績の例文
この言葉がよく使われる場面としては、実際に現れた功績を意味する時などが挙げられます。
その他にも、「実績を積む」「実績のある」「実績を上げる」などの使い方がされています。
業績の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事業や学術研究の上で獲得した成果を意味する時などが挙げられます。
その他にも、「業績を上げる」「業績が良い」「業績を残す」などの使い方もなされます。
功績と実績と業績どれを使うか迷った場合は、立派な働きを表す場合は「功績」を、成し遂げた結果を表す場合は「実績」を、事業の成果を表す場合は「業績」を使うと覚えておけば間違いありません。