【ご法度】と【タブー】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ご法度」(読み方:ご法度)と「タブー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ご法度」と「タブー」という言葉は、どちらも禁じられていることやしてはならない事柄のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ご法度」と「タブー」の違い

「ご法度」と「タブー」の意味の違い

「ご法度」と「タブー」の違いを分かりやすく言うと、「ご法度」とは漢字で表記した言葉、「タブー」とはカタカナで表記した言葉という違いです。

「ご法度」と「タブー」の使い方の違い

一つ目の「ご法度」を使った分かりやすい例としては、「酒の席で仕事の話はご法度です」「喫煙所以外での喫煙はご法度だよ」「アイドルの恋愛はご法度です」「煙草のポイ捨てはご法度だと思います」などがあります。

二つ目の「タブー」を使った分かりやすい例としては、「弊社では社内恋愛はタブーとされています」「新人アイドルの恋愛はタブーだと思います」「彼女にその話をするのはタブーです」「その言葉は彼らの間ではタブーになっています」などがあります。

「ご法度」と「タブー」の使い分け方

「ご法度」と「タブー」はどちら同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ご法度」は江戸幕府の食べ物「はっと」が由来の言葉で、主に漢字を使って表記します。一方、「タブー」はカタカナ英語とも言われており、ポリネシア語が由来の言葉で、主にカタカナを使って表記するというのが違いになります。

「ご法度」と「タブー」の英語表記の違い

「ご法度」も「タブー」も英語にすると「taboo」となり、例えば上記の「その言葉は彼らの間ではタブーになっています」を英語にすると「That word is taboo with them」となります。

「ご法度」の意味

「ご法度」とは

「ご法度」とは、禁じられていることやしてはならない事柄のことを意味しています。

表現方法は「ご法度に触れる」「ご法度破り」「ご法度です」

「ご法度に触れる」「ご法度破り」「ご法度です」などが、「ご法度」を使った一般的な言い回しになります。

「ご法度」の使い方

「ご法度」を使った分かりやすい例としては、「飲酒運転はご法度です」「未成年の飲酒喫煙はご法度だよ」「原付バイクの二人乗りはご法度です」「上司に逆らうのは社会人としてご法度です」などがあります。

「ご法度」は禁じられていることやしてはならない事柄のことを意味する「法度」を丁寧にした言葉です。主に、してはいけないことや、やってはいけないことに対して使います。

「ご法度」の由来

「ご法度」の由来は江戸時代に食べ物の「はっと」が由来です。

江戸時代には、消費量が多くなることから米や粉ものなどが禁止されていた時期がありました。しかし、禁止されていながらも、小麦粉に水を加えて練った食べ物の「はっと」にして粉ものを食べていたそうです。

この「はっと」が変化し、「法度」になっと言われています。また、「法度」という言葉は江戸幕府が制定した武家諸法度や禁中並公家諸法度などにも使われています。

「ご法度」の漢字表記

「ご法度」を漢字で表記すると、「御法度」とすることができます。

「ご法度」の類語

「ご法度」の類語・類義語としては、物事の禁止事項を定めた規則のこを意味する「禁則」、ある行為を行わないように命令することを意味する「禁止」、前もって注意することを意味する「戒め」などがあります。

「タブー」の意味

「タブー」とは

「タブー」とは、ある集団の中で言ったりしたりしてはならないことを意味しています。

表現方法は「日本のタブー」「タブー事件」「五大タブー」

「日本のタブー」「タブー事件」「五大タブー」などが、「タブー」を使った一般的な言い回しになります。

「タブー」の使い方

「タブー」を使った分かりやすい例としては、「宗教上のタブーを犯してしまいました」「結婚式のスピーチはタブーな言葉が多いので気をつけよう」「その話はここではタブーです」「たとえお客さんであろうとタブーを破ることは許されません」などがあります。

「タブー」は聖と俗、清浄と不浄、異常と正常とを区別し、両者の接近や接触を禁止し、これを犯すと超自然的制裁が加えられるとする観念や風習という意味もありますが、こちらはあまり使われていません。

日常的に使われているのは、上記に記載してあるある集団の中で言ったりしたりしてはならないことの意味になります。

「タブー」の由来

「タブー」の由来はポリネシア語です。ポリネシア語とはオセアニアにあるポリネシアで使われている言語です。このポリネシア語の「tapu」が英語圏に持ち込まれた際に、似た概念の言葉がなかったので「taboo」に変化し、「taboo」をカタカナ表記にしたのが「タブー」になります。

「タブー」の類語

「タブー」の類語・類義語としては、忌み嫌って慣習的に禁止したり避けたりすることを意味する「禁忌」、 宗教的な理由や縁起をかついで使うのを避ける言葉のことを意味する「忌み言葉」などがあります。

「ご法度」の例文

1.SNSで他人を誹謗中傷するような書き込みはご法度なので、しないようにしてください。
2.弊社は社内恋愛がご法度だが、仕事をしているうちにお互い好きになってしまい、隠れてお付き合いしています。
3.先輩が最近彼女と別れたらしいので、飲み会の席で恋愛話をするのはご法度だろう。
4.芸能人にスキャンダルはご法度なので、そういう自覚を持って行動しなければなりません。
5.病室で電話するのはご法度だが、電話可能スペースなら問題ありません。
6.キャリアのピークでライバルチームへ移籍なんていうご法度を犯すことができるのは、彼が相当肝がすわっているか、何も考えてないかのどちらかだと思う。
7.まず外国人留学生には日本社会では時間に厳しく遅刻はご法度であることをしっかり説明することにしている。
8.いくら有名人が来客したからと言って、店員がその様子をTwitterに上げているのはご法度だろう。
9.今でも同じタレントが裏番組に出ることはご法度とされているが、視聴者はそんなことはどうでもいいはずだ。
10.結婚式のスピーチで切る、散る、終わる、冷める、飽きるなどの言葉を使うのはご法度とされている。

この言葉がよく使われる場面としては、禁じられていることやしてはならない事柄のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご法度」は禁止されていることに対して使うことが多いです。

「タブー」の例文

1.他人の恋愛に口を出すつもりはないが、未成年との恋愛はタブーだと思います。
2.彼に恋愛についての話をするのはタブーなので、気をつけるようにしています。
3.1年前に辞めたある人の話をするのは、この職場ではタブーになっている。
4.この業界ではお世話になった人を裏切ったり、迷惑をかけたりすることはタブーとされています。
5.仕事場や学校で宗教や政治関連の話をすることはタブーだと思っています。
6.お笑いの世界では、人のギャグを使うのは、もちろんタブーなんですが、そのタブーを犯すことで生まれる笑いもあって、それを売りにしている芸人さんもいます。
7.本来なら社内恋愛はタブーなのだが、そのタブーを冒してまでふたりは密会していたようだ。
8.海外で仕事する際は、その国の文化的なタブーについてしっかりレクチャーを受けるべきだろう。
9.一見、好き勝手言っているワイドショーでも大手芸能事務所のことを取り上げるのはタブー視されていた。
10.社長とある女子社員のふたりの関係については公然の秘密だが、そのことについて話すことはタブーになっている。

この言葉がよく使われる場面としては、ある集団の中で言ったりしたりしてはならないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご法度」は禁止されていることに対して使うことが多いです。

「ご法度」と「タブー」はどちらも禁じられていることやしてはならない事柄のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、漢字で表記したい時は「ご法度」を、カタカナで表記したい時は「タブー」を使うと覚えておきましょう。

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