似た意味を持つ「しています」と「いたしております」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「しています」と「いたしております」という言葉は、どちらも前にしている動作が継続していることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「しています」と「いたしております」の違い
「しています」と「いたしております」の意味の違い
「しています」と「いたしております」の違いを分かりやすく言うと、「しています」よりも「いたしております」の方が丁寧な表現という違いです。
「しています」と「いたしております」の使い方の違い
一つ目の「しています」を使った分かりやすい例としては、「それではいい返事をお待ちしています」「今、私は勉強をしています」「糖尿病なので数年前から通院しています」「私は3ヶ月前から英語を勉強しています」などがあります。
二つ目の「いたしております」を使った分かりやすい例としては、「また次回お会いできるのを楽しみにいたしております」「先生のおかげで元気にいたしていおります」「大変ご無沙汰いたしております」などがあります。
「しています」と「いたしております」の使い分け方
「しています」と「いたしております」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「しています」は動詞「いる」丁寧語の「ます」が付いた丁寧語になります。一方、「いたしております」は「する」の謙譲語「いたす」に丁重語の「おります」が付いた丁重語です。したがって、「しています」よりも「いたしております」の方が丁寧な表現というのが違いになります。
丁重語とは謙譲語の一種で謙譲語Ⅱとも言われており、自分や身内の行動を謙る場合に使う言葉です。
「しています」と「いたしております」の英語表記の違い
「しています」も「いたしております」も英語にすると「doing」となり、例えば上記の「私は3ヶ月前から英語を勉強しています」を英語にすると「I have been studying English since three months ago」となります。
「しています」の意味
「しています」とは
「しています」とは、前にしている動作が継続していることを意味しています。
「しています」の使い方
「しています」を使った分かりやすい例としては、「いつでもご連絡お待ちしています」「私は大学で物理学を専攻しています」「毎週日曜日はスポーツジムでトレーニングをしています」「私はスペイン語を勉強しています」「ダイエットのために運動しています」などがあります。
「しています」とは、動詞「いる」丁寧語の「ます」が付いた丁寧語で、前にしている動作が継続していることを表します。また、「しています」は「〇〇しています」の形で使うのが一般的です。
丁寧語とは、丁寧な言い方をすることによって相手への敬意を示すことを意味しています。
「しています」は丁寧語なので様々な場面で使える言葉と覚えておきましょう。
「しています」の類語
「しています」の類語・類義語としては、物事をしていることを意味する「行なっている」、法律や計画などを実際に行っていることを意味する「実施している」、ある物事に関係していることを意味する「携わっている」などがあります。
「いたしております」の意味
「いたしております」とは
「いたしております」とは、前にしている動作が継続していることを意味しています。
「いたしております」の使い方
「いたしております」を使った分かりやすい例としては、「当日お会いできるのを楽しみにいたしております」「家族みんな元気にいたしております」「またのご来店を心よりお待ちいたしております」などがあります。
「いたしております」は「する」の謙譲語「いたす」に丁重語の「おります」が付いた丁重語です。「いたしております」は二重敬語ではないかと考える方もいると思いますが、二重敬語ではありません。
二重敬語はあくまで一語に意味の重複した敬語が混ざっている場合を指すので、「いたしております」は二重敬語には当てはまらないと覚えておきましょう。
二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」などのように、一つ語の中に同じ種類の敬語を重複させてしまう間違った敬語の使い方です。
「いたしております」はとても丁寧な表現なので、目上の人に対して使うことができます。特に、社外の人やお客様に対して使うことが多いです。では社内の人に対しては何を使うのかというと、「いたしております」ではなく、「しております」になります。
「いたしております」の類語
「いたしております」の類語・類義語としては、予定の手順に従って物事を進行させていることを意味する「進めている」、今がちょうど盛りであることを意味する「真っ最中」などがあります。
「しています」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前にしている動作が継続していることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように「しています」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「いたしております」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前にしている動作が継続していることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように「いたしております」はとても丁寧な表現なので、目上の人に対して使うことができる言葉です。
「しています」と「いたしております」はどちらも前にしている動作が継続していることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「しています」よりも「しております」の方が丁寧な表現と覚えておきましょう。