似た意味を持つ「折を見て」(読み方:おりをみて)と「折に触れて」(読み方:おりにふれて)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「折を見て」と「折に触れて」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「折を見て」と「折に触れて」の違い
「折を見て」と「折に触れて」の意味の違い
「折を見て」と「折に触れて」の違いを分かりやすく言うと、「折を見て」とは都合の良い時のこと、「折に触れて」とは機会がある度にのことという違いです。
「折を見て」と「折に触れて」の使い方の違い
一つ目の「折を見て」を使った分かりやすい例としては、「折を見てご挨拶に伺います」「折を見てご連絡させていただきます」「折を見てそちらへ訪問する予定です」「折を見て彼女に話しておきます」などがあります。
二つ目の「折に触れて」を使った分かりやすい例としては、「ミスの多い後輩に対して折に触れて注意している」「折に触れて先日の失敗を思い出し二度と同じことをしないようにと誓う」「折に触れて耳にする名前です」などがあります。
「折を見て」と「折に触れて」の使い分け方
「折を見て」と「折に触れて」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「折を見て」は都合の良い時のことを意味しており、機会がある時にというニュアンスで使います。一方、「折に触れて」は機会がある度にのことを意味しており、機会がある度にいつでもというニュアンスで使う言葉です。
「折を見て」と「折に触れて」の英語表記の違い
「折を見て」を直訳した英語はないのですが、近い表現として「occasion」があります。例えば上記の「折を見て彼女に話しておきます」を英語にすると「I will take occasion to speak to her」となります。
一方、「折に触れて」を直訳した英語はないのですが、近い表現として「from time to time」「occasionally」があります。例えば上記の「折に触れて耳にする名前です」を英語にすると「It is a name that I hear mentioned from time to time」となります。
「折を見て」の意味
「折を見て」とは
「折を見て」とは、都合の良い時のことを意味しています。
表現方法は「折を見て話す」「折を見て伺う」
「折を見て話す」「折を見て伺う」などが、「折を見て」を使った一般的な言い回しになります。
「折を見て」の使い方
「折を見て」を使った分かりやすい例としては、「今後の予定については折を見てゆっくり話しましょう」「折を見て上司に話しておきます」「折を見てこちらから伺います」「今は取り込んでいるので折を見てご連絡させていただきます」などがあります。
「折を見て」は都合の良い時や機会があればというニュアンスで使う言葉なので、相手に対して曖昧な印象を与えるので使う際は注意が必要です。
「折を見て」は目上の人には失礼にあたる
「折を見て」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉ですが、上司や取引先などの目上の人に対して使わないようにしましょう。
なぜなら、「折を見て」は都合の良い時や機会があればというニュアンスで使う言葉なので、目上の人に対して使うと失礼に当たるからです。また、「折を見て」という言葉自体が敬語表現ではありません。
「折を見て」の類語
「折を見て」の類語・類義語としては、丁度良いタイミングを見てのことを意味する「頃合いを見て」、それが実現するまでにそれほど時日を要しないことを意味する「そのうちに」、機会があればのことを意味する「折あらば」などがあります。
「折に触れて」の意味
「折に触れて」とは
「折に触れて」とは、機会がある度にのことを意味しています。
表現方法は「折に触れて気にかける」「折に触れて言う」「折に触れて思い出す」
「折に触れて気にかける」「折に触れて言う」「折に触れて思い出す」「折に触れてご指導」などが、「折に触れて」を使った一般的な言い回しになります。
「折に触れて」の使い方
「折に触れて」を使った分かりやすい例としては、「彼のことは折に触れて注意している」「入社したばかりですので折に触れてご指導お願いします」「忌まわしい記憶が折に触れて頭の中に思い浮かぶ」などがあります。
「折に触れて」は機会がある度にのことを意味する言葉で、ビジネスシーンにおいてよく使われています。また、何度も繰り返し行われる物事や事柄に対して使うのが一般的です。一度しか起きない物事や事柄には使わないと覚えておきましょう。
「折に触れて」の由来
「折に触れて」の由来は折り紙です。折り紙に刻まれた折り目を区切られた線と比喩して、時間の区切りとして使うようになりました。
「折に触れてご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」が敬語表現
「折に触れて」という言葉自体は敬語ではないのですが、「折に触れてご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」のように、前後の表現を丁寧にすることによって、上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができます。
「折に触れて」の類語
「折に触れて」の類語・類義語としては、繰り返しめぐってくることをを意味する「毎回」、あれやこれやとのことを意味する「何かと」などがあります。
「折を見て」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、都合の良い時のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「折を見て」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「折に触れて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、機会がある度にのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「折に触れて」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「折を見て」と「折に触れて」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、都合の良い時のことを表現したい時は「折を見て」を、機会がある度にのことを表現したい時は「折に触れて」を使うと覚えておきましょう。