【リハーサル】と【ゲネプロ】と【ランスルー】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「リハーサル」と「ゲネプロ」と「ランスルー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「リハーサル」と「ゲネプロ」と「ランスルー」という言葉は、本番前の予行練習という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




リハーサルとゲネプロとランスルーの違い

リハーサルとゲネプロとランスルーの意味の違い

リハーサルとゲネプロとランスルーの違いを分かりやすく言うと、リハーサルは本番前の練習を表現する時に使い、ゲネプロは最も本番に近い予行練習を表現する時に使い、ランスルーは流れを確認する練習を表現する時に使うという違いです。

リハーサルとゲネプロとランスルーの使い方の違い

リハーサルという言葉は、「後学のためにリハーサルを見学させてもらうことになった」「カメラリハーサルだからか緊張している」などの使い方で、演劇、音楽や放送などで本番より前に行う予行演習を意味します。

ゲネプロという言葉は、「ゲネプロの写真をSNSで見て公演当日がさらに楽しみになった」「公開されるはずだったゲネプロが中止となってしまった」などの使い方で、演劇、オペラやバレエなどの初日公演の前に本番通りに行う全体稽古を意味します。

ランスルーという言葉は、「ランスルーでの確認事項をあらかじめ用意しておく」「場当たり後のランスルーは初めてだ」などの使い方で、すべて本番と同じように行うものの本気で演じるわけではない通し稽古を意味します。

リハーサルとゲネプロとランスルーの使い分け方

リハーサルとゲネプロは、どちらも本番前に行う予行練習を意味する言葉ですが、前者は本番と全く同じではない場合がある一方で、後者は本番と全く同じように行われます。

リハーサルには二通りあり、各シーンごとに確認を行う方法をブロッキングと言い、中断しないで本番の流れを全て通しながら確認をしていく方法をランスルーと言います。ランスルーはリハーサルに含まれる言葉です。

そのため、この三つの言葉をより本番に近いものの順に並べると、ゲネプロ>リハーサル>ランスルーとなりますが、ゲネプロとランスルーには途中で中断しないという共通点があります。

これが、リハーサル、ゲネプロ、ランスルーの明確な違いです。

リハーサルの意味

リハーサルとは

リハーサルとは、演劇、音楽や放送などで本番より前に行う予行演習を意味しています。

リハーサルの省略語は「リハ」

リハーサルは英語の「rehearsal」をカタカナ読みして使っている言葉で、「リハ」と略して使われることも多い言葉です。

表現方法は「リハーサルをする」「リハーサルを行う」「リハーサルがある」

「リハーサルをする」「リハーサルを行う」「リハーサルがある」などが、リハーサルを使った一般的な言い回しです。

リハーサルを使った言葉として、「ドライリハーサル」「ドレスリハーサル」があります。

「ドライリハーサル」の意味

一つ目の「ドライリハーサル」とは、テレビカメラを回さないで行うリハーサルを指す言葉で、ドライリハと略されることもあります。カメラで撮影を実際に行うリハーサルは「カメラリハーサル」と言い、カメリハと略されて使われます。

「ドレスリハーサル」の意味

二つ目の「ドレスリハーサル」とは、本番で着用する衣装を実際に身につけて行うリハーサルを指す言葉で、演劇などで使われる言葉です。音楽演奏の場合は、正式な衣装を着用しなくとも、本番前最後のリハーサルを意味する言葉として使われます。

リハーサルの対義語

リハーサルの対義語・反対語としては、実際に撮影、放送や録音を行うことを意味する「本番」があります。

リハーサルの類語

リハーサルの類語・類義語としては、本番に備えて前もって練習をしておくことを意味する「下稽古」、見習うべき物事を意味する「手本」、舞台で演じたり歌ったりすることを意味する「実演」があります。

ゲネプロの意味

ゲネプロとは

ゲネプロとは、演劇、オペラやバレエなどの初日公演の前に本番通りに行う全体稽古を意味しています。

ゲネプロは「ゲネラールプローベ」の省略語

ゲネプロはドイツ語の「ゲネラールプローベ」の略称で、「ゲネラール」は総合、「プローベ」は試験や検証といった意味を持つ言葉です。ドイツでは略さずに使われますが、日本では「ゲネ」、「プローベ」、「ゲーペー」などと略すケースが多い言葉です。

「公開ゲネプロ」の意味

ゲネプロを使った言葉として、「公開ゲネプロ」があります。これは、ファンクラブであったり出演者の家族、マスコミらを招待して、本番と同じ会場や舞台にて本番と同じように演目などを行うことを指す言葉です。

このマスコミらが撮影した写真が、宣伝広告用として使われることも多くあります。これによって、公演を楽しみに待つファンや気になっていた人たちに雰囲気を知らせて、さらに多くの観客を獲得できる可能性があります。

ゲネプロの類語

ゲネプロの類語・類義語としては、本物や実際の場合と同じようにすることを意味する「模擬」、練習のために前もって実際の通りに行うことを意味する「予行」があります。

ランスルーの意味

ランスルーとは

ランスルーとは、すべて本番と同じように行うものの本気で演じるわけではない通し稽古を意味しています。

ランスルーは「run through」と英語表記なされる言葉をそのままカタカナにしたもので、本来は走り抜けることや通して練習することを意味します。映像業界用語であり、和製英語であるため、日常会話で使われることはあまりありません。

「ランスルーテスト」の意味

ランスルーを使った言葉として、「ランスルーテスト」があります。これは、当日を想定して一通り最初から最後までのシミュレーションを行ってみることを意味する言葉です。

単なるリハーサルとは異なり、途中で中断されることはなく、本番通りではないものの最後まで一通りの流れが確認されます。

ランスルーの対義語

ランスルーの対義語・反対語としては、観客に見せるために劇などを舞台で演じることを意味する「上演」があります。

ランスルーの類語

ランスルーの類語・類義語としては、事物の性能などを実際に試して確認したり調べることを意味する「テスト」、演劇などの稽古において俳優が台詞をそれぞれ互いに読んで台詞の受け渡しの練習をすることを意味する「読み合わせ」などがあります。

リハーサルの例文

1.リハーサルを行う少し前に機材トラブルが起こったらしく、本番中ではなかったことを不幸中の幸いと思い、待つしかなかった。
2.何度も何度もリハーサルをしてしまうといざ本番を迎えた際に緊張感を感じずに本来の力を発揮できない気がする。
3.場面を分けてリハーサルを行い、途中で確認のための打ち合わせを挟みつつ休憩も取るやり方は心的負担が軽く感じる。

この言葉がよく使われる場面としては、演劇、音楽や放送などで本番より前に行う予行演習を意味する時などが挙げられます。

例文3の「場面を分けたリハーサル」はブロッキングと呼ばれています。

ゲネプロの例文

1.偶然にも招待してもらったゲネプロでは演者やスタッフの真剣な表情が伺え、この舞台にかけている熱量を感じることができた。
2.ゲネプロで撮影された写真と同じシーンがやってきた時、立ち位置などが若干変わっていたが、後から日替わり演出だと知った。
3.その舞台のDVDにはゲネプロの映像が特典として付属している話を聞いて、すぐに予約した。

この言葉がよく使われる場面としては、演劇、オペラやバレエなどの初日公演の前に本番通りに行う全体稽古を意味する時などが挙げられます。

どのゲネプロという言葉も、「ゲネ」と省略されることが多くあります。

ランスルーの例文

1.ランスルーでは各々伺い合いながらも一通りの流れを確認することができるため、肩に力を入れすぎずに取り組むことができる。
2.明日にランスルーを控えているものの、初めてのことで迷惑を掛けてしまわないか今から不安だ。
3.事前に行われるランスルーでは力を出しすぎないようにセーブしているが、楽しくなってしまってはしゃぐことのないよう気を付けている。

この言葉がよく使われる場面としては、すべて本番と同じように行うものの本気で演じるわけではない通し稽古を意味する時などが挙げられます。

どのランスルーという言葉も、リハーサルという言葉に置き換えて使うことができます。

リハーサルとゲネプロとランスルーどれを使うか迷った場合は、本番前の練習を表す場合は「リハーサル」を、最も本番に近い予行練習を表す場合は「ゲネプロ」を、流れを確認する練習を表す場合は「ランスルー」を使うと覚えておけば間違いありません。

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