似た意味を持つ「口コミ」(読み方:くちこみ)と「レビュー」と「評価」(読み方:ひょうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「口コミ」と「レビュー」と「評価」という言葉は、事物に対する感想という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
口コミとレビューと評価の違い
口コミとレビューと評価の意味の違い
口コミとレビューと評価の違いを分かりやすく言うと、口コミは伝聞による情報を表現する時に使い、レビューは使用者による感想を表現する時に使い、評価は良し悪しの判断を表現する時に使うという違いです。
口コミとレビューと評価の使い方の違い
口コミという言葉は、「口コミサイトに掲載された写真とは少しばかり内装が違っていた」「口コミでこの美容品がいいと評判である」などの使い方で、うわさや評判などを口伝えに広めることを意味します。
レビューという言葉は、「レビューを受けることでより良い文章ができあがる」「商品レビューを投稿するとポイントが貰える」などの使い方で、再調査や再検討、批評を意味します。
評価という言葉は、「彼は私のことを過大評価しすぎであるように思う」「先日の人事評価の時に上司と話をした」などの使い方で、事物や人物にどれだけの価値や価格があるのかを見定めることを意味します。
口コミとレビューと評価の使い分け方
口コミとレビューは、どちらも物事に対する感想や評価の内容などを指しますが、前者は実際に使っていない人が伝え聞いて誰かに伝える場合も含みますが、後者は使用した人のみが記した評価のみを指します。
そのため、誰かが使いやすいと言っていたが自分は使ったことがないなどの場合にはレビューという言葉は基本的には使われません。
一方、評価は、口コミやレビューとは違って、数値などで物事の良さを表したものですが、具体的な感想などがない場合にも使うことができる言葉です。
これが、口コミ、レビュー、評価の明確な違いです。
口コミの意味
口コミとは
口コミとは、うわさや評判などを口伝えに広めることを意味しています。
口コミの語源
口コミのコミは、コミュニケーションの略で、新聞や雑誌などのマスメディアによって情報の伝達が行われることを意味する「マスコミ」をもじって1960年代頃から「口コミ」や「クチコミ」という使われ方がなされるようになりました。
文字による情報伝達を「手コミ」と言ったそうですが、今日ではSNSやウェブサイトなどに書かれた意見や噂といった情報も「口コミ」と言われているため、手コミという言葉は浸透せずに、口コミが使われ続けています。
また、パソコンやスマホなどが一般に普及されて所持率が上がったことから、文字だけでなく写真や動画なども情報発信に使われるようになり、信用できる口コミを情報の受け取り手が精査する必要があるとされています。
表現方法は「口コミを書く」「口コミを消す」「口コミをお願いする」
「口コミを書く」「口コミを消す」「口コミをお願いする」などが、口コミを使った一般的な言い回しです。
口コミの類語
口コミの類語・類義語としては、人から伝え聞くことを意味する「伝聞」、間接的に聞くことを意味する「又聞き」、どこからともなく伝わってくる噂を意味する「風の便り」、人づてやうわさなどで「仄聞」(読み方:そくぶん)などがあります。
レビューの意味
レビューとは
レビューとは、再調査や再検討、批評を意味しています。
表現方法は「レビューする」「レビューされる」「レビューを受ける」
「レビューする」「レビューされる」「レビューを受ける」などが、レビューを使った一般的な言い回しです。
レビューを使った言葉として、「ピアレビュー」「桜レビュー」があります。
「ピアレビュー」の意味
一つ目の「ピアレビュー」とは、研究者同士や同じ分野の専門家によって為される評価や検証を指す言葉で、多くは査読と言い、審査とも言われる言葉です。研究者が学術雑誌に論文を投稿し、それが実際に掲載される前に行われます。
「桜レビュー」の意味
二つ目の「桜レビュー」とは、口コミサイトなどにおいて、利用者や購入者と偽った人が書いたレビューのことで、「やらせレビュー」とも言われます。商品やサービスの評価を操作するために行われる行為です。
また、レビューに似た言葉に「プレビュー」がありますが、レビューは既にあるものや起きたものに対して使う言葉であるのに対して、プレビューはこれから行う計画などを前もって確認することを意味するため、大きく異なります。
レビューの類語
レビューの類語・類義語としては、ある問題について意見などを加えることを意味する「コメント」、ごく短い批評を意味する「寸評」、作品の価値などを論じ定めることを意味する「品評」、物事の価値などを論じることを意味する「評論」などがあります。
評価の意味
評価とは
評価とは、事物や人物にどれだけの価値や価格があるのかを見定めることを意味しています。
表現方法は「評価を受ける」「評価が高い」「評価に値する」
「評価を受ける」「評価が高い」「評価に値する」などが、評価を使った一般的な言い回しです。
評価を使った言葉として、「過大評価」「絶対評価」があります。
「過大評価」の意味
一つ目の「過大評価」とは、物事を評価する時に実際よりも高く見積もることを指す言葉で、重要視しすぎることをも意味します。
対義語として「過小評価」がありますが、これは物事を実際よりも低く見積もったり評価することを意味します。
「絶対評価」の意味
二つ目の「絶対評価」とは、事前に定められた目標の数値などを達成できたかによって評価を行う方法です。各々のスキルや成績に基づいた評価ができるため、適正な評価となりやすく、モチベーションが上がりやすいというメリットがあります。
「相対評価」の意味
絶対評価の対義語として「相対評価」がありますが、他者との比較を行って成績を決める評価方法で、設けられた評価枠に当てはめていく形で評価が行われます。競争が活発化したり、高評価と低評価の両極端にならないメリットがあります。
評価の類語
評価の類語・類義語としては、詳しく観察や考察をすることを意味する「精察」、物の値段を見積ることを意味する「換価」、一定の基準に従って価値や価格などを決めることを意味する「評定」(読み方:ひょうてい)などがあります。
口コミの例文
この言葉がよく使われる場面としては、うわさや評判などを口伝えに広めることを意味する時などが挙げられます。
例文1の「口コミサイト」は、実際の使用感などを書き記し、評価を行うためのサイトであるため、レビューや評価などの言葉に置き換えて使うことができます。
レビューの例文
この言葉がよく使われる場面としては、再調査や再検討、批評を意味する時などが挙げられます。
例文2の「商品レビュー」は、カスタマーレビューとも言い、実際に購入した人が書いた記事を指します。
評価の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事物や人物にどれだけの価値や価格があるのかを見定めることを意味する時などが挙げられます。
例文3の「授業評価」とは、教師が行う授業を、学生や生徒らが評価すること、またその評価を指す言葉です。
口コミとレビューと評価どれを使うか迷った場合は、伝聞による情報を表す場合は「口コミ」を、使用者による感想を表す場合は「レビュー」を、良し悪しの判断を表す場合は「評価」を使うと覚えておけば間違いありません。