【操作】と【操縦】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「操作」(読み方:そうさ)と「操縦」(読み方:そうじゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「操作」と「操縦」という言葉は、どちらも「動かすこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




操作と操縦の違い

操作と操縦の意味の違い

操作と操縦の違いを分かりやすく言うと、操作とは簡単に動かせるものに使用する言葉、操縦とは簡単に動かせないものに使用する言葉という違いです。

操作と操縦の使い方の違い

一つ目の操作を使った分かりやすい例としては、「スマホの基本的な操作方法を確認する」「操作盤は柱の裏側にあります」「操作マニュアルを失くしてしまいました」「一部の学校で悪質な偏差値操作が行われている」などがあります。

二つ目の操縦を使った分かりやすい例としては、「賢い妻は夫の操縦法を心得ています」「酒に酔った友人は操縦不能です」「特別に操縦席に座らせてもらいました」「僕の夢はブルーインパルスの操縦士になることです」などがあります。

操作と操縦の使い分け方

操作と操縦という言葉は、どちらも思うままに何かを動かすことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

操作とは、機械や器具などを動かし働かせることを意味します。スマートフォンや家電など身近で比較的簡単に動かせるものを対象とする言葉です。また、「情報操作」「株価を操作する」のような使い方で、手を加えて都合の良いように動かすことの意味でも用いられています。

操縦とは、飛行機や船舶など大型の機械を動かすことを意味します。専門的な知識や技術が必要で、資格も要求されるようなものを対象とする言葉です。また、「夫の操縦法」「人生の操縦権」のような使い方で、他人を思いどおりに動かすことも表します。

つまり、操作とは簡単に動かせるものに使い、操縦とは簡単に動かせないものに用いられる言葉です。また、操作は物体にしか使えませんが、操縦は人に対しても使える言葉であることも、二つの言葉の明確な違いになります。

操作と操縦の英語表記の違い

操作も操縦も英語にすると「operation」「management」「handling」となり、例えば上記の「操作方法」を英語にすると「operation procedures」となります。

操作の意味

操作とは

操作とは、機械などを操って動かすことを意味しています。

その他にも、「自分の都合のよいように手を加えること」の意味も持っています。

操作の読み方

操作の読み方は「そうさ」です。誤って「そうさく」などと読まないようにしましょう。

操作の使い方

「スマホを遠隔操作する方法を教えてもらいました」「家電は操作性よりデザイン性を重視します」「操作画面を英語表記に切り替える」などの文中で使われている操作は、「機械などを操って動かすこと」の意味で使われています。

一方、「相場を人為的に操作する」「偏差値操作のからくりを暴く」「女子受験生を対象に入学試験の得点操作が行われていた」などの文中で使われている操作は、「都合のよいように手を加えること」の意味で使われています。

操作とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。操作の「操」は訓読みで「あやつる」と読み、物を動かして使うことや巧みに使いこなすこと、「作」は物事をすることや実施することを表す漢字です。

表現方法は「情報操作」

操作を用いた日本語には「情報操作」があります。情報操作とは、ある意図または目的をもって情報に手を加えることを意味します。報道機関が与える情報を制限したり、虚偽にならない範囲で改変することによって、その情報を受け取った側が受ける印象や判断に影響を与えようとする行為です。

操作の対義語

操作の対義語・反対語としては、そのままにして放っておくことを意味する「放置」などがあります。

操作の類語

操作の類語・類義語としては、舵を操作して船の進路を定めることを意味する「舵取り」、道具や機械などを使ったり操作したりすることを意味する「扱う」、思うままにもてあそぶことを意味する「翻弄」などがあります。

操縦の意味

操縦とは

操縦とは、人を思いどおりに操ることを意味しています。

その他にも、「航空機や大型機械を動かすこと」の意味も持っています。

操縦の読み方

操縦の読み方は「そうじゅう」です。誤って「そうしょう」「あやたて」などと読まないようにしましょう。

操縦の使い方

「反抗期中である息子の操縦方法がわかりません」「人生の操縦権は自分にあるはずです」「問題児の操縦法をタイプ別にお教えします」などの文中で使われている操縦は、「人を思いどおりに操ること」の意味で使われています。

一方、「船舶を操縦するには免許が必要です」「両手で操縦桿を握り締める」「英語が話せない操縦士なんて聞いたことがありません」などの文中で使われている操縦は、「航空機や大型機械を動かすこと」の意味で使われています。

操縦とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を判断する必要があります。操縦は、なぜ「縦」という漢字が用いられているかというと、訓読みで「ほしいまま」と読み、思いのままに振る舞うさまを表すからです。

表現方法は「操縦士」

操縦を用いた日本語には、「操縦士」があります。操縦士とは、航空機を直接に操縦する技能をもち、その資格を与えられた者を意味します。また、航空機の操縦を職業とする者を意味し、「パイロット」とも呼ばれています。

操縦の類語

操縦の類語・類義語としては、列車や自動車などを操作して走らせることを意味する「運転」、船や航空機が決まった航路を進むことを意味する「運航」、船を思う方向に進めるために舵を操作することを意味する「操舵」などがあります。

操作の例文

1.音声操作が可能なAIスピーカーに慣れてしまったので、リモコンで操作することが面倒になりました。
2.タッチパネルの操作盤なら、直感的にコントロールすることができます。
3.スマホを操作しながら自転車を運転していたら、お巡りさんに注意されてしまいました。
4.通話をしながらATMを操作する高齢者を見かけると、詐欺にあっていないか心配になります。
5.人為的に株価を操作することは、金融商品取引法により禁止されています。

この言葉がよく使われる場面としては、器具や機械などを動かして作業すること、物事をある状態になるように操ることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から4にある操作は、機械などを動かして作業することの意味で用いられています。例文5の操作は、物事をある状態になるように操ることの意味で使われています。

操縦の例文

1.結婚30年目にして、亭主関白な夫の操縦法がわかってきた気がします。
2.イヤイヤ期の2歳児を上手に操縦することができなくて、親としての未熟さを痛感しています。
3.飛行機の操縦桿の仕組みはシンプルで、手前に引くと機体は上昇して、奥に押すと降下します。
4.国際線を操縦するパイロットになりたいのですが、どれぐらいの英語力が必要でしょうか。
5.飛行機を操縦するゲームにハマってしまい、寝不足の日々が続いています。

この言葉がよく使われる場面としては、思うように操り動かすこと、飛行機や自動車などの機械を動かすことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「操縦桿」(読み方:そうじゅうかん)とは、航空機の補助翼や昇降舵を操作するための棒状またはハンドル状のレバーのことです。

操作と操縦という言葉は、どちらも「何かを動かすこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、簡単に行えるものを動かすことを表現したい時は「操作」を、専門的な技術や資格が必要なものを動かすことを表現したい時は「操縦」を使うようにしましょう。

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