【早い】と【速い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「はやい」という読み方、似た意味を持つ「早い」と「速い」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「早い」と「速い」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。

早いと速いの違い

早いと速いの違いを分かりやすく言うと、「早い」は基準よりも「時間」があまり過ぎていないことや時期が来ていないことを意味していて、「速い」は動作や進行がすみやかであること、「スピード」があることを意味しているという違いです。

「はやい」という言葉は、もともと日本では「はやし」と、ひらがなで表記されていたものでした。この「はやし」という言葉に漢字の「早」や「速」を当てたことにより、現在の「早い」「速い」などの表現が生まれました。

しかし、ここで問題になるのは「はやし」という言葉に「早」「速」という漢字を当てはめた時に、その書き分けに厳密な決まりがなかったということです。しっかりとした書き分けをせずに漢字を当てはめたため、書き分けの難しい表現になったと言えます。

例えば「早口」や「早足」という言葉は、スピード、速度を表す言葉ですが、「速い」ではなく「早い」という漢字で書かれることが多いものです。「早足」という言葉については「速歩」と書かれることもありますが、これは馬術の専門用語です。

一般的には「早口」「早足」などのように表現されます。他にも「素早い」などの表現は、意味から考えると「速い」の方がしっくりくるように感じますが、実際には「早い」という字を使います。

このように、「早い」と「速い」は、その意味でだけ考えると、とても書き分けの難しい言葉であると言えます。

辞書などで調べて見ると「早い」という漢字には様々な意味があり、日常生活で使われる言葉の大半がこの「早い」の方の漢字を使っているように見えます。漢字の成り立ちが「速い」よりも単純ですし、使いやすいのだと言えるでしょう。

このため、「早い」「速い」を書き分けるためには、「速い」という漢字で書かれる表現について覚えてしまうのが一番簡単であると言えます。この「速い」が使われるのは、主に動作や進行が速やかであり、スピードがあることを表す時です。

例えば「川の流れが速い」「足が速い」「テンポが速い」「頭の回転が速い」「飲み込みが速い」「返事が速い」などという表現をする際には「速い」という字を使用します。これらは全て、動作や進行が速やかであることを示します。

「速」という漢字を使った熟語として考えても分かりやすいでしょう。「迅速」「速断」「音速」「加速」「快速」「高速」などの言葉はよく使われるものです。「速度」という言葉で表現できるものについては「速い」を使って表現するようにします。

しかし、前述したように「早口」や「早足」などについては「早」の方の漢字を使用します。使い分けが難しく、どうしてもどちらの漢字を使ったら良いのかわからない時には、ひらがなで「はやい」と表記するのが良いでしょう。

早いの意味

早いとは、ある基準よりも時間がはやいことや、時期が前倒していることなどを意味しています。早いという言葉には多様な意味があり、上記の他にも、簡単であることや、その時がまだ来ていないことなどを表現する場合があります。

一番わかりやすい考え方としては、「早い」の「早」という字が表しているのが「朝がはやい」という意味であるということです。「早」という字は、地平線から「日」がのぼってきている様子を示した漢字です。

「早」という漢字の下の部分である「十」は、地平線を表現しています。その上に「日」が付いていることで、日の出を表現しているのが「早」という漢字です。つまり、日がのぼるくらいのはやい時間帯のことを「早い」と表現します。

このことから、「早い」という言葉は、一般的な基準よりも時間がはやいこと、時期がはやいこと、なにかを成すのにはまだはやいこと、などを示す漢字となりました。

基準よりも時間がはやいことを示す言葉としては「早朝」「早期」などの言葉がありますし、時期がはやい、成すのにはやいことを示す言葉としては「早退」「早婚」などがあります。

また、時間を置かない様子や、速度がはやいことについても「早い」と表記されることがあります。例えば「来るが早いか」「帰るが早いか」などの表現や、「早急に」などの表現はスピード感があることを示しています。

このように、「早い」と「速い」という字については、使い分けが難しく、一部では「速度」がある様子を示す際にも「早」という字を使います。その時々によって、使い分けがどうしても難しい場合には、ひらがなで「はやい」とするのが良いでしょう。

早いの「早」という字を使ったその他の単語としては、春の初めごろや初春を意味する「早春」、気の早いことやせっかちなことを意味する「気早」、果物などが早く熟することを意味する「早熟」などがあります。

速いの意味

速いとは、物事の進む度合いが大きいことや、動作や進行がすみやかであり、スピードがあることなどを意味しています。一般的にはスピード、速度について表現する際に使うのが「速い」という漢字です。

「速い」の「速」という字は、「束」という字の仲間です。「束」という字は、木を紐でまとめた様子を表している漢字です。「束」という字を分解すると「木」と「口」に分けられます。これは木を「口」(輪っか)で縛っていることを意味しています。

このように「束」というのは、バラバラになっていたものを小さくまとめる、縮めるという意味を持っています。「速」という字は、この「束」に、進むという意味を持つ「辶」(しんにょう)が付いています。

つまり、「速」という漢字は「進むことを縮める」という意味になり、時間を縮める、スピードを上げるという意味を持つようになりました。

「速い」という言葉の意味を考える際には、上記で挙げたような漢字の成り立ちだけでなく、単語として「速」という字を使っている「音速」や「急速」、「高速」や「風速」などを思い浮かべても分かりやすいでしょう。

速いの「速」という字を使ったその他の単語としては、すみやかに届けることを意味する「速達」、演説や談話などをすばやく書き取ることを意味する「速記」、気持ちがよいほど速いことを意味する「快速」などがあります。

「早い」と「速い」の使い分けはとても難しいものです。表現したい事柄に当てはまる単語を考えて見たり、なにが「はやい」ことを示したいのかを考えてみたりして、どちらの表現が良いのかを判断するようにしましょう。

例えば、「川の流れがはやい」という表現で、どちらの漢字を使うか迷った場合には「川の速度」についてだと考えて「速い」という漢字を使うようにします。「頭の回転がはやい」場合には「進行が速やかである」と考えて「速い」とするようにします。

早いの例文と使い方

1.我が家の犬は、母の「散歩」という声を聞くが早いか、すぐさま玄関に駆け出していく。
2.昨夜は疲れていて、布団に横たわるが早いか、すぐに眠ってしまった。
3.グズグズするより、手っ取り早く現地に行ってしまった方が良いのではないかな?
4.彼はとにかく、朝起きるのが早いのだ。
5.彼女は気が早いから、まだ冬だというのに、もうお花見の予約をしたそうだよ。

この言葉がよく使われる場面としては、基準よりも時間がはやいことや、時期がはやいこと、時間帯がはやいことなどを表現したい時などが挙げられます。「早」という漢字が、日の出を表現しているものだと考えるとわかりやすいでしょう。

「早い」という字を使う場面はとても多く、様々な表現で使用することが出来ます。主にスピードではなく、時間において基準よりもはやい場合に「早い」という漢字を使って表記するのだと覚えておくようにしましょう。

例文1や2については「基準よりも時間が短い様子」や「時間があっという間であること」を表現しています。

例文3では「簡単であること」を意味している表現となります。例文4はシンプルに「早朝」を意味していますし、例文5は「時期がはやいこと」を意味します。

速いの例文と使い方

1.先輩は大学で、風の速さに関する研究をしているそうだ。
2.まだピアノを習いたてだけれど、いつか私もテンポの速い曲が弾けるようになりたい。
3.彼女は頭の回転がすこぶる速いんだ。
4.近所の友人を食事に誘ったら、腹が減っていたのか光の速さですっ飛んできた。
5.この川は流れが速いから、足首だけ水に浸かるとしても、細心の注意が必要だよ。

この言葉がよく使われる場面としては、スピードがはやかったり、物事がすみやかであったりする様子を表現したい時などが挙げられます。「早い」という字よりも使われる場面が限定的なので、「速い」を使う場合を覚える方がわかりやすいでしょう。

「速い」という字を使う場合には、その言葉がどのような単語で表現できるかを考えると分かりやすいです。例文1は「風速」のことを示しますし、例文2は「速度」を示しています。例文4については「光速」という比喩表現で使用しています。

例文3については、動作や進行などが速やかである様子を示しているので「速い」という漢字を使用しています。このように、なにを表現したいのかによって、漢字の使い分けを考えるようにすると分かりやすいです。