【胸を借りる】と【胸を貸す】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「胸を借りる」(読み方:むねをかりる)と「胸を貸す」(読み方:むねをかす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「胸を借りる」と「胸を貸す」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「胸を借りる」と「胸を貸す」の違い

「胸を借りる」と「胸を貸す」の意味の違い

「胸を借りる」と「胸を貸す」の違いを分かりやすく言うと、「胸を借りる」とは実力のある者に練習の相手をしてもらうこと、「胸を貸す」とは実力のある者が下の者の練習の相手をしてやることという違いです。

「胸を借りる」と「胸を貸す」の使い方の違い

一つ目の「胸を借りる」を使った分かりやすい例としては、「次の対戦相手はとても強いので胸を借りるつもりで頑張る」「師匠にはまだまだ敵いませんが胸を借りるつもりで挑みます」などがあります。

二つ目の「胸を貸す」を使った分かりやすい例としては、「若手選手から胸を貸してお願いされたので練習に付き合いました」「後輩たちには成長して欲しいので困った時はいつでも胸を貸すことにしている」などがあります。

「胸を借りる」と「胸を貸す」の使い分け方

「胸を借りる」と「胸を貸す」は似た日本語ですが、対義語で反対の意味を持つ言葉なので、間違えないように注意しましょう。

「胸を借りる」は実力のある者に練習の相手をしてもらうことを意味しているのに対して、「胸を貸す」は実力のある者が下の者の練習の相手をしてやることを意味しています。

「胸を借りる」と「胸を貸す」の英語表記の違い

「胸を借りる」を直訳した英語はありません。近い表現として、上位の人に訓練してもらうことを意味する「receive training from an expert」があります。

一方、「胸を貸す」直訳した英語はありません。近い表現として、相手になることを意味する「give somebody a workout」があります。

「胸を借りる」の意味

「胸を借りる」とは

「胸を借りる」とは、実力のある者に練習の相手をしてもらうことを意味しています。

表現方法は「胸を借りるつもりで」「胸を借りて」

「胸を借りるつもりで」「胸を借りて」などが、「胸を借りる」を使った一般的な言い回しになります。

「胸を借りる」の使い方

「胸を借りる」を使った分かりやすい例としては、「次の対戦相手は優勝候補ですが胸を借りるつもりでぶつかります」「甲子園初出場なので胸を借りるつもりで頑張ります」「胸を借りるつもりで試合に臨んだらとてもリラックスできました」などがあります。

「胸を借りる」の語源

「胸を借りる」の語源は相撲です。元々、「胸を借りる」は相撲用語で、下位の力士が上位の力士に稽古の相手をしてもらういう意味で使われている言葉でした。下位の力士は上位の力士に稽古してもらうことで、大きく成長することができます。

このことが転じて、実力のある者に練習の相手をしてもらうことを「胸を借りる」と言うようになりました。語源からも分かるように、主にスポーツシーンにおいて使われている言葉です。

「胸を借りる」の類語

「胸を借りる」の類語・類義語としては、練習相手になってもらうことを意味する「稽古をつけてもらう」、行動を共にすることを意味する「付き合う」、困難な物事や新しい記録などに立ち向かうことを意味する「挑戦する」などがあります。

「胸を貸す」の意味

「胸を貸す」とは

「胸を貸す」とは、実力のある者が下の者の練習の相手をしてやることを意味しています。

表現方法は「胸を貸してもらう」「胸を貸してあげる」

「胸を貸してもらう」「胸を貸してあげる」などが、「胸を貸す」を使った一般的な言い回しになります。

「胸を貸す」の使い方

「胸を貸す」を使った分かりやすい例としては、「OBが後輩たちへ胸を貸す」「困ったことがあったらいつでも胸を貸すよ」「胸を貸したら彼はきっと成長してくれるはずです」「胸を貸してくれてお願いされたので練習を一緒にしました」などがあります。

「胸を貸す」の語源

「胸を貸す」の語源は相撲です。元々、「胸を貸す」は相撲用語で、上位の力士が下位の者に稽古の相手をしてやるという意味で使われている言葉でした。下位の力士は上位の力士に稽古してもらうことで、大きく成長することができます。

このことが転じて、実力のある者が下の者の練習の相手をしてやることを「胸を貸す」と言うようになりました。語源からも分かるように、主にスポーツシーンにおいて使われている言葉です。

「胸を貸す」の類語

「胸を貸す」の類語・類義語としては、相手の働きかけに対応して行動を起こすことを意味する「応じる」、よく練習することを意味する「習練する」などがあります。

「胸を借りる」の例文

1.前回大会の優勝校に胸を借りるつもりで、我々としては全力でぶつかっていくだけです。
2.新人戦で優勝するために数か月間、先輩の胸を借りて練習していきました。
3.この1年間OBの方達の胸を借りて練習したおかげで、目標である全国制覇を成し遂げることができました。
4.速いサーブと速いスパイクに慣れるために、男子チームの胸を借りることにしました。
5.小学校時代にプロサッカー選手の胸を借りて練習したことが、プロサッカー選手を目指すきっかけになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、実力のある者に練習の相手をしてもらうことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「胸を借りる」はスポーツシーンにおいてよく使われている言葉です。

「胸を貸す」の例文

1.彼は引退後若手選手に胸を貸し、後進育成に多大な貢献をしました。
2.困った時は胸を貸すよと言われたので、気兼ねなくお願いすることにしました。
3.大会前に胸を貸して指導してくれたOB達には、頭が上がりません。
4.後輩に胸を貸してくれとお願いされたので、夜遅くまで一緒に練習しました。
5.彼に胸を貸せば、きっと日本を背負う選手になってくれるはずです。

この言葉がよく使われる場面としては、実力のある者が下の者の練習の相手をしてやることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「胸を貸す」はスポーツシーンにおいてよく使われている言葉です。

「胸を借りる」と「胸を貸す」は対義語になります。どちらの言葉を使うか迷った場合、実力のある者に練習の相手をしてもらうことを表現したい時は「胸を借りる」、実力のある者が下の者の練習の相手をしてやることを表現したい時は「胸を貸す」を使うと覚えておきましょう。

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