今日の買取件数:20件/今月の買取件数:520件/累計買取件数:27,566件

【此方】と【彼方】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「此方」(読み方:こちら)と「彼方」(読み方:あちら)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「此方」と「彼方」という言葉は、どちらも指示代名詞を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




此方と彼方の違い

此方と彼方の意味の違い

此方と彼方の違いを分かりやすく言うと、此方とは近くを指す指示代名詞、彼方とは遠くを指す指示代名詞という違いです。

此方と彼方の使い方の違い

一つ目の此方を使った分かりやすい例としては、「此方へおいでの際はご一報ください」「詳しくは此方をご確認ください」「此方が弊社の事業部長をしております鈴木です」「此方こそ宜しくお願い致します」などがあります。

二つ目の彼方を使った分かりやすい例としては、「春になり彼方此方で桜が咲き始めました」「彼方の掲示板をご覧ください」「彼方はやめて、こちらにします」「あなたが彼方のお客様をご案内してください」などがあります。

此方と彼方の使い分け方

此方と彼方という言葉は、どちらも事物や方角を指し示す指示代名詞ですが、意味や使い方には大きな違いがあります。

此方とは、近称の指示代名詞であり、話し手に近い方向や物などを指します。「此方へおいでの際は」の此方は、話し手がいる場所やその方角を表現しています。また、「此方こそ宜しく」「此方が私の兄です」のような使い方で、一人称や三人称の人代名詞にもなる言葉です。

彼方とは、遠称の指示代名詞であり、話し手や聞き手から遠い方向や物などを指します。「彼方の掲示板」の彼方は、話し手から離れた場所を表しています。また、「彼方のお客様」のような使い方で、三人称の人代名詞にもなります。

つまり、此方は話し手に近い場所や物を指し示す時に使い、彼方は話し手から遠い場所や物を指し示す時に使います。二つの言葉は、近くを指すか遠くを指すかという点において、相反する言葉だと言えるでしょう。

此方と彼方の英語表記の違い

此方を英語にすると「here」「this way」「I」「this」となり、例えば上記の「此方へおいで」を英語にすると「come here」となります。一方、彼方を英語にすると「that」「there」「the other」となり、例えば上記の「彼方此方」を英語にすると「here and there」となります。

此方の意味

此方とは

此方とは、話し手に近い方向・場所・物などを指す近称の指示代名詞を意味しています。

その他にも、「一人称の人代名詞、話し手自身、話し手の側」「三人称の人代名詞、話し手のすぐそばにいる人」の意味も持っています。

此方の使い方

「顔を此方に向けてください」「二つの様式のうち此方を使う人はいますか」「そちらは危ないので此方側をお通りください」「彼方此方歩き回って疲れました」などの文中で使われている此方は、「近称の指示代名詞」の意味で使われています。

一方、「此方こそありがとうございます」「此方も抜かねば無作法というもの」などの文中で使われている此方は「一人称の人代名詞」の意味で、「此方は私の父です」「此方は山田さんです」などの文中で使われている此方は「三人称の人代名詞」の意味で使われています。

此方の読み方

此方という熟語には多くの読み方があり、「こちら」「こなた」「こち」「こっち」「こんた」などありますが、一般的には「こちら」と読まれています。読み方によって若干意味が異なりますが、近くの人や場所などを表すという共通する意味があります。

「こちら」と読む場合の此方とは、指示代名詞と人称代名詞を意味します。指示代名詞としては、話し手に近い方向や場所あるいは物を指します。人称代名詞としては、話し手自身あるいは話し手のそばにいる第三者を表します。第三者を「こちら」と呼ぶのは、話し手と同等以上の人が対象になります。

「彼方此方」の意味

上記の例文にある「彼方此方」とは、いろいろの場所や方向を指す指示代名詞です。読み方は「あちこち」「あちらこちら」「かなたこなた」「あなたこなた」など複数ありますが、「あちこち」と読まれることがほとんどです。

此方の対義語

此方の対義語・反対語としては、話し手や聞き手から離れた方向や場所を意味する「あちら」、 物を隔てたあちらの側を意味する「向こう側」、三人称の人代名詞を意味する「あの人」などがあります。

此方の類語

此方の類語・類義語としては、聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物を意味する「こっち」、二人称の人代名詞を意味する「あんた」、親しい相手や同輩以下に対して見下して呼ぶ語を意味する「お前」などがあります。

彼方の意味

彼方とは

彼方とは、話し手・聞き手の双方から離れた場所や方向を指す遠称の指示代名詞を意味しています。

その他にも、「三人称の人代名詞、あの人、あの方」の意味も持っています。

彼方の使い方

「庭の彼方此方から虫の声が聞こえる」「彼方でも英語の勉強を続けるつもりです」「彼方を立てれば此方が立たずで不便です」をなどの文中で使われている彼方は、「遠称の指示代名詞」の意味で使われています。

一方、「彼方があなたのお父様ですか」「彼方から見た私の印象が気になる」「こちらと彼方を結ぶ橋渡しを引き受ける」などの文中で使われている彼方は、「三人称の人代名詞」の意味で使われています。

彼方の読み方

彼方という漢字には多くの読み方があり、「あちら」「かなた」「あなた」「あち」「あっち」「おち」などありますが、現代では「あちら」と読まれることが一般的です。読み方によって若干意味が異なりますが、遠くの人や場所などを表すという共通する意味があります。

「あちら」と読む場合の彼方とは、指示代名詞や人称代名詞の役割を持つ言葉です。指示代名詞としては、遠い場所を指し示す「あの方向」「向こう」、離れた物を指す「あれ」「あの物」を意味します。また、三人称の人代名詞として、「あの人」「あの方」を意味します。

「彼方を立てれば此方が立たず」の意味

彼方を用いた日本語には「彼方を立てれば此方が立たず」があります。一方によいようにすれば他方には悪くなり、二つの物事が同時に都合よく成り立つことがないことを表現する言葉です。

彼方の対義語

彼方の対義語・反対語としては、話し手に近い方向を意味する「こちら」、話し手自身やその周辺にいる人々を意味する「こっち」、自分の属している方を意味する「当方」などがあります。

彼方の類語

彼方の類語・類義語としては、話し手と聞き手の双方が承知している場所や状況を意味する「あそこ」、中称の指示代名詞を意味する「そちら」、物や距離を隔てたあちらの方を意味する「向こう」などがあります。

此方の例文

1.クイズに出そうと面白い読み方をする漢字を集めるために、彼方此方に聞いて回っています。
2.顧客からの問い合わせ電話で担当者が不在の場合、此方から折り返すと伝えるのがビジネスマナーだろう。
3.いえいえ、此方こそお手数をおかけして申し訳ありません。
4.ご紹介致します、此方が当社営業部長の田中です。
5.SNSで「此方」や「態々」など難しい漢字を使う人は、キャラが強そうだと警戒してしまう。
6.作業の人出が足りないことを知った支社長が、応援部隊を引き連れて急いで此方へとやってきてくれました。
7.転勤で此方へ来てからは慣れないこともありましたが、今では住めば都といった感じで快適な生活を送っています。
8.では早速ですが、軽くご紹介を。此方がマーケティング戦略部部長の鈴木で、私は総務部の田中と申します。
9.明日は色々忙しくなると思うが宜しく頼むよ。いえいえ、プロジェクトに携わることができて光栄です。此方こそ宜しくお願い致します。
10.お客様、昨日の豪雨によりそちらの方は道がぬかるんで危険ですので、此方側の通路をお通り下さい。

この言葉がよく使われる場面としては、話し手に近い方向・場所・物、当方、話し手のすぐそばにいる人を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「此方」は、話し手に近い方向や場所を指す指示代名詞です。例文2から例文4にある「此方」は、人称代名詞として使われています。

彼方の例文

1.駅の向こうの彼方は教育熱心なエリアなので、ほとんどの子ども達が英語を習っています。
2.彼方此方から借金をしている人は、お金の使い方に問題があると思います。
3.宇宙の遥か彼方から飛来した隕石は、不思議な力を持つパワーストーンだと信じています。
4.彼方からアニメの話をしてきた割には、全然詳しくないようでした。
5.すみませんが、ご存知でしたら彼方のお名前を教えていただけませんか。
6.夜になると必ず庭の彼方の方から虫の鳴き声が聞こえてきたが、何の虫かまでは分からず仕舞いであった。
7.初めて東京に行った時は、道の彼方此方から人々がどっと押し寄せてくるので、途中で気分が悪くなってしまった。
8.私は改革するために社長を引き受けましたが、彼方から見れば私はただのよそ者で邪魔者なのかもしれません。
9.無数に流れてきた星たちはすぐさま闇の彼方へと消えていく。まばたきをしていたらすぐに見失ってしまうほどだ。
10.彼方から仲直りしようと言ってきた割には、その後特に音沙汰もないのだからまったく信用におけないやつだ。

この言葉がよく使われる場面としては、あの方向・遠く離れた場所・あれ、あの人を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2にある「彼方」は、遠称の指示代名詞として用いられています。例文3や例文4の「彼方」は、三人称の人代名詞として用いられています。例文5の「遥か彼方」は「はるかかなた」と読み、長い距離を隔てた向こう側のことを意味します。

此方と彼方という言葉は、どちらも指示代名詞です。どちらの言葉を使うか迷った場合、話し手に近い方向や物を表現したい時は「此方」を、話し手から離れた方向や物を表現したい時は「彼方」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター