【この度】と【このたび】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「このたび」という読み方の「この度」と「このたび」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「この度」と「このたび」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「この度」と「このたび」の違い

「この度」と「このたび」の意味の違い

「この度」と「このたび」の違いを分かりやすく言うと、「この度」とはビジネスシーンで一般的になっている使い方、「このたび」とは文化庁が推奨している使い方という違いです。

「この度」と「このたび」の使い方の違い

一つ目の「この度」を使った分かりやすい例としては、「この度はご迷惑おかけして申し訳ございません」「この度は心よりお悔やみ申し上げます」「この度異動により商品開発部より参りました村田と申します」「この度はありがとうございました
などがあります。

二つ目の「このたび」を使った分かりやすい例としては、「このたびはご結婚おめでとうございます」「このたびはお忙しい中ご足労いただき、誠にありがとうございます」「このたびは一身上の都合により退職することになりました」などがあります。

「この度」と「このたび」の使い分け方

「この度」と「このたび」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

結論から言うと、文化庁が推奨している正しい使い方は「このたび」ですが、ビジネスシーンで一般的に使われているのは「この度」というのが違いになります。そのため、どちらの表記が正しいとは一概に言えないのが現状です。

文化庁では「事」「時」「所」「段」などの形式名詞はひらがなでの表記を推奨しています。形式名詞とは、その語の表す実質的意義が薄く常に連体修飾語を受けて使用される名詞のことです。

分かりやすい例を挙げると、「療養中のところ」の「ところ」、「運動することが苦手だ」の「こと」、「彼女の言うとおりだと思う」の「おもう」などがあります。

「この度」の「度」という漢字には「度合い」という意味があり、「深度」「温度」「角度」などで使うのが一般的です。

しかしながら、「この度」で「度」を使う場合は、本来の「度合い」という意味から離れているため形式名詞になります。そのため、形式名詞の表記に倣うと、ひらがなで「このたび」とするのが正しい表記です。

ではなぜ、ビジネスシーンにおいて「この度」と漢字表記にするのが一般的かと言うと、漢字にした方がかしこまった印象を与えるからです。そのため、ビジネスシーンにおいては漢字表記を使うようにしましょう。

「この度」と「このたび」の英語表記の違い

「この度」も「このたび」も英語にすると「this time」「now」となり、例えば上記の「この度はありがとうございました」を英語にすると「Thank you for your help this time」となります。

「この度」の意味

「この度」とは

「この度」とは、今回や今度を丁寧した言い方を意味しています。

表現方法は「この度もありがとうございました」「この度は申し訳ございません」

「この度もありがとうございました」「この度は申し訳ございません」などが、「この度」を使った一般的な言い回しになります。

「この度」の使い方

「この度」を使った分かりやすい例としては、「この度は弊社の新規採用者募集にご応募いただき、誠にありがとうございます」「この度は受賞おめでとうございます」「この度はご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」などがあります。

「この度」は何回か行われる事柄の中で今行われていることや、行われたばかりであることを意味する「今回」や「今度」を丁寧にした表現です。また、お祝いの言葉、謝罪、お悔やみの言葉、ビジネスメール、履歴書など様々な場面で使うことができます。

「この度」は「此の度」や「此のたび」と表記することもできますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、使わないようにしましょう。

「この度」の類語

「この度」の類語・類義語としては、何回か行われる事柄の中で今行われていることを意味する「今度」、行われたばかりであることを意味する「今般」などがあります。

「このたび」の意味

「このたび」とは

「このたび」とは、今回や今度を丁寧した言い方を意味しています。

表現方法は「このたびはありがとうございます」「このたびはよろしくお願いします」

「このたびはありがとうございます」「このたびはよろしくお願いします」などが、「このたび」を使った一般的な言い回しになります。

「このたび」の使い方

「このたび」を使った分かりやすい例としては、「このたびは突然のお願いで申し訳ございません」「このたびはお忙しい中お越しいただきありがとうございます」「このたび受賞された皆様に、お祝いの言葉を贈りたいと思います」などがあります。

「このたび」は何回か行われる事柄の中で今行われていることや行われたばかりであることを意味する「今回」や「今度」を丁寧にした表現です。また、お祝いの言葉、謝罪、お悔やみの言葉、ビジネスメール、履歴書など様々な場面で使うことができます。

「このたび」は「此の度」や「此のたび」と表記することもできますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、使わないようにしましょう。

「このたび」の類語

「このたび」の類語・類義語としては、何回か行われる事柄の中で今行われていることを意味する「今回」、行われたばかりであることを意味する「この程」などがあります。

「この度」の例文

1.この度は私の監督不行き届きのため、貴社に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
2.この度は私たちの結婚に際して、心のこもったお祝いをありがとうございました。
3.この度人事異動により、本社へ配属を命じられました田中と申します。
4.この度は弊社の中途採用募集にご応募いただき、誠にありがとうございます。
5.この度、御社の新卒採用に応募させていただきたく、下記の書類を同封いたします。
6.この度、リニューアルオープンを記念して、お得意様向けに、以下の通り内覧会を開催いたします。招待状は別途お送りさせていただきますので、まずは参加の有無および人数をお知らせいただけますと幸いです。
7.この度は弊社の新規採用者募集に応募していただき誠にありがとうございます。今後の選考に関しましては追って連絡いたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。
8.この度は関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。今後はこのようなことがないように努めて参ります。
9.この度はプレゼントキャンペーンにご応募いただきありがとうございます。抽選の結果、残念ながら今回は落選となりましたが、次回のご参加をお待ちしております。
10.この度は心よりお悔やみ申し上げます。ご家族の皆様のお気持ちを思うとどんなにお辛いことかお察しいたします。

この言葉がよく使われる場面としては、今回や今度を丁寧した言い方を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「この度」はお祝いの言葉や謝罪など様々な場面で使うことができます。

「このたび」の例文

1.このたびはご出産、おめでとうございます。ささやかではありますが、お祝いの品をお贈りします
2.このたびはご栄転なされたとのこと、心よりお祝い申し上げます。
3.このたびはお忙しい中、私たちの結婚式に足を運んでいただき誠にありがとうございます。
4.このたびは、多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
5.このたびは、創立150周年を迎えられ、誠におめでとうございます。
6.このたび、私事ではありますが夫の転勤に伴い海外へ移住することになりましたため、本日が最後の参加となります。
7.このたびはあのような不祥事が起こってしまったことを非常に申し訳なく存じます。今後はより一層の再発防止に努めて参ります。
8.このたびはお忙しいところ、ご来場いただき誠にありがとうございました。これは記念品ですのでどうぞお受け取り下さい。
9.このたびは突然の訪問、申し訳ございません。課長にどうしてもお伝えしたいことがありまして。
10.このたび、わたしたちは●月●日に入籍いたしました。結婚式披露宴につきましてはまた決まり次第ご連絡致します。

この言葉がよく使われる場面としては、今回や今度を丁寧した言い方を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「このたび」はお祝いの言葉や謝罪など様々な場面で使うことができます。

「この度」と「このたび」はどちらも今回や今度を丁寧した言い方を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ビジネスシーンで使う場合は「この度」を、それ以外で使う場合は「このたび」と覚えておきましょう。

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