似た意味を持つ「しばし」と「しばらく」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「しばし」と「しばらく」という言葉は、どちらも少しの間のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「しばし」と「しばらく」の違い
「しばし」と「しばらく」の意味の違い
「しばし」と「しばらく」の違いを分かりやすく言うと、「しばし」は少しの間のことの意味でしか使えない、「しばらく」は時間的にある程度長く使うという意味でも使えるという違いです
「しばし」と「しばらく」の使い方の違い
一つ目の「しばし」を使った分かりやすい例としては、「観客の歓声はしばし続きました」「すぐ呼んで参りますのでしばしお待ちください」「食事の準備ができるまでしばしお待ちください」「退職する月末までしばしの辛抱だ」などがあります。
二つ目の「しばらく」を使った分かりやすい例としては、「電車が来るまでもうしばらくお待ちください」「しばらく海外に行くことになりました」「しばらくラーメンを食べていない気がする」「彼女はしばらくすれば来るだろう」などがあります。
「しばし」と「しばらく」の使い分け方
「しばし」と「しばらく」はどちらも少しの間のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「しばし」は少しの間のことを指す場合にしか使えない言葉になります。一方、「しばらく」は少しの間のこと他に、時間的にある程度長く続くことの意味を持っているので、ある程度時間が長い場合にも使えるというのが違いです。
「しばし」と「しばらく」の英語表記の違い
「しばし」も「しばらく」も英語にすると「a short while」「for the time being」となり、例えば上記の「彼女はしばらくすればくるだろう」を英語にすると「He will come 「in a short while」となります。
「しばし」の意味
「しばし」とは
「しばし」とは、少しの間継続することを意味しています。
「しばし」の漢字表記
「しばし」を漢字にすると、「暫し」と表記することができます。
「しばし」の使い方
「しばし」を使った分かりやすい例としては、「次の準備をしていますのでしばしご歓談を」「子供たちにはしばし外で遊んでいてもらうことにしました」「お話したいことがあるのでしばしお付き合いくださいませ」などがあります。
「しばし」は少しの間継続することを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「しばし」の期間
「しばし」はどれくらいの期間だろうと思う方もいるはずですが、結論から言ってしまうと明確な期間は決まっていません。個人に裁量に委ねられていると覚えておきましょう。また、ただ単純に少しの間だけなのでなく、相対的な時間に対しの少しの間を表現する場合に使います。
例えば、高校生の冬休みは2週間程度になりますが、1年間からみればたった2週間という短い時間なので、「明日から冬休みなので友人たちとはしばしの別れだ」のように使うことが可能です。
一方、会社にお客さんが訪ねてきてすぐに対応できず5分から15分待たせてしまう場合にも、「すぐに対応しますのでしばしお待ちください」のように使うことができます。これは、お客さんが会社に滞在するのは長くても数時間なので、「しばし」は10分間という非常に短いニュアンスで使います。
したがって、対象となる時間の尺度や基準に対して、少しの時間と感じられる場合に使うと覚えておきましょう。
「しばし」の由来
「しばし」は奈良時代から使われているとても古い言葉です。元々は「しまし」の形で使われていましたが、平安時代辺りで音変化し、「しばし」になったと言われています。
「しばし」の類語
「しばし」の類語・類義語としては、ごく短い時間のことを意味する「つかの間」、ちょっとの間のことを意味する「少しの間」、少しだけ間を取ることを意味する「一呼吸」などがあります。
「しばらく」の意味
「しばらく」とは
「しばらく」とは、すぐではないがあまり時間がかからないことを意味しています。その他にも、時間的にある程度長く続くことの意味も持っています。
「しばらく」の漢字表記
「しばらく」を漢字にする、「暫く」と表記することができます。
「しばらく」の使い方
「すぐにお呼びいたしますのでこちらでしばらくお待ちください」「しばらくしてから今日主役の登場です」などの文中で使われている「しばらく」は、「すぐではないがあまり時間がかからないこと」の意味で使われています。
一方、「しばらくは現地に滞在することにしました」「この寒さはしばらく続くと言われています」などの文中で使われている「しばらく」は、「時間的にある程度長く続くこと」の意味で使われています。
「しばらく」はすぐではないがあまり時間がかからないことの意味の他に、時間的にある程度長く続くことの意味を持つ副詞です。
また、「しばらく」はビジネスシーンや日常生活など様々な場面で使うことができます。
「しばらく」の期間
「しばらく」はどれくらいの期間だろうと思う方もいるはずですが、結論から言ってしまうと明確な期間は決まっていません。個人に裁量に委ねられていると覚えておきましょう。なぜなら、少しの間のことの意味と、ある程度長いことという二つの意味を持っているからです。
例えば、お客さんから電話がかかってきて担当者が席を外していた場合に「しばらくお待ちください」と伝えたとすると、だいたい5分から10分程度を指しています。
また、4月になったのに寒い日が1週間程度続く場合にも、「この寒さはしばらく続きそうです」のように使うことができます。
その他にも、半年以上会ってない友人に対して、「しばらく会っていないので今度お茶しませんか」のように使うことが可能です。
つまり、「しばらく」は状況によって期間が変わる言葉であると覚えておきましょう。
「しばらく」の類語
「しばらく」の類語・類義語としては、しばらくの間のことを意味する「一時」、僅かな時間のことを意味する「寸刻」、しばらくの間のことを意味する「ひとしきり」あどがあります。
「しばし」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、少しの間継続することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「しばし」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「しばらく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、すぐではないがあまり時間がかからないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、時間的にある程度長く続くことの意味も持っています。
例文1と例文2の「しばらく」はすぐではないがあまり時間がかからないこと、例文3から例文5の「しばらく」は時間的にある程度長く続くことの意味で使っています。
「しばし」と「しばらく」はどちらも少しの間のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、少しの間のことの意味でしか使えないのが「しばし」、時間的にある程度長く使うという意味でも使えるのが「しばらく」と覚えておきましょう。