似た意味を持つ「レッテル」と「ラベル」と「タグ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「レッテル」と「ラベル」と「タグ」という言葉は、商品に付ける札という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
レッテルとラベルとタグの違い
レッテルとラベルとタグの意味の違い
レッテルとラベルとタグの違いを分かりやすく言うと、レッテルは一方的に決めつけた評価を表現する時に使い、ラベルは商品内容が書かれたシールを表現する時に使い、タグは商品に関する札を表現する時に使うという違いです。
レッテルとラベルとタグの使い方の違い
レッテルという言葉は、「彼はすぐ他人にレッテルを貼る」「レッテルを訳してほしいと友人に頼まれた」などの使い方で、商品名や発売元などを表示して商品に張り付ける紙の札を意味します。
ラベルという言葉は、「ラベルシールを貼り付ける作業は地味にで面倒だ」「ちゃんとラベルを見てから購入した方がいい」などの使い方で、商標や品名などを表示するために品物や容器などに貼る紙片を意味します。
タグという言葉は、「洋服のタグのデザインまで可愛い」「情報収集のためにSNSでタグの検索を行う」などの使い方で、荷札や商品に下げる商品名や商品内容に関することが書かれている札を意味します。
レッテルとラベルとタグの使い分け方
レッテルとラベルは、どちらも商品名や原材料が記載された紙を指す言葉で、商品の瓶や箱などに貼り付けらていることが多いです。
また、輸入された商品に原語で商品名や原材料などが書かれているものをレッテルと呼び、そのレッテルを日本語に訳して書かれているものをラベルと呼んで区別することもあるようです。
一方、タグという言葉は、情報を管理するために下げられた紙で、レッテルやラベルのように貼り付けられたものではありません。タグはその他にも、情報の一つとしてまとめられる際の目印を指すものとしても使われます。
これが、レッテル、ラベル、タグの明確な違いです。
レッテルの意味
レッテルとは
レッテルとは、商品名や発売元などを表示して商品に張り付ける紙の札を意味しています。
レッテルの由来
レッテルは「letter」と表記されるオランダ語が由来となった言葉で、文字や手紙を意味しています。
「レッテルを貼る」の意味
レッテルを使った言葉として、「レッテルを貼る」があります。これは、ある人物などに対して一方的、断定的に評価をつけることを意味する表現です。
今日では、レッテルという言葉自体が商品だけではなく、人や集団などに対して使われることも多くなっています。その場合は他者の評価を主観的に行うことを意味する言葉となり、マイナスイメージの評価がなされたものに対して使われています。
表現方法は「自分にレッテルを貼る」「レッテルを貼る人」「レッテル貼り思考」
「自分にレッテルを貼る」「レッテルを貼る人」「レッテル貼り思考」などが、レッテルを使った一般的な言い回しです。
レッテルの類語
レッテルの類語・類義語としては、疑問や注意事項などを書いて貼り付ける小さな紙を意味する「付箋」、目印としてつける札を意味する「付け札」、裏に糊のついた紙を意味する「ステッカー」があります。
ラベルの意味
ラベルとは
ラベルとは、商標や品名などを表示するために品物や容器などに貼る紙片を意味しています。
表現方法は「ラベルを貼る」「ラベルを剥がす」「ラベルを作る」
「ラベルを貼る」「ラベルを剥がす」「ラベルを作る」などが、ラベルを使った一般的な言い回しです。
ラベルを使った言葉として、「エコラベル」「統一省エネラベル」があります。
「エコラベル」の意味
一つ目の「エコラベル」とは、地球環境の保全に役立つと認定された商品につけるマークを指す言葉で、「環境ラベル」とも呼ばれています。
このラベルに表示されている情報を見て商品を選択して購入し、使用することが環境への負荷を減らすことにつながると考えられています。「エコマーク」や「ソイシール」「PETボトルリサイクル推奨マーク」などはこのエコラベルに含まれています。
「統一省エネラベル」の意味
二つ目の「統一省エネラベル」とは、省エネ性能や年間電気料金の目安などが記載されたもので、エアコンや冷蔵庫などの家電製品に貼られています。2006年にはこの表示を行う「統一省エネラベル」制度が開始されました。
ラベルの類語
ラベルの類語・類義語としては、図表にして示すことを意味する「表示」、荷物などに目印としてつけてある札を意味する「附票」、表面に絵や文字を印刷した糊付きの紙を意味する「シール」があります。
タグの意味
タグとは
タグとは、荷札や商品に下げる商品名や商品内容に関することが書かれている札を意味しています。
表現方法は「タグをつける」「タグを外す」「タグを切る」
「タグをつける」「タグを外す」「タグを切る」などが、タグを使った一般的な言い回しです。
タグを使った言葉として、「ICタグ」「ハッシュタグ」があります。
「ICタグ」の意味
一つ目の「ICタグ」とは、小さな無線チップで、商品などに貼り付けて商品の識別や管理などに使われるものです。「無線ICタグ」や「RFタグ」「RFIDタグ」「電子タグ」など様々な言い方がなされるチップです。
「ハッシュタグ」の意味
二つ目の「ハッシュタグ」とは、SNSにおいて特定のテーマについての投稿を検索して一覧に表示されるようにするための機能を指す言葉です。
「#」(読み方:ハッシュマーク)に言葉を続けることでタグ化されるため、それに関する情報を集めている人にとって認知されやすくなります。Instagramでは一つの投稿で10個前後付けられることが閲覧数増加につながるとされています。
タグの類語
タグの類語・類義語としては、宛先と送り主の住所や氏名などを書いて荷物につける札を意味する「荷札」、商品に付ける値段を書いた札を意味する「値札」があります。
レッテルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、商品名や発売元などを表示して商品に張り付ける紙の札を意味する時などが挙げられます。
商品説明などの意味合いで使われているのは例文2のみで、例文1と例文3は決めつけることを表現する言葉として使われています。
ラベルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、商標や品名などを表示するために品物や容器などに貼る紙片を意味する時などが挙げられます。
例文3の「ラベリング」とは、品質や内容を明確にすることを意味する言葉ですが、例文3のようにレッテルを貼って決めつけることも意味する言葉です。
タグの例文
この言葉がよく使われる場面としては、荷札や商品に下げる商品名や商品内容に関することが書かれている札を意味する時などが挙げられます。
例文2の「タグる」は、ハッシュタグのタグと「手繰る」を掛けた言葉とも言われています。
レッテルとラベルとタグどれを使うか迷った場合は、一方的に決めつけた評価を表す場合は「レッテル」を、商品内容が書かれたシールを表す場合は「ラベル」を、商品に関する札を表す場合は「タグ」を使うと覚えておけば間違いありません。