【一挙手一投足】と【一挙一動】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「一挙手一投足」(読み方:いっきょしゅいっとうそく)と「一挙一動」(読み方:いっきょいちどう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一挙手一投足」と「一挙一動」という言葉は、どちらも動作や振る舞いを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




一挙手一投足と一挙一動の違い

一挙手一投足と一挙一動の意味の違い

一挙手一投足と一挙一動の違いを分かりやすく言うと、一挙手一投足とは細かな動きを表し、一挙一動とは全体的な動きを表すという違いです。

一挙手一投足と一挙一動の使い方の違い

一つ目の一挙手一投足を使った分かりやすい例としては、「一挙手一投足に細心の注意を払う」「旦那の一挙手一投足が気に入らない」「相手の一挙手一投足に注目する」「一挙手一投足の労を惜しんでいては何も達成できません」などがあります。

二つ目の一挙一動を使った分かりやすい例としては、「怪しい隣人の一挙一動に注意する」「職場の先輩の一挙一動が気になる」「自分の一挙一動がおかしくないか不安です」「大リーガーの一挙一動をカメラが追う」などがあります。

一挙手一投足と一挙一動の使い分け方

一挙手一投足と一挙一動という言葉は、どちらも体の動きや立ち居振る舞いを意味しますが、ニュアンスには若干の違いがあります。一挙手一投足は「手足」と表現されるように、少しの細かな動作を表す時に用いられています。一方、一挙一動は全体的な動きや行動の全てを表す言葉です。

さらに一挙手一投足という言葉は、「ちょっとした努力、わずかな骨折り」という別の意味も持っています。上記の例文にある「一挙手一投足の労」とは、ほんのわずかな労力や努力を表します。一挙一動にはこのような意味はありません。

これらが、一挙手一投足と一挙一動という言葉の明確な違いになります。

一挙手一投足と一挙一動の英語表記の違い

一挙手一投足を英語にすると「every single move」「the slightest effort」となり、例えば上記の「一挙手一投足の労を惜しむ」を英語にすると「hate to make the slightest effort」となります。

一方、一挙一動を英語にすると「one’s every action」「every movement」となり、例えば上記の「一挙一動に注意する」を英語にすると「watch every movement」となります。

一挙手一投足の意味

一挙手一投足とは

一挙手一投足とは、こまかな一つ一つの動作や行動を意味しています。

その他にも、「ちょっとした努力、わずかな骨折り」の意味も持っています。

表現方法は「一挙手一投足を見ている」「一挙手一投足がかわいい」

「一挙手一投足を見ている」「一挙手一投足がかわいい」などが、一挙手一投足を使った一般的な言い回しです。

一挙手一投足の使い方

「好きな人の一挙手一投足が気になってしまう」「彼女の一挙手一投足がかわいい」「野球選手のバッドの使い方から一挙手一投足まで研究する」「夫は私の一挙手一投足にもうるさい」などの文中で使われている一挙手一投足は、「こまかな一つ一つの動作や行動」の意味で使われています。

一方、「一挙手一投足の積み重ねが大事です」「一挙手一投足の労を惜しんでは何も達成できません」「一挙手一投足で結果は大きく変わります」などの文中で使われている一挙手一投足は、「ちょっとした努力」の意味で使われています。

一挙手一投足とは、上記の例文にあるように二つの意味があります。一般的には「細かい一つ一つの動作や行動」の意味で用いられています。

一挙手一投足の語義

一挙手一投足の語義は、唐代の文人である韓愈が、わずかな手数や少しの労を「一度だけ手を挙げ足を動かす」と表現したことにあります。よって、一挙手一投足の本来の意味は「ちょっとした努力」ですが、昨今では、この意味で用いられることが少なくなっています。

一挙手一投足の類語

一挙手一投足の類語・類義語としては、日常の身のこなしや立ち居振る舞いを意味する「座作進退」、動作や活動を意味する「アクション」、ちょっとした苦労や少しの努力を意味する「一骨」などがあります。

一挙一動の意味

一挙一動とは

一挙一動とは、ちょっとした動作や振る舞いのことを意味しています。

表現方法は「一挙一動がかわいい」「一挙一動が気になる」「一挙一動を見逃さない」

「一挙一動がかわいい」「一挙一動が気になる」「一挙一動を見逃さない」などが、一挙一動を使った一般的な言い回しです。

一挙一動の使い方

一挙一動を使った分かりやすい例としては、「英語の面接で一挙一動が不自然になってしまった」「好きな人の一挙一動が気になる」「憧れの人の一挙一動や言葉の使い方を真似する」「他人の一挙一動に敏感になってしまう」などがあります。

その他にも、「常に一挙一動、一言一句に気を配っています」「彼の言葉や一挙一動に胸が熱くなる」「彼女の一挙一動を見逃さないように見つめていた」「自分の一挙一動が監視されている気がする」などがあります。

一挙一動とは、ひとつひとつのしぐさや動作、ちょっとした振る舞いも含めた全ての挙動を意味します。立ち居振る舞いを表す「挙動」を分けて、「ほんのわずか」という意味を持つ「一」をそれぞれに添えて語感を整えた言葉です。

一挙一動は比較的よく使われる四字熟語であり、ひとつひとつの動きにまで注目していることを表現する時に用いられています。

一挙一動の類語

一挙一動の類語・類義語としては、立ち居振る舞いを意味する「挙動」、しぐさや身のこなしを意味する「所作」、感情や意志を伝えるための体の動きを意味する「身振り」、ちょっとした言葉を意味する「一言一句」、一つの言葉と一つの行いを意味する「一言一行」などがあります。

一挙手一投足の例文

1.姑は私の一挙手一投足が気に入らないようで、何かにつけてケチを付けてくる。
2.自分が母親になるまでは、こんなにも赤ちゃんの一挙手一投足がかわいいなんて思わなかった。
3.気がつくと彼の一挙手一投足を見ている自分は、恋をしてしまったのかもしれない。
4.初めて観戦した剣道の試合は迫力があり、選手の一挙手一投足を唾を飲んで見入っていました。
5.一挙手一投足で大きな利益を得ようなんて考えていると、逆に財産を失うような詐欺にあうかもしれません。
6.私が大学のときのダンスの先生はすごく厳しくて、チーム全員の一挙手一投足が完璧に揃うまでOKが出ず、同じ曲を何度踊り続けたかわかりません。
7.うちの会社は、意思決定と命令系統に関して未だにトップダウン方式なので、社員全員が一挙手一投足、社長の指示があるのをじっと待っている。
8.はじめて料理に挑戦している息子の一挙手一投足に注目していたら、ジロジロ見るなと怒られた。
9.姑はわたしの家事の一挙手一投足に口を出してくるので、それがストレスの原因にもなっているのだ。
10.社内で自由な環境を作りたいなら、いちいち他人の一挙手一投足にお説教をしないでもらいたいがね。

この言葉がよく使われる場面としては、細かい一つ一つの動作や行動、少しの努力を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4の文中にある一挙手一投足は、「細かい一つ一つの動作や行動」の意味で用いられています。例文5の文中にある一挙手一投足は、「少しの努力」の意味で用いられています。

一挙一動の例文

1.歩き始めたばかりの我が子の一挙一動がかわいいので、日常の姿を写真やビデオに収めています。
2.集中治療室を担当しているので、患者さんの一挙一動を見逃さないようにしています。
3.ファン交流会では、アイドルが一挙一動する度に割れんばかりの歓声が飛び交った。
4.英語力を向上させるために、朝起きてから夜寝るまでの一挙一動を英語で表現するようにしています。
5.好きな人の一挙一動や一言一句にいちいち反応してしまうので、私の気持ちは周囲にバレてしまった。
6.育ちがいいというのは、彼を見ていると本当に感じます。一挙一動が醸し出す品が、私たち庶民とは違うんですもの。
7.オーディションは本当に苦手です。一挙一動監視されていると思うと、体が硬直してしまいます。
8.子育て中の友人いわく、自分の3歳の娘の一挙一動がかわいいのでいつまでも見ていられるのだそうだ。
9.いくらあこがれの対象だからって、彼女の一挙一動を真似するのはあまりに気色が悪いだろう。
10.引っ越してきた怪しい隣人の一挙一動を記録するために、わざわざ防犯カメラを設置した。

この言葉がよく使われる場面としては、一つ一つの挙動、ちょっとした振る舞いを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「一挙一動」は身振りや手振りなど身体を使った動きを表し、「一言一句」は話しぶりなど話をするときの様子を表します。

一挙手一投足と一挙一動という言葉は、どちらも動作を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、細かな動きを表現したい時は「一挙手一投足」を、全体的な動きを表現したい時は「一挙一動」を使うようにしましょう。

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