【躊躇する】と【躊躇う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「躊躇する」(読み方:ちゅうちょする)と「躊躇う」(読み方:ためらう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「躊躇する」と「躊躇う」という言葉は、どちらもあれこれ迷って決心できないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「躊躇する」と「躊躇う」の違い

「躊躇する」と「躊躇う」の意味の違い

「躊躇する」と「躊躇う」の違いを分かりやすく言うと、「躊躇する」は書き言葉として使うことが多い、「躊躇う」は話し言葉として使うことが多いという違いです。

「躊躇する」と「躊躇う」の使い方の違い

一つ目の「躊躇する」を使った分かりやすい例としては、「行こうか行くまいか躊躇する」「彼の誘いを躊躇することなく断りました」「デザインは可愛いが値段が高いので買うのを躊躇している」などがあります。

二つ目の「躊躇う」を使った分かりやすい例としては、「言っていものかどうか躊躇う」「彼は躊躇うことなく犯行を行ないました」「雨が降っているので外出するのを躊躇う」「彼女はその危険を犯すのを躊躇った」などがあります。

「躊躇する」と「躊躇う」の使い分け方

「躊躇する」と「躊躇う」は読み方は違いますが、意味は全く同じ言葉です。

「躊躇する」は「躊躇」を音読みにした言葉で、「躊躇う」は「躊躇」を訓読みにした言葉になります。これらのように、全く同じ漢字を使っているのに読み方が違うものもあると覚えておきましょう。

全く同じ漢字を使っているのに読み方が違うものを他に挙げると、「蔓延る」(読み方:はびこる)と「蔓延する」(読み方:まんえんする)、「一年」(読み方:いちねん)、「一年」(読み方:ひととせ)などがあります。

「躊躇する」と「躊躇う」の他の違いとしては、「躊躇する」は書き言葉として使うことが多く、「躊躇う」は話し言葉として使うことが多いという点です。

「躊躇する」と「躊躇う」の英語表記の違い

「躊躇する」も「躊躇う」も英語にすると「hesitate」「hang back」「waver」となり、例えば上記の「彼女はその危険を犯すのを躊躇った」を英語にすると「She was hesitant about taking the risk」となります。

「躊躇する」の意味

「躊躇する」とは

「躊躇する」とは、あれこれ迷って決心できないことを意味しています。

表現方法は「躊躇することなく」「躊躇してしまう」「躊躇なく」

「躊躇することなく」「躊躇してしまう」「躊躇なく」などが、「躊躇する」を使った一般的な言い回しになります。

「躊躇する」の使い方

「躊躇する」を使った分かりやすい例としては、「真実を伝えるか躊躇する」「彼は怖そうなので話し掛けるのを躊躇する」「ダイエットしているのでアイスを食べるのを躊躇する」などがあります。

その他にも、「自説を主張するのを躊躇する」「緊急を要する状況では一瞬の躊躇も許されない」「彼に失敗の原因を聞くのを躊躇する」「ipadが欲しいが値段が高いので購入するのを躊躇する」などがあります。

「躊躇する」の「躊」と「躇」はどちらも訓読みにすると「ためらう」となります。「躊躇」は同じ意味の言葉を二つ重ねることで、あれこれ迷って決心できないことを強調しています。ただし、「躊躇する」とすると「ためらう」ではなく、「ちゅうちょ」と読むので注意しましょう。

また、「躊躇する」は話し言葉よりも、書き言葉として使うのが一般的です。

「躊躇する」を使う主な場面としては、何かを行動する直前や行動をしている最中です。したがって、前後の文章で行動に関する表記をするのが一般的になっています。また、何かの行動に対して使う言葉なので、物に対しては使えず、人に対してのみ使える言葉です。

「躊躇する」の類語

「躊躇する」の類語・類義語としては、決断できないでぐずぐずすることを意味する「逡巡する」(読み方:しゅんじゅんする)、ぐずぐず引き延ばして決定や実行しないことを意味する「猶予」などがあります。

「躊躇う」の意味

「躊躇う」とは

「躊躇う」とは、あれこれ迷って決心できないことを意味しています。

表現方法は「躊躇って」「躊躇わず」「躊躇われる」

「躊躇って」「躊躇わず」「躊躇われる」などが、「躊躇う」を使った一般的な言い回しになります。

「躊躇う」の使い方

「躊躇う」を使った分かりやすい例としては、「躊躇わずに実行することができました」「以前よりも太ってしまったので同窓会へ行くのを躊躇う」「彼女に本当のことを伝えるか躊躇う」などがあります。

その他にも、「雪が降っているので買い物に行くのを躊躇う」「医療現場においては一瞬も躊躇うことは許されない」「彼は怖そうな人なので話し掛けるのを躊躇う」などがあります。

「躊躇う」の「躊」と「躇」はどちらも訓読みにすると「ためらう」となります。「躊躇」は同じ意味の言葉を二つ重ねることで、あれこれ迷って決心できないことを強調しています。

また、「躊躇う」は書き言葉よりも、話し言葉として使うのが一般的です。

「躊躇う」を使う主な場面としては、何かを行動する直前や行動をしている最中です。したがって、前後の文章で行動に関する表記をするのが一般的になっています。また、何かの行動に対して使う言葉なので、物に対しては使えず、人に対してのみ使える言葉です。

「躊躇う」の類語

「躊躇う」の類語・類義語としては、嫌がって中々行動しないことを意味する「渋る」、尻込みをすることを意味する「尻込む」、どうしたらよいか決断がつかないことを意味する「迷う」などがあります。

「躊躇する」の例文

1.このパソコンはとても性能が良いが、値段がとても高いので買うのを躊躇している。
2.片想いの男性に告白しようと思っているが、振られるのが怖くて躊躇している。
3.ケーキバイキングに誘われたが、減量中なので参加するのを躊躇しています。
4.難しいお願いをしたが、彼は躊躇することなく引き受けてくれました。
5.日本人が英語を話すのを躊躇するのは、間違えるの恐れているからです。
6.見知らぬ異国の食べ物を目の前にしても、躊躇することなく、なんでも口に運べるところが彼のすごいところです。
7.慣れない仕事なのでまだまだ躊躇する場面もあるが、昨日よりはうまく仕事が出来ていると信じて頑張っている。
8.もうこんな年齢だからと今までやりたかったことを躊躇する必要はなくて、今が一番若いと思って思いっきりやるべきなのだ。
9.会社は経営再建のためにいままで会社のために働いてきた従業員たちのリストラを躊躇することなく行った。
10.わたしは買い物をするときは、買うのを躊躇している時間がもったいないので、即決購入が基本だ。

この言葉がよく使われる場面としては、あれこれ迷って決心できないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「躊躇する」は書き言葉として使うことが多いです。

「躊躇う」の例文

1.一旦チャンスを得ると、日本代表の選手達は躊躇うことなくシュートを打ちました。
2.好きな人に思いを伝えようと思っているが、振られるのが怖くて躊躇う。
3.ドラム缶の洗濯機が欲しいが、値段が高いので購入するのを躊躇う。
4.中学の同窓会に参加したいが、別れた元彼と会うことになるので参加するのを躊躇う。
5.姑とあまり相性が良くないので、夫の実家に帰省するのを躊躇う。
6.アンケートをとったり他社事例を調べたりと情報を集めたのはいいが、結局我が社では何をすればいいのか決断するのを躊躇ってしまう。
7.田口さんはなかなか口の重い人だったんですが、飲み始めて2時間ぐらいたったころでしょうか、躊躇いがちに自分の身の上話を始めたんです。
8.雨が降っていると外出するのを躊躇うこともあるが、せっかくの休みなので無理して外に出るようにしている。
9.先代の社長の時代にことごとく海外進出に失敗した経験があることから、わが社には海外進出を躊躇う風潮が根強くあるのだ。
10.生活保護は必要になれば躊躇うことなく受けることのできる国民の権利であるが、窓口で追い返されることも多いのが現状だ。

この言葉がよく使われる場面としては、あれこれ迷って決心できないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「躊躇う」は話し言葉として使うことが多いです。

「躊躇する」と「躊躇う」はどちらもあれこれ迷って決心できないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、書き言葉として使うことが多いのが「躊躇する」、話し言葉として使うことが多いのが「躊躇う」と覚えておきましょう。

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