【止める】と【停める】と【留める】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「とめる」という読み方の「止める」と「停める」と「留める」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「止める」と「停める」と「留める」という言葉は同音の言葉ですが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




「止める」と「停める」と「留める」の違い

「止める」と「停める」と「留める」の意味の違い

「止める」と「停める」と「留める」の違いを分かりやすく言うと、「止める」は物事の動きをやめさせることを表現する時に使い、「停める」は一時的に中断することを表現する時に使い、「留める」は固定することを表現する時に使うという違いです。

「止める」と「停める」と「留める」の使い方の違い

「止める」という言葉は、「争いを止める方法を考えている」「緊張のあまり息を止めてしまった」などの使い方で、動いているものを動かないようにすることを意味します。

「停める」という言葉は、「この辺のバスが停まる場所は道が細い」「車を近くのパーキングに停める」などの使い方で、一時的に中断していることを意味します。

「留める」という言葉は、「その部屋のポスターが目に留まった」「聞いたことをノートに書き留める」などの使い方で、その場から動かず固定することや、意識や注意を集中させることを意味します。

「止める」と「停める」と「留める」の使い分け方

「ボタンをとめる」の「とめる」は、「止める」と「留める」のどちらも使われていますが、本来はいくつかのもの離れないようにすることや、固定することを意味する「留める」を使います。文房具のホチキスの場合も、「ホチキスを留める」と表記します。

また、「止める」という言葉は、物事の動きを止めることを意味するため、「ボタンを止める」という表記にしてしまうと、動いているボタンの動きを抑えるような意味になります。

一方、「停める」という言葉は、一時的に物事を中断する場合に使い、特に車に対して多く使われる言葉です。

これが、「止める」「停める」「留める」の明確な違いです。

「止める」の意味

「止める」とは

「止める」とは、動いているものを動かないようにすることを意味しています。

表現方法は「息を止める」「足を止める」「争いを止める」

「息を止める」「足を止める」「争いを止める」などが、止まるを使った一般的な言い回しです。

「止める」を使った言葉として、「息の根を止める」「流言は知者に止まる」があります。

「息の根を止める」の意味

一つ目の「息の根を止める」とは、相手が二度と立ち直ることのないように徹底的に打ち負かすことを意味する言葉です。息の根とは呼吸や、命そのものを例えた言葉です。

「流言は知者に止まる」

二つ目の「流言は知者に止まる」とは、確かな根拠のないうわさが広まったとしても、賢明な人はそれを他人に話さないから噂はそこで止まってしまうということを意味することわざです。

この「止まる」は「とどまる」と読みますが、つまらない噂を話さないで止めるという意味であるため、使い方や意味は「とまる」と同じです。

「止める」の対義語

「止める」の対義語・反対語としては、ある状態や行為を途切れたり、変えたりしないで保つことを意味する「続ける」があります。

「止める」の類語

「止める」の類語・類義語としては、防ぎ止めることを意味する「防止」、途中でやめることを意味する「中止」、仕事や活動などを一時休むことを意味する「休止」、他人の言動を抑え留めることを意味する「制止」などがあります。

「停める」の意味

「停める」とは

「停める」とは、物事を一時的に中断させることを意味しています。

「停める」は常用外漢字

「停める」という言葉は常用漢字表にはない読み方であるため、公的な文書では使われることのない言葉です。また、「駐める」も意味はほとんど同じですが、こちらも常用外の読み方です。

「車を停める」は5分以内の車の一時停車など

「停める」は運転者がすぐに運転できる状態であったり、5分以内の車の一時停車に使い、「駐める」は運転者が車から離れていてすぐ運転できない状態であったり、5分を超える車の駐車の意味として使い分けられていることがあります。

表現方法は「自転車を停める」「タクシーを停める」「バスを停める」

「停める」を使った表現として、「駐輪場に自転車を停める」「タクシーを停めるための場所を探す」「バスが停まっている」などがあります。基本的には自動車などの乗り物に使われます。

「止める」という言葉に変えることも出来ますが、今日「止める」は動いてるものを制止する意味で使われることがほとんどであるため、運転者が車を動かすのを第三者が止めるというニュアンスが強くなります。

「停める」の対義語

「停める」の対義語・反対語としては、物事の様子や状態、内容を変えることを意味する「動かす」があります。

「停める」の類語

「停める」の類語・類義語としては、物事がそれ以上進まないよう防ぎ止めることを意味する「食い止める」、これまで続いていた物事をやめることを意味する「絶つ」、他にやらないでそのまま置いておくことを意味する「留め置く」などがあります。

「留める」の意味

「留める」とは

「留める」とは、その場から動かないよう離れないようにすることを意味しています。

表現方法は「ホチキスで留める」「ボタンを留める」「クリップで留める」

「ホチキスで留める」「ボタンを留める」「クリップで留める」などが、留めるを使った一般的な言い回しです。

「留める」を使った言葉として、「心を留める」「目にも留まらぬ」があります。

「心を留める」「心に留める」の意味

一つ目の「心を留める」とは、注意することや、愛着を持つことを意味する慣用句です。しっかりと覚えておくことを意味する「心に留める」という言葉が注意するために覚えておくというニュアンスを持っているため、「心を留める」はあまり使われていません。

「目にも留まらぬ」「目が留まる」の意味

二つ目の「目にも留まらぬ」とは、目で追いきれないほど動作が素早い様子を意味する慣用句です。反対に「目が留まる」という表現になると、ある物事や人物に対して特に興味を持って注意深く見ることを意味します。

これらのように、「留める」という言葉は、動くものを固定することだけではなく、人の感情や興味関心などもその対象から動かない状態になることも意味します。

「留める」の対義語

「留める」の対義語・反対語としては、位置などを変えたり、他の所に持っていくことを意味する「移す」があります。

「留める」の類語

「留める」の類語・類義語としては、一定の位置に泊まって動かないことを意味する「固定」、物をある場所に据えて固定することを意味する「据え付ける」、元の状態にしておくことを意味する「残す」などがあります。

「止める」の例文

1.道に迷ったことに気が付き、足を止めざるを得なかった。
2.予想外の出来事が起きて思考が止まってしまった。
3.木に小鳥が止まっているのをレンズ越しに見る。
4.むかしから流言は知者に止まるとはいうものの、インターネット社会では、どんな知者であってもその勢いを止めることが不可能なのは明白である。
5.久々に友達の家に行くと、友達が赤ん坊を抱えているのが目に入り、子供生まれましたなんていうものだから息を止めるほどびっくりしてしまった。
6.休日は街ブラをするのが趣味で、直感で気になる店の前では足を止めて、勇気をだしてそのままお店に入るが、いまのところハズレのお店はない。

この言葉がよく使われる場面としては、動いてるものを動かないようにさせることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「足を止める」とは、進むのをやめてその場に立ち止まることを意味する慣用句です。

例文3の「小鳥が止まる」という表現は、「小鳥が留まる」という表現でも問題ありません。

「停める」の例文

1.軽と書かれている駐車場のスペースに軽自動車以外を停めてはならない。
2.バスが停まってから席を立たなければ横転してしまう可能性がある。
3.自転車を停める場所はあるが、バイクを停めることができる場所がなかなか見つからない。
4.家に近くにできたコンビニが一年もしない内に撤退したのは、クルマを停めるスペースが狭くてなかなか集客に繋がらなかったのだろうな。
5.道端で近所の鈴木さんにばったりと会ったので自転車を停めて立ち話をしていたところ、今度は中学校時代の同級生と再会してしまったものだから、なんという偶然だろうと思った。
6.昔、ダイエットのために歩いて帰ろう決心したものの、途中でバテて辛くなってしまい、近くを走っていたタクシーを停めて乗って家に帰ってしまったことがあったな。

この言葉がよく使われる場面としては、車などの動きを一時的にやめさせることを意味する時などが挙げられます。

どの「停める」も「駐める」という表現に置き換えることができますが、「止める」や「留める」という表現に置き換えることはできません。

「留める」の例文

1.交通事故に遭って病院に搬送された被害者は、なんとか一命を取り留めたようだ。
2.風邪を引いた弟を気に留めながらアルバイトへと向かった。
3.上司に言われたポイントを耳に留めて、報告書の訂正を行う。
4.朝起きていつものように洋服のボタンを留めようとするとボタンがないことに気がついたが、替えのボタンを探す暇もないので別の服を着ることにした。
5.大学のゼミのプレゼンの資料をひとりで印刷して、ひとりでホチキスで留める作業は、とても大変だったがプレゼンが楽しみだったので苦ではなかった。
6.たくさんのプリントをもらったのに、それらをクリップで留めるのを忘れたせいでバラバラになってしまい、何ページか紛失してしまったようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、動かないように固定することを意味する時などが挙げられます。

例文2の「気に留める」とは、心に留めることや忘れないでいることを意味する慣用句です。

例文3の「耳に留める」とは、注意して聞くことや、聞いて記憶に残すことを意味する慣用句です。

「止める」と「停める」と「留める」どれを使うか迷った場合は、物事の動きをやめさせることを表す場合は「止める」を、一時的に中断することを表す場合は「停める」を、固定することを表す場合は「留める」を使うと覚えておけば間違いありません。

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