似た意味を持つ「最優先」(読み方:さいゆうせん)と「第一優先」(読み方:だいいちゆうせん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「最優先」と「第一優先」という言葉は、どちらも「他のものよりも優先すべきこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
最優先と第一優先の違い
最優先と第一優先の意味の違い
最優先と第一優先の違いを分かりやすく言うと、最優先と第一優先は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。
最優先と第一優先の使い方の違い
一つ目の最優先を使った分かりやすい例としては、「経済対策を最優先で取り組みます」「次期政権が掲げる最優先課題は何ですか」「当社の最優先事項はお客様の満足です」「安全確保を最優先に考えて行動する」などがあります。
二つ目の第一優先を使った分かりやすい例としては、「サービス業においてはお客様が第一優先です」「クレーム対応は原因追求を第一優先にしてください」「英語のテスト勉強を第一優先で頑張ってね」などがあります。
最優先と第一優先の使い分け方
最優先と第一優先という言葉は、どちらも物事の優先度を表し、「他の何よりも真っ先に扱うべきもの」を意味する同義語です。そのため、上記の例文にある「最優先」と「第一優先」は、互いに置き換えて使うことができます。
二つの言葉の相違点である「最」と「第一」は、どちらも「この上ないこと、一番」を表します。言葉のニュアンスに違いはありますが、「最優先」と「第一優先」という言葉は区別されずに使用されていることを覚えておきましょう。
最優先と第一優先の英語表記の違い
最優先も第一優先も英語にすると「top priority」「maximum priority」「high priority」となり、例えば上記の「最優先で」を英語にすると「with maximum priority」となります。
最優先の意味
最優先とは
最優先とは、他の何にもまして真っ先にすべきであることを意味しています。
最優先の読み方
最優先の読み方は「さいゆうせん」です。誤って「もゆうせん」「さいうせん」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「最優先に考える」「最優先にする」
「最優先に考える」「最優先にする」などが、最優先を使った一般的な言い回しです。
最優先の使い方
最優先を使った分かりやすい例としては、「何よりも安全を最優先にしてください」「物価高への対応を最優先課題とすべきです」「いつも家族の健康を最優先に考えています」「最優先でこの仕事を終わらせて欲しい」などがあります。
その他にも、「中学生は英語の学習を最優先にしてください」「あなたの最優先課題は何ですか」「時間がないのであれば最優先事項を考えましょう」「女子高生にとって前髪のセットは最優先事項よ」などがあります。
最優先の「最」は訓読みで「もっとも」と読み、この上ない様子を表します。「優先」は他のものを差し置いて先に扱うことです。これらが組み合わさり、最優先とは、ある物事を何よりも先に行うことを意味する言葉です。
「最優先事項」の意味
上記の例文にある「最優先事項」とは、優先してやらなければならない事柄がいくつかあるうちの、最も優先順位が高いものを意味します。日常会話よりもビジネスシーンにおいてよく使用される言葉です。
最優先の対義語
最優先の対義語・反対語としては、順番を変えてあとに遅らせることを意味する「後回し」などがあります。
最優先の類語
最優先の類語・類義語としては、その物事を第一とすることを意味する「最重要」、一番初めであることを意味する「真っ先」、他の事はひとまずあとのことにしてもを意味する「何はさておき」などがあります。
第一優先の意味
第一優先とは
第一優先とは、最も優先してすべきことを意味しています。
第一優先の使い方
第一優先を使った分かりやすい例としては、「英語に興味を持つことを第一優先に授業をしています」「本校の第一優先は学業で、第二優先は部活動です」「夏は水分補給を第一優先にしてください」などがあります。
その他にも、「ビジネスの第一優先事項は利益の確保です」「最高価格提示者に第一優先交渉権を与えます」「この部署の第一優先事項は品質管理です」「本研修では正しい敬語を身に付けることを第一優先にしています」などがあります。
第一優先の「第一」は、順序の一番はじめであることや最も重要であることを表します。他のものより先に扱うことを表す「優先」と結び付き、第一優先とは、優先度が最も高いことを意味します。仕事で第一優先と言われたら、その事項は特に優先して取り組まなければいけません。
「第一優先株式」は誤用
第一優先を用いた誤った日本語には「第一優先株式」があります。正しくは「第一種優先株式」であり、普通株式に比べて利益の配当等を優先的に受け取ることができる株式を意味します。
第一優先の対義語
第一優先の対義語・反対語としては、後回しを意味する「二の次」などがあります。
第一優先の類語
第一優先の類語・類義語としては、最も優先してやるべき事柄を意味する「最優先事項」、物事の優先される順番を意味する「優先順位」、何よりも優先させることを意味する「ファーストプライオリティ」などがあります。
最優先の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、何かを最も重要なものとし、他のことよりも優先して取り組むことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「最優先」は、「第一優先」という言葉に置き換えても問題ありません。
第一優先の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、数あるなかでも最も優先順位が高いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「第一優先」は、「最優先」という言葉に置き換えても意味は変わりません。
最優先と第一優先という言葉は、どちらも「他のことよりも優先すべきもの」を表します。意味や使い方に違いはないので、どちらの言葉を使うか迷った場合は好みや語呂の良さにより選べば良いでしょう。