【ただ今】と【たった今】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ただ今」(読み方:ただいま)と「たった今」(読み方:たったいま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ただ今」と「たった今」という言葉は、どちらも今この時のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ただ今」と「たった今」の違い

「ただ今」と「たった今」の意味の違い

「ただ今」と「たった今」の違いを分かりやすく言うと、「ただ今」は未来のことにも使える、「たった今」は未来のことには使えないという違いです。

「ただ今」と「たった今」の使い方の違い

一つ目の「ただ今」を使った分かりやすい例としては、「ただ今の時刻は午前10時です」「ただ今帰ってきたところです」「ただ今お届しますのでもうしばらくお待ちください」「彼はただ今散歩に出かけました」などがあります。

二つ目の「たった今」を使った分かりやすい例としては、「電車はたった今出発してしまいました」「たった今家に着いたところです」「私は出向になったことをたった今知りました」「たった今家のドアを叩く音がしました」などがあります。

「ただ今」と「たった今」の使い分け方

「ただ今」と「たった今」はどちらも今この時のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ただ今」は今この時のこと、ごく近い過去のこと、ごく近い未来のことの三つの意味を持つ言葉なので、過去、現在、未来どれに対しても使うことができます。

一方、「たった今」はほんの少し前のこと、今すぐのことの二つの意味しか持っていないので、過去、現在のみに対して使う言葉です。

つまり、「ただ今」は未来のことにも使えるのに対して、「たった今」は未来のことには使えないという違いになります。

「ただ今」と「たった今」の英語表記の違い

「ただ今」も「たった今」も英語にすると「now」「just now」「at present」「at once」となり、例えば上記の「彼はただ今散歩に出かけました」を英語にすると「He just now went out for a walk」となります。

「ただ今」の意味

「ただ今」とは

「ただ今」とは、今この時のことを意味しています。その他にも、ごく近い過去のこと、ごく近い未来のことの意味も持っています。

「ただ今」の漢字表記

「ただ今」を漢字にすると「唯今」「只今」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ただ今」を使うようにしましょう。

「ただ今」の使い方

「ただ今の時刻は午後3時です」「ただ今準備しております」などの文中で使われている「ただ今」は、「今この時のこと」の意味で使われています。

一方、「ただ今の報告に異議があります」「ただ今お待ちしております」などの文中で使われている「ただ今」は、「ごく近い過去のことやごく近い未来のこと」の意味で使われています。

「ただ今」は今この時のこと、ごく近い過去のこと、ごく近い未来のことの複数の意味を持つ名詞です。意味からも分かるように、過去、現在、未来の全てに対して使うことができます。

「ただ今」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことが可能です。また、「ただ今」自体が丁寧な表現なので、前後に敬語文章を用いることで目上の人に対しても使うことができます。

「ただ今」の別の使い方

少し使い方が異なるのですが、「ただ今」は帰宅のときの挨拶としても使うことが可能です。その場合はひらがなの「ただいま」を用いることが多いと覚えておきましょう。

「ただ今」の類語

「ただ今」の類語・類義語としては、過去と未来との境になる時のことを意味する「今」、過去と未来の間のことを意味する「現在」、目の前のことを意味する「目下」、現在のことを意味する「今日」などがあります。

「たった今」の意味

「たった今」とは

「たった今」とは、ほんの少し前のことを意味しています。その他にも、今すぐのことの意味も持っています。

「たった今」の使い方

「たった今起きたのですぐに準備します」「これはたった今の出来事でした」などの文中で使われている「たった今」は、「ほんの少し前のこと」の意味で使われています。

一方、「たった今ここから出て行け」「たった今退去してください」などの文中で使われている「たった今」は、「今すぐのこと」の意味で使われています。

「たった今」はほんの少し前のことと、今すぐのことの二つの意味を持つ名詞です。

「たった今」の特徴

意味からも分かるように、「たった今」は過去と現在にのみ対して使います。そのため、未来に対しては使うことができないと覚えておきましょう。

「たった今」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことできる言葉です。

「たった今」の類語

「たった今」の類語・類義語としては、ある物事がそのときまさに行われていることを意味する「丁度」、時間的に少し前であることを意味する「さっき」、ついさっきのことを意味する「今しがた」などがあります。

「ただ今」の例文

1.ただ今の気温が35度らしいので、クーラーをつけた方がいいだろう。
2.彼はただ今席を外しておりますので、戻り次第ご連絡いたします。
3.ただ今帰ってきたところですので、今からログインの準備をします。
4.ただ今の議論に異議がありますので、私から意見を述べてもよろしいでしょうか。
5.ただ今配達いたしますので、もう少しお待ちいただくことは可能ですか。

この言葉がよく使われる場面としては、今この時のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ごく近い過去のこと、ごく近い未来のことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「ただ今」は今この時のこと、例文3と例文4の「ただ今」はごく近い過去のこと、例文5の「ただ今」はごく近い未来のことの意味で使っています。

「たった今」の例文

1.彼らは婚姻届けを提出したので、たった今から夫婦になりました。
2.家から全速力で走ったものの、バスはたった今出発してしまいました。
3.会社が倒産目前まで追い詰められていたことを、たった今知りました。
4.私もたった今着いたところなので、全然待ってないですよ。
5.ここは日本なので、ルールを守れない外国人はたった今出ていってほしいです。

この言葉がよく使われる場面としては、ほんの少し前のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、今すぐのことを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「たった今」はほんの少し前のこと、例文5の「たった今」は今すぐのことの意味で使っています。

「ただ今」と「たった今」はどちらも今この時のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、近い未来のことに対しても使えるのが「ただ今」、近い未来のことに対して使えないのが「たった今」と覚えておきましょう。

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