【予定調和】と【調和】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「予定調和」(読み方:よていちょうわ)と「調和」(読み方:ちょうわ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「予定調和」と「調和」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




予定調和と調和の違い

予定調和と調和の意味の違い

予定調和と調和の違いを分かりやすく言うと、予定調和とは予定通りに物事が進むこと、調和とは程よくつり合いがとれることという違いです。

予定調和と調和の使い方の違い

一つ目の予定調和を使った分かりやすい例としては、「哲学者のライプニッツは予定調和説を唱えた」「予定調和で面白味に欠けた舞台だ」「結論ありきの予定調和な会議だった」「予定調和的な経済の動きを把握する」などがあります。

二つ目の調和を使った分かりやすい例としては、「調和のとれたチームワークが勝利に導いた」「見事に調和した演奏でした」「コース料理を調和するワインを選んでもらう」「歴史的景観に調和した民家が多い」などがあります。

予定調和と調和の使い分け方

予定調和という言葉には「調和」という言葉があるために、二つの言葉を混同する人がいますが、意味や使い方には大きな違いがあります。

予定調和とは、人々の予想通りに事が運び、結果もその通りになることを意味します。もとは哲学者のライプニッツが唱えた哲学用語ですが、一般的には、政治や経済、演劇などにおいて、お約束通りに物事が進むことを表す言葉となっています。

調和とは、全体が程よくつり合って、整っていることを意味します。オーケストラのハーモニーや、料理の味のバランス、デザインの融合など、本来は独立した要素が統一的に全体を成すことを表す時に用いられています。

予定調和と調和の英語表記の違い

予定調和を英語にすると「pre-established harmony」「predetermined harmony」となり、例えば上記の「予定調和説」を英語にすると「theory of pre-established harmony」となります。

一方、調和を英語にすると「harmony」「accord」「balance」となり、例えば上記の「調和のとれたチームワーク」を英語にすると「harmonious teamwork」となります。

予定調和の意味

予定調和とは

予定調和とは、 ライプニッツの哲学で、宇宙が統一的な秩序状態にあるのは、神によってモナド間に調和関係が生じるようにあらかじめ定められているからであるという学説を意味しています。

その他にも、「小説・映画・演劇・経済・政治等広い範囲で、観衆・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであること」の意味も持っています。

予定調和の使い方

「ライプニッツの予定調和説を読み解く」「私たちは予定調和された世界に生きている」「宇宙を構成するモナドに予定調和が作用している」などの文中で使われている予定調和は、「神によって調和関係が生じるようにあらかじめ定められているという学説」の意味で使われています。

一方、「予定調和な展開でつまらない小説だった」「その法案は予定調和のように成立するだろう」「予定調和でない議論をしましょう」などの文中で使われている予定調和は、「予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであること」の意味で使われています。

予定調和の由来

予定調和とは、もともと哲学に由来する言葉であり、ドイツの哲学者ライプニッツにより提唱された概念です。ライプニッツは、宇宙は互いに独立したモナドから成り、神によってモナド間の調和関係が生じるように定められてるために、宇宙が統一的な秩序状態にあると主張しました。

この哲学の概念が転じて、予定調和という言葉は、社会において予想する流れに沿って事態が動き、結果もその通りになることも意味します。一般的に、予定調和とは、予定通りに事が運ぶことを表す時に用いられています。

予定調和の対義語

予定調和の対義語・反対語としては、複雑に入りまじって見通しがつかないことを意味する「混迷」、秩序がないことを意味する「無秩序」、物事に一貫性がなくまとまりのないことを意味する「支離滅裂」などがあります。

予定調和の類語

予定調和の類語・類義語としては、市場において個人の利己的な行動が社会全体の利益をもたらすという調整機能を意味する「神の見えざる手」、前もってひそかに相談しておくことを意味する「示し合わせる」、社会や集団が望ましい状態を保つための順序を意味する「秩序」などがあります。

調和の意味

調和とは

調和とは、全体が程よくつり合って、矛盾や衝突などがなく、まとまっていることを意味しています。

調和の使い方

調和を使った分かりやすい例としては、「自然環境と調和する都市を目指します」「音楽と調和したダンスに魅入る」「素材の味が調和する一品です」「五味調和を意識して料理する」「平成19年に仕事と生活の調和憲章が策定された」などがあります。

その他にも、「政府は仕事と生活の調和を推進している」「心身の調和がとれた発達を促す」「自転車の速さの調和平均を求める」「数学の授業で調和関数を習った」「ばねの調和振動子について考察する」などがあります。

調和という言葉の「調」は全体に渡ってつり合いがとれること、手を加えて程よくすることを表し、「和」は穏やかにまとまること、一つに合わせることを表します。調和とは、二つ以上のものの間で偏りや衝突などがなく、互いが程よくつり合うことを意味する言葉です。

「五味調和」の意味

調和を用いた日本語には「五味調和」があります。五味は酸っぱい味、苦い味、甘い味、辛い味、塩からい味のことであり、これらの味をバランス良く摂ることを表します。

調和の対義語

調和の対義語・反対語としては、すべてが入りまじって区別がつかないさまを意味する「混沌」、相反する立場や利害などがぶつかって争いとなることを意味する「衝突」、周囲に調和しないことや不釣り合いなことを意味する「不調和」などがあります。

調和の類語

調和の類語・類義語としては、全体的につり合いがとれて整っていることを意味する「均整」、物事の間で力や重さなどの釣り合いがとれていることを意味する「均衡」、二つのものがつり合いを保つことを意味する「兼合い」、調和がとれることや適合することを意味する「マッチ」などがあります。

予定調和の例文

1.ライプニッツはモナド論や予定調和説で有名な哲学者ですが、数学の分野でも活躍していました。
2.予定調和に展開する映画ほど、観たことを後悔するものはありません。
3.トラブル続きの旅行でしたが、予定調和にいかないことも旅の醍醐味だと考えることにしました。
4.適切な林業活動であれば森林環境は維持できるという予定調和論に対して、教授は否定的な意見を持っているようだ。
5.今回の選挙も予定調和な成り行きで、政権交代とはなりませんでした。
6.この会議は予定調和の、しゃんしゃん会議なので、頭を使わなくていいが時間の無駄ではある。
7.このコンビのすごいところは、予定調和でオチが読めても、二人の絶妙な間合いと掛け合い、話芸の達者さで最後まで聞かせるところだと思う。
8.演劇の本番で台本のセリフとは全く違うことを言ったのは、決まりきった演出の予定調和を崩してみたかったのだ。
9.会社の会議はとても退屈だった。いつも同じような調子で話し合い、結論はいつでも同じで予定調和そのものだった。
10.このドラマシリーズはいつも予定調和な展開でストレスフリーで観られるが、一部の視聴者から内容がつまらないという意見もあるのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、ドイツの哲学者ライプニッツの形而上学的根本原理の一つ、大衆の予想する流れに沿って事態が動き結果も予想通りであることを表現したい時などが挙げられます。

例文1の文中にある予定調和は、哲学用語として用いられています。例文2から例文5にある予定調和は、予想した通りに物事が進行したり、予想通りの結果になることの意味で使われています。

調和の例文

1.仕事と生活の調和を実現するために、テレワークを積極的に取り入れる企業が増えています。
2.私が住む自治体では、豊かな自然と調和のとれた住みよい街づくりを進めています。
3.この店のブレンドコーヒーは苦味と酸味の調和がとれた味わいで、私のお気に入りです。
4.往復の平均速度を計算する時は、絶対平均ではなく調和平均を使います。
5.夢のマイホームを購入したら、和と洋が調和するモダンなリビングにしたいです。
6.彼女のファッションは一見色や素材の組み合わせがバラバラに見えるが、全体として調和のとれた着こなしになっていて憧れる。
7.この静かな里山に、建築という人工物を置くにあたっては、自然との調和を一番大事にしました。
8.このポスターは一見するとランダムに見えるが、その中に調和があり、大会の趣旨である多様性に合致するすばらしいものだと思います。
9.高度成長期は都市化により公害が発生し、自然環境と調和しているとはいいがたいものであったが、今では自然を取り戻しつつある。
10.今日は体調を崩して仕事を休んでしまったが、最近は忙しくて寝る時間もなかったので、心身の調和が乱れていたのもあるのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、具合よくつり合い、整っていることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「仕事と生活の調和」は、働く人々が仕事の時間と自分の生活時間をどのようなバランスにしているかを意味する「ワーク・ライフ・バランス」を日本語に訳したものです。例文4の「調和平均」とは数学における平均の一つで、与えられた数に対する逆数の相加平均の逆数のことです。

予定調和と調和という言葉は似ていますが、意味は大きく異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、予想した通りに物事が進行することを表現したい時は「予定調和」を、全体的に程よくつり合っていることを表現したい時は「調和」を使うようにしましょう。

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