【助力】と【尽力】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「助力」(読み方:じょりょく)と「尽力」(読み方:じんりょく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「助力」と「尽力」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「助力」と「尽力」の違い

「助力」と「尽力」の意味の違い

「助力」と「尽力」の違いを分かりやすく言うと、「助力」とは他人の進めている仕事や活動などに力を貸すこと、「尽力」とはある目的の実現のために力を尽くすことという違いです。

「助力」と「尽力」の使い方の違い

一つ目の「助力」を使った分かりやすい例としては、「彼は助力を惜しまない人です」「彼女に頼まれたからには喜んで助力する」「この度はご助力に感謝いたします」「皆様のご助力のおかげで無事終了することができました」「彼女はその企画に助力を惜しまなかった」などがあります。

二つ目の「尽力」を使った分かりやすい例としては、「村の復興に尽力しました」「このプロジェクトを成功させるために尽力いたします」「ご尽力いただきありがとうございました」「この交渉にご尽力いただきありがとうございました」などがあります。

「助力」と「尽力」の使い分け方

「助力」と「尽力」は似ている言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「助力」は他人の進めている仕事や活動などに力を貸すことを意味しており、助けますよというニュアンスで使う言葉です。

一方、「尽力」はある目的の実現のために力を尽くすことを意味しており、最大限努力しますや、精一杯頑張りますというニュアンスで使う言葉になります。

「助力」と「尽力」の英語表記の違い

「助力」を英語にすると「help」「assistance」「cooperation」「support」となり、例えば上記の「彼女はその企画に助力を惜しまなかった」を英語にすると「She gave the undertaking his full support」となります。

一方、「尽力」を英語にすると「effort」「endeavor」となり、例えば上記の「この交渉にご尽力いただきありがとうございました」を英語にすると「I appreciate your great effort on this negotiation」となります。

「助力」の意味

「助力」とは

「助力」とは、他人の進めている仕事や活動などに力を貸すことを意味しています。

表現方法は「助力した」「助力を得る」「助力を惜しまない」

「助力した」「助力を得る」「助力を惜しまない」「助力したい」「助力が必要」「助力となる」などが、「助力」を使った一般的な言い回しになります。

「助力」の使い方

「助力」を使った分かりやすい例としては、「彼女を金銭面から助力する」「この企画を成功させるために信頼できる友人へ助力を頼んだ」「この件についてご助力くださった方々に感謝を申し上げます」「彼女の夢を叶えるために助力を惜しまない」などがあります。

「助力」は力を貸すや、助けるというニュアンスで使う言葉で、「彼女のためには助力を惜しまない」「少しばかり助力させていただきます」のように自分自信が助ける場合に使うのが一般的です。

また、接頭語の「ご」を付けることで、「ご助力いただけると幸いです」「ご助力を賜りますようよろしくお願いいたします」などのように、相手に依頼やお願いする場合にも使うことができます。

「助力」の類語

「助力」の類語・類義語としては、力を添えて援助することを意味する「助勢」、不足しているところを補い助けることを意味する「補助」、他の人の仕事などを助けることを意味する「手助け」などがあります。

「尽力」の意味

「尽力」とは

「尽力」とは、ある目的の実現のために力を尽くすことを意味しています。

表現方法は「尽力いたします」「尽力いただき」「尽力したい」

「尽力いたします」「尽力いただき」「尽力したい」などが、「尽力」を使った一般的な言い回しになります。

「尽力」の使い方

「尽力」を使った分かりやすい例としては、「この度はご尽力感謝いたします」「精一杯尽力させていただきます」「これもひとえに皆様のご尽力のおかげです」「この町の発展に尽力いたす所存です」などがあります。

「尽力」はある目的の実現のために力を尽くすことを意味している言葉で、最大限努力しますや、精一杯頑張りますというニュアンスで使います。

主にビジネスシーンなどで、「精一杯頑張ります」などと言ってしまうと少し幼稚な印象を与えます。そのため、「尽力いたします」と置き換えて使うことによって相手に良い印象を与えることができると覚えておきましょう。

「尽力」は「ご尽力感謝いたします」などのように、自分だけではなく相手に対しても使うことが可能です。その場合は、接頭語の「ご」をつけて敬語表現にする必要があります。

「尽力を尽くす」「尽力を注ぐ」は誤り

「尽力」を使った間違えやすい例としては、「尽力を尽くす」や「尽力を注ぐ」などがあります。なぜ誤用かというと重言だからです。重言とは、「馬から落馬した」や「頭痛が痛い」などのように同じ意味の言葉を重ねる表現方法のことで、意味を強調する特別な使い方以外は誤用となっています。

「尽力を尽くす」は漢字からも分かるように「尽力」と「尽くす」が意味が重複しているので重言です。また、「尽力を注ぐ」の「注ぐ」も「尽くす」と似た意味を持つ言葉なので重言になります。

「尽力」の類語

「尽力」の類語・類義語としては、社会や人のために役に立つことを意味する「寄与」、他人やある物事のために我が身を犠牲にして尽くすことを意味する「献身」、ある物事や社会のために役立つように尽力することを意味する「貢献」などがあります。

「助力」の例文

1.今後の危機対策について、金銭面での助力は惜しみませんとの連絡がありました。
2.皆様からのご助力のおかげで、当社は30周年を迎えることができました。本当に感謝しています。
3.この問題に関して私たちでは解決できそうにないので、有識者に助力を仰ぎました。
4.本件に関しまして、皆様より多大なるご助力を賜りましたことに厚くお礼申し上げます。
5.今後ともご指導とご助力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
6.石油タンカー事故で流れ出した原油の処理方法については、周辺諸国の理解と助力を仰がなければいけない。
7.彼女に頼まれたら喜んで助力するけど、君の場合はどうだろうと先輩が意地悪なことを言ってきた。
8.以前彼には事業の立ち上げでいろいろお世話になったので、もし協力を頼まれたら助力を惜しまないつもりだ。
9.彼らはまだ若いからなんでも一人で出来ると思っているが、いずれ助力を求めざるを得ないと気づく時が来るだろう。
10.先生方には、いままで厳しくも温かいご指導とご助力をいただきまして非常に感謝いたしております。

この言葉がよく使われる場面としては、他人の進めている仕事や活動などに力を貸すことを表現したい時などが挙げられます。

例文1の「助力は惜しみません」という言い回しはよく使われています。

「尽力」の例文

1.ワールドカップで優勝するために、練習の質向上に尽力しました。
2.被災地の復興に尽力することで、一人でも多くの人を救えたらいいなと思っています。
3.一日でも早く戦力になれるよう尽力いたしますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
4.イベントの今回の開催に当たり、関係者の皆様には多大なるご尽力を賜り、心よりお礼申し上げます。
5.今回のプロジェクトに関して、ご尽力いただきありがとうございました。
6.間に合わないと思っていましたが、皆さまのご尽力のおかげで何とか完成させることができました。
7.そのころは、監督のためなら、どんな尽力をも惜しまぬ覚悟だという選手が多かったんです。それくらい監督への信頼と愛情が大きかった時代です。
8.当時の所属レーベルで宣伝部長だった彼の尽力なしでは、今では世紀の名盤と名高いこのアルバムも世に出ることはなかったでしょう。
9.この度の大規模プロジェクトを短期間で達成することができたのは、現場の皆さんのご尽力のおかげであります。
10.皆一様に博士ばかりを称賛するが、その裏で博士を支えた奥様のご尽力もあったことはしっかりと付け加えておきたい。

この言葉がよく使われる場面としては、ある目的の実現のために力を尽くすことを表現したい時などが挙げられます。

例文3の「尽力いたします」という言い回しは、よく使われています。

「助力」と「尽力」は似た言葉ですが、意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、他人の進めている仕事や活動などに力を貸すことを表現したい時は「助力」を、ある目的の実現のために力を尽くすことを表現したい時は「尽力」を使うと覚えておきましょう。

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