【オーソドックス】と【スタンダード】と【ベーシック】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「オーソドックス」と「スタンダード」と「ベーシック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「オーソドックス」と「スタンダード」と「ベーシック」という言葉は、物事の度合いを表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




オーソドックスとスタンダードとベーシックの違い

オーソドックスとスタンダードとベーシックの意味の違い

オーソドックスとスタンダードとベーシックの違いを分かりやすく言うと、オーソドックスは定番を表現する時に使い、スタンダードは標準を表現する時に使い、ベーシックは基礎を表現する時に使うという違いです。

オーソドックスとスタンダードとベーシックの使い方の違い

オーソドックスという言葉は、「オーソドックスなファッションは誰にでも受け入れてもらいやすい」「その考え方はオーソドックスではあるが目新しさはないように思う」などの使い方で、正統的、定番である様子を意味します。

スタンダードという言葉は、「父はスタンダードプランでは足りないと言い始めた」「グローバルスタンダードに則って作られた商品は人気商品の一つだ」などの使い方で、標準的である様子を意味します。

ベーシックという言葉は、「参考書はベーシックと書かれたものから始めて徐々にステップアップしている」「ベーシックアイテムを揃えておくだけでもファッションが変わる」などの使い方で、基本的なことを意味します。

オーソドックスとスタンダードとベーシックの使い分け方

オーソドックスとスタンダードは、どちらもレストランのコース料理の内容やファッションなどに対して使われる言葉で、前者は定番のものを指し、後者は標準的なものを指します。

言葉の意味としては異なりますが、定番とされている内容が標準と想定されているものと同じ場合もあります。

一方のベーシックは、基礎的な状態を表す言葉であるため、サービスなどにおけるベーシックは必要最低限のものが揃っている状態を指すことがほとんどです。

そのため、より充実している順番に並べると、オーソドックス≧スタンダード>ベーシックとなります。

これが、オーソドックス、スタンダード、ベーシックの明確な違いです。

オーソドックスの意味

オーソドックスとは

オーソドックスとは、正統的である様子を意味しています。

オーソドックスの語源

オーソドックスは、ギリシア語で正しい意見や正しい考えという意味を持つ「オルトドクシア」という言葉が語源とされています。

宗教に対して使われることも多く、キリスト教におけるオーソドックスは正しく神を讃美することを意味し、正教会は「Orthodox Church」という英語表記がなされます。キリスト教だけではなくユダヤ教の正教も表すことができます。

表現方法は「オーソドックスなファッション」「オーソドックスな考え方」

オーソドックスを使った表現として、「オーソドックスなファッションの方が万人受けする」「オーソドックスな考え方も大切だ」などがあります。

日常生活においては宗教に対して使うよりも、一般的であることや普通であることを意味する言葉として使われることがほとんどです。

オーソドックスの対義語

オーソドックスの対義語・反対語としては、異端や異説のものを意味する「ヘテロドックス」、普通の規則や方法からは外れている様子を意味する「変則的」があります。

オーソドックスの類語

オーソドックスの類語・類義語としては、流行などに左右されない基本的な商品や事柄を意味する「定番」、例外なく全てのものに当てはまることを意味する「普遍」があります。

スタンダードの意味

スタンダードとは

スタンダードとは、標準的である様子を意味しています。

スタンダードを使った言葉として、「スタンダード・ナンバー」「ミニマムスタンダード」があります。

「スタンダード・ナンバー」の意味

一つ目の「スタンダード・ナンバー」とは、流行関係なしに多くの人に親しまれたり、多くのアーティストによってカバーされるような楽曲を指す言葉で、いわゆる定番曲に当たる和製英語です。英語では、スタンダードのみで表現されます。

ジャズやポップスなどの音楽に対して使われる言葉で、国家や民謡などには使われません。これは後者が、スタンダードという表現を使わずとも、曲名を聞くだけで内容を理解できる人がほとんどであるためです。

「ミニマムスタンダード」の意味

二つ目の「ミニマムスタンダード」とは、守られるべき最低限の基準や、最低水準を意味する言葉です。例えば、教育分野においては学習指導要領がミニマムスタンダードと位置付けられており、他にも金融業界でも使われている言葉です。

スタンダードの対義語

スタンダードの対義語・反対語としては、特別な仕様になっているものを意味する「カスタム」があります。

スタンダードの類語

スタンダードの類語・類義語としては、判断や評価などの基準を意味する「尺度」、思考や行為などのたよりとする物事を意味する「規準」、おおよその基準を意味する「目安」、あるものを拠り所としてそれに従うことを意味する「準拠」などがあります。

ベーシックの意味

ベーシックとは

ベーシックとは、基本的なことを意味しています。

ベーシックを使った言葉として、「ベーシックインカム」「ベーシック英語」があります。

表現方法は「ベーシックな服」「ベーシックな服」「ベーシックなシャツ」

「ベーシックな服」「ベーシックな服」「ベーシックなシャツ」などが、ベーシックを使った一般的な言い回しです。

「ベーシックインカム」の意味

一つ目の「ベーシックインカム」とは、政府が全ての国民に対して生活できる一定額を無条件で至急する所得補償制度の一つで、基本所得制や最低生活保障、国民配当などとも呼ばれています。

国民に対して最低限の生活を保障することで、貧困対策や景気回復はもちろん、少子化対策、地方の活性化、ブラック企業の矯正などにもつながるとされています。

「ベーシック英語」の意味

二つ目の「ベーシック英語」とは、基礎的な英単語850語とそれを使用するためのルールを指す言葉で、英語を簡素化したものです。

第二次世界大戦後、国際的に使われるようにするため単純化が考案され、結果として世界平和の手段として世間の注目を集めます。アジアなどで教えられる英語の初心者向けの英単語はこのベーシック英語の名残とされています。

ベーシックの対義語

ベーシックの対義語・反対語としては、原理や知識を実際の事柄に当てはめて用いることを意味する「応用」、通例に当てはまらないことを意味する「例外」があります。

ベーシックの類語

ベーシックの類語・類義語としては、物事を成り立たせる大もとの部分を意味する「基礎」、物事が成り立っている基礎となるものを意味する「根本」、物事の根本的な性質を意味する「本質」、学問などを学び始めることを意味する「入門」などがあります。

オーソドックスの例文

1.その作家のファンになったきっかけの本について話したら、オーソドックスではないと珍しいものを見る目で見られた。
2.オーソドックスなラーメンが人気を博したのか、その店には連日長蛇の列が形成されている。
3.浴衣を着る際に、母がオーソドックスな帯の結び方ではなく少し難しい結び方をしてくれたため、その日友人らに褒めてもらった。
4.私は焼きそばにたっぷりのタバスコをかけて食べるのが好きだが、母はソースだけのオーソドックスな食べ方が好きらしい。
5.君みたいに流行を追うよりもオーソドックスなファッションの方が誰からも受け入れやすいのだからね。
6.アイデア出しの会議は皆オーソドックスな考え方に終始したので、上司は納得いっていないようだった。
7.海外に行ってからオーソドックスなものばかりで飽きていたので、たまにはエスニックなものを食べたいと思ったのだ。
8.最近注目している新人の漫才コンビは、オーソドックスなボケと突っ込みのスタイルではあるがどこか狂気があって魅力的である。

この言葉がよく使われる場面としては、正統的である様子を意味する時などが挙げられます。

どのオーソドックスという言葉も、一般的や普通といった言葉に置き換えて使うことができます。

スタンダードの例文

1.今日の教育におけるグローバルスタンダードはさらに拡大し、中学からの英語学習を小学生にまで範囲を広げ始めた。
2.憲法9条に関する問題はダブルスタンダードだと批判する人もいるが、現状軍事的組織を解体してしまえば国を守ってくれる人がいなくなってしまう。
3.その企業が売り出すスタンダードプランは顧客が欲するようなサービスがある程度揃っていた。
4.生命保険のことはまったくわからないので、まずはいわゆる健康な30代独身女性が入るようなスタンダードプランにしてみました。
5.昨日の深夜ラジオはスタンダードナンバーの特集で、大好きな曲がたくさん流れたので全然眠れなかった。
6.機種はスタンダードモデルとハイエンドモデルの二種類が用意されていたが、ハイエンドモデルの方がよく売れていた。
7.海外進出するなら日本の商習慣をそのまま持ち込むのではなく、グローバルスタンダードに合わせていかないといけない。
8.日本の近代を語る上では夏目漱石抜きでは何も語れないほどスタンダードな存在となっている。

この言葉がよく使われる場面としては、標準的である様子を意味する時などが挙げられます。

例文1の「グローバルスタンダード」とは、いわゆる世界標準を意味する言葉で、世界共通で適用される基準や規格を意味する言葉です。

例文2の「ダブルスタンダード」とは、似たような状況に対して対応がそれぞれ異なり不公平であることを皮肉る言葉で、二重規範と言われます。

ベーシックの例文

1.ベーシックイングリッシュを覚えてしまえば、英文法を学ぶ際に大きく役に立つに違いない。
2.ファッションは時代と共に移り行くものだが、ここ数年見続けているスタイルがニューベーシックとなり始めた。
3.ベーシックインカムは多くの人を助けるための制度だが、そういう制度こそ不正があってはならない。
4.ノートなど日常文具は、ベーシックなタイプのもののほうが見やすく書きやすいので人気があります。
5.難易度が高く、技巧的なことはせず、ただただベーシックなステップを踏んでいるだけなのに、彼女が踊ると優雅に見えるのはなぜなんだろう。
6.昨今日本の政党のなかでもベーシックインカムを導入したらどうかという声が上がっており社会保障のあり方も変わろうとしている。
7.ネットフリックスのプランは画質はあまりよくはないが、費用が安いベーシックプランで契約している。
8.新しく買ったゲーミングPCはベーシックモデルだが、サクサク動いてくれるのでまったく不満はないです。

この言葉がよく使われる場面としては、基本的なことを意味する時などが挙げられます。

例文2の「ニューベーシック」とは、流行とは関係なしに着ることができる服を指す言葉で、時代の変化で新しい要素がどんどん取り入れられるため、ニューベーシックと呼ばれます。

オーソドックスとスタンダードとベーシックどれを使うか迷った場合は、定番を表す場合は「オーソドックス」を、標準を表す場合は「スタンダード」を、基礎を表す場合は「ベーシック」を使うと覚えておけば間違いありません。

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