【合目的的】と【合目的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「合目的的」(読み方:ごうもくてきてき)と「合目的」(読み方:ごうもくてき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「合目的的」と「合目的」という言葉は、どちらも目的に合っているさまを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




合目的的と合目的の違い

合目的的と合目的の意味の違い

合目的的と合目的の違いを分かりやすく言うと、合目的的と合目的は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。

合目的的と合目的の使い方の違い

一つ目の合目的的を使った分かりやすい例としては、「これが最も合目的的な手段であろう」「ビジネスでは合目的的に判断することが鉄則です」「目的に沿った合目的的な裁量です」「筋肉が合目的的に収縮や弛緩する」などがあります。

二つ目の合目的を使った分かりやすい例としては、「合目的性の高いシステムを構築する」「新生児に見られる合目的な反射です」「合目的性と経済原理を学ぶ」「合目的サンプリングによりインタビューを行う」などがあります。

合目的的と合目的の使い分け方

合目的的と合目的という言葉は、日常生活ばかりでなくビジネスシーンにおいても、あまり使われない馴染みのない言葉でしょう。特に、合目的的という言葉は「的」を二つ重ねた珍しい語句ですが、どちらも辞書に掲載されている正しい日本語です。

合目的的と合目的は同義であり、「物事が一定の目的にかなっているさま」を意味します。そのため、どちらを使っても問題ありません。上記の例文にある「合目的的」と「合目的」は、互いに置き換えて使うことができます。

合目的的と合目的の英語表記の違い

合目的的も合目的も英語にすると「pertinent」「apposite」「fit」となり、例えば上記の「合目的的な手段」を英語にすると「an appropriate means」となります。

合目的的の意味

合目的的とは

合目的的とは、ある物事が一定の目的にかなっているさまを意味しています。

合目的的の読み方

合目的的の読み方は「ごうもくもてきてき」です。誤って「あいもくてきてき」「ごうもくてきまと」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「合目的的な裁量」「合目的的な行動」

「合目的的な裁量」「合目的的な行動」などが、合目的的を使った一般的な言い回しです。

合目的的の使い方

合目的的を使った分かりやすい例としては、「安全対策は合目的的な方法で実施されています」「合目的的な資金支援を行います」「理性によって合目的的行動をすることができる」「合目的的な英語カリキュラムです」などがあります。

その他にも、「大臣の合目的的な裁量に委ねられています」「合目的的サンプリング方式で調査する」「店を構えるために合目的的な土地を探す」「用途によって合目的的な機能を選択する」などがあります。

合目的的とは、物事が何らかの目的に当てはまっている状態を表す言葉です。あまり馴染みのない言葉であり、「的」という文字が二つ並んでいるため不自然な感じを受けますが、辞書に載っている正しい語句です。

合目的的という言葉は、後述する「合目的」に、性質や傾向を表す「的」が付け加えられた言葉だと捉えれば良いでしょう。合目的的と合目的は同義であり、同じように使うことが出来ます。

「合目的的サンプリング」の意味

上記の例文にある「合目的的サンプリング」とは、調査を行う際に調査対象を選ぶ方法の一つです。比較的少数の調査対象を、ある目的を持って意図的に選択することを表します。対する言葉には、無作為に抽出する「ランダムサンプリング」があります。

合目的的の対義語

合目的的の対義語・反対語としては、一致しないことや合わないことを意味する「不合」、一致しないことや合わないことを意味する「不一致」などがあります。

合目的的の類語

合目的的の類語・類義語としては、状況や目的などにぴったり当てはまることを意味する「適切」、条件や事情にぴったり当てはまることを意味する「適合」、実情によくあてはまっていることを意味する「妥当」、規則などを事例にあてはめて用いることを意味する「適用」などがあります。

合目的の意味

合目的とは

合目的とは、ある物事が一定の目的にかなっているさまを意味しています。

合目的の使い方

合目的を使った分かりやすい例としては、「手段は合目的であるかを検証する」「工学的にも合目的な製品です」「合目的行動ばかりで、つまらない生き方だ」「哲学者のカントは自然の合目的性を説いた」などがあります。

その他にも、「合目的的サンプリングで調査を行う」「英語留学は合目的に行うべきです」「看護師が合目的な動作レベルを確認する」「合目的に設計されたバリアフリー施設です」などがあります。

合目的という言葉の「合」とは、一致することや当てはまることを表し、「目的」とは、実現しようとしてめざす事柄を表します。合目的とは、ある物事が一定の目標や狙いに適合しているさまを意味する言葉です。

「合目的性」の意味

合目的を用いた日本語には「合目的性」があり、ある事物が一定の目的にかなった仕方で存在していることを意味します。近代哲学の祖と言われるカントは、美的理念や有機的生命をこの観点から論じました。

合目的の対義語

合目的の対義語・反対語としては、適当でないことを意味する「不当」、状況や条件などに適応できないことを意味する「不適応」などがあります。

合目的の類語

合目的の類語・類義語としては、ある事物が一定の目的にかなった仕方で存在していることを意味する「合目的性」ある条件や目的などに上手くあてはまることを意味する「適当」、その場の状態や条件などによくあてはまることを意味する「適応」などがあります。

合目的的の例文

1.英語を習得するために留学しているのだから、合目的的に日本人と行動しないようにしています。
2.生物の体内にある諸器官は、外部環境の変化に応じて統一的かつ合目的的に体内環境を保っています。
3.憲法で定められた「健康で文化的な最低限度の生活」であるかどうかの認定判断は、厚生大臣の合目的的な裁量に委ねられています。
4.哲学者カントは、戦争を通じて平和状態は達成されることは、合目的的な自然の摂理だと説きました。
5.子どもが意欲を無くすほど、勉強やスポーツを強いることは合目的的とは言えません。
6.傍から見れば異常だと思っても、集団の中で生活していると合目的的な行動をとるのは至難の業だったりするものだ。
7.あたらしく飲食店を始めようと思っていたが、いざ物件を探そうにも合目的的なものはなかなか見つからない。
8.ビジネスマンたちには人間というのは機械的に働いているのでもなく、合目的的に生きているわけでもないことを知るべきだろう。
9.自然災害といってもさまざまあるのだから、その災害にとっての合目的的な対策をきめ細やかに考えなくてはならないと思う。
10.この会社の英語教材はそれぞれに合目的的なカリキュラムがあるので、お子様からビジネスマンまで学ぶことができます。

この言葉がよく使われる場面としては、ある事物が一定の目的に適合しているさまを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「合目的的な裁量」とは、法の目的や公益に適するかに沿って判断して処理することです。似た言葉に「自由裁量」がありますが、こちらは法の拘束に対して一定の範囲内で自由な判断や行為が許されることを意味します。

合目的の例文

1.私は常にやるべき事を見失わないように、合目的行為を心掛けています。
2.手足を動かすなどの合目的な運動による意識レベルの評価方法を、看護学校で習いました。
3.ドイツ哲学者のカントは、合目的性の概念そのものを哲学的に取り上げました。
4.絶妙なバランスで成り立つ生態系は、自然の合目的を現しています。
5.文法を重視して会話力が身につかないような英語教育は、合目的ではないでしょう。
6.わたしはノートをきれいにとることばかりに気を遣ってしまい、手段が合目的ではなくなっていることに気付かなかった。
7.同級生は徹底的に合目的な考え方しかしないので、遊び心に欠けており、付き合っていてもつまらない奴だと思うようになった。
8.住空間は老後の生活も考えた合目的に設計されなければいけないので、いたずらに若向きのデザインに走ってはならない。
9.生物の進化の過程は過酷な自然環境に適応した結果であるので合目的と考えるのが自然ではないだろうか。
10.この国ではビジネスにおける印鑑の必要性をいまだに信じている人が多く、まったく合目的ではないことが行われていて非常に問題である。

この言葉がよく使われる場面としては、ある事物が一定の目的に適合して役に立っているさまを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「合目的行為」とは、目的観念を伴って意識的に行われる行動のことです。例文2の「合目的な運動」とは、意識レベル評価法における医療用語であり、手を握ったり離したりなどの意識的に行う動作を指します。

合目的的と合目的という言葉は、どちらも物事が目的に適しているさまを表します。どちらの言葉を使うかは、好みにより選べば良いでしょう。

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