似た意味を持つ「割と」(読み方:わりと)と「結構」(読み方:けっこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「割と」と「結構」という言葉は、どちらも思っていた以上であることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「割と」と「結構」の違い
「割と」と「結構」の意味の違い
「割と」と「結構」の違いを分かりやすく言うと、「割と」よりも「結構」の方が程度が大きいという違いです。
「割と」と「結構」の使い方の違い
一つ目の「割と」を使った分かりやすい例としては、「彼は病み上がりにしては割と元気です」「彼女の手料理は割と美味しい」「この映画は割と気に入っています」「物価は割と高いです」などがあります。
二つ目の「結構」を使った分かりやすい例としては、「もう結構ですので話かけないのでください」「娘も結構しっかりしてきました」「この問題は結構簡単でした」「このホテルは結構眺めが良いです」「その本は結構面白かったです」などがあります。
「割と」と「結構」の使い分け方
「割と」と「結構」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、「割と」よりも「結構」の方が程度が大きいというのが違いです。
分かりやすい例を挙げると、「このお店は割と空いている」と「このお店は結構空いている」では「このお店は結構空いている」の方がより空いていることを表しています。
また、「このお店の料理は割と高い」と「このお店の料理は結構高い」では、「このお店の料理は結構高い」の方が値段が高いことを表現しています。
「割と」と「結構」の英語表記の違い
「割と」を英語にすると「relatively」「comparatively」「fairly」となり、例えば上記の「物価は割と高いです」を英語にすると「Prices are comparatively high」となります。
一方、「結構」を英語にすると「very well」「really」「fairly」となり、例えば上記の「その本は結構面白かったです」を英語にすると「The book was fairly interesting」となります。
「割と」の意味
「割と」とは
「割と」とは、思ったよりものことを意味しています。
表現方法は「割と本気で」「割と最近」「割と好き」
「割と本気で」「割と最近」「割と好き」「割と元気」「割とマジで」などが、「割と」を使った一般的な言い回しになります。
「割と」の使い方
「割と」を使った分かりやすい例としては、「この味付け割と好きかもしれません」「このアニメは割と面白かった」「割と早く到着したので喫茶店で時間を潰すことにした」「この問題は割と難しかったです」などがあります。
「割と」は思っていたよりものことや比較的なことを意味する副詞で、他と比べて思った以上であった場合に使うことが多いです。また、「割と」は副詞なので、「割と楽しい」「割と好きです」「割と苦手」などのように、動詞、形容詞、副詞を修飾して使うのが一般的で、日常生活においてよく使われています。
「割と」の語源
「割と」の語源は「割に」が変化したことです。「割と」は「割に」の砕けた表現になります。そのため、ビジネスシーンで使う場合は注意する必要があると覚えておきましょう。
「割と」の類語
「割と」の類語・類義語としては、他の同種のものや一般的基準と比べてみたときに判断されることを意味する「比較的」、思ったよりものことを意味する「割に」、比較的なことを意味する「割かし」などがあります。
「結構」の意味
「結構」とは
「結構」とは、完全ではないがそれなりに十分であることを意味しています。その他にも、優れていて欠点がないこと、それで良いこと、それ以上必要としないことの意味も持っています。
表現方法は「結構できる」「結構です」「結構多い」
「結構できる」「結構です」「結構多い」「大変結構」などが、「結構」を使った一般的な言い回しになります。
「結構」の使い方
「この漫画は結構面白いです」「彼は何もしなくても贅沢な暮らしをしているので結構なご身分です」などの文中で使われている「結構」は、「完全ではないがそれなりに十分であることや優れていて欠点がないこと」の意味で使われています。
一方、「明日でしたら時間はいつでも結構です」「私がやりますのでそのままの状態で結構です」などの文中で使われている「結構」は、「それで良いことやそれ以上必要としないこと」の意味で使われています。
「結構」は複数の意味を持つ言葉で、完全ではないがそれなりに十分であることの意味は副詞として、優れていて欠点がないこと、それで良いこと、それ以上必要としないことの意味の場合は形容動詞として使います。
また、現代ではあまり使われていませんが、全体の構造や組み立てを考えること、計画、用意などの意味で名詞として使うことも可能です。
「結構」の一番の特徴は、それで良いことという肯定の意味と、それ以上必要としないことという否定の意味を持っており、肯定と否定どちらでも使うことができることです。そのため、どちらの意味で使っているか前後の文章で判断する必要があります。
「結構」の類語
「結構」の類語・類義語としては、相当の程度まで行っていることを意味する「かなり」、ふさわしい程度を超えていることを意味する「随分」、予想した程度を上回ることを意味する「中々」などがあります。
「割と」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、思ったよりものことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「割と」は様々な場面で使われている言葉です。
「結構」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、完全ではないがそれなりに十分であることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、優れていて欠点がないこと、それで良いこと、それ以上必要としないことを表現したい時にも使います。
例文1の「結構」は完全ではないがそれなりに十分であること、例文2の「結構」は優れていて欠点がないこと、例文3の「結構」はそれで良いこと、例文4と例文5の「結構」はそれ以上必要としないことの意味で使っています。
「割と」と「結構」はどちらも思っていた以上であることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「結構」の方が「割と」よりも程度が大きい時に使うと覚えておきましょう。