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【渾沌】と【混沌】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「こんとん」という読み方の「渾沌」と「混沌」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「渾沌」と「混沌」という言葉は同義語で、どちらも「全てが入り交じって区別が付かない」という同じ意味を持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。




渾沌と混沌の違い

渾沌と混沌の意味の違い

渾沌と混沌の違いを分かりやすく言うと、渾沌は常用漢字表に載っていない、混沌は常用漢字表に載っているという違いです。

渾沌は常用外漢字

渾沌の「渾」が常用外漢字であるため、代用字として、常用漢字の「混」を用いた混沌が使われるようになりました。

混沌は公用文で使える

混沌は文化庁が定める常用漢字表に記載されているため法令や新聞などで使用できますが、渾沌は常用漢字表に記載されていないため法令や新聞などで使用できません。そのため、公的な書類などに記載する際には「混沌」を使う方が良いでしょう。

また、渾沌は混沌と全く同じ意味の言葉であり、どちらの漢字を使っても間違いではないことを覚えておきましょう。使いやすい方の漢字を使って良いものなので、好みに合わせて使い分けることが可能です。

渾沌と混沌の英語表記の違い

渾沌も混沌も英語にすると「chaos」「chaotic」となり、例えば「混沌とした状態が続いている」を英語にすると「The situation is still in chaos」となります。

渾沌の意味

渾沌とは

渾沌とは、全てが入り交じって区別が付かないことを意味しています。その他にも、天地がまだ開けず不分明であることの意味持っています。

渾沌の使い方

渾沌を使った分かりやすい例としては、「次の県知事選挙の人選は渾沌としている」「渾沌とした世の中にも未来はある」「新型ウイルスの流行により医療現場は渾沌している」「今回の大統領選挙は飛び抜けた候補がおらず勝敗の行方は渾沌としている」などがあります。

渾沌は複数の意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは、全てが入り交じって区別が付かないことの意味になります。また、マイナスのイメージでしか使いません。

渾沌の由来

渾沌は中国から入ってきた漢語になります。中国神話に登場する怪物、四凶の一つとされていて、その名の通り渾沌を司っていました。

渾沌は犬のような姿で長い毛が生えており、脚はあるのだが目も見えず、耳も聞こえません。いつも自分の尻尾を咥えてグルグル回っているだけで前に進むことは無く、空を見て笑っているとされていました。また、善人を忌み嫌い、悪人に媚びると言われています。

これが転じて、渾沌は全てが入り交じって区別が付かないことの意味で使われるようになりました。

渾沌の類語

渾沌の類語・類義語としては、物事が乱雑に取り散らかっていることを意味する「狼藉」(読み方:ろうぜき)、秩序が規律が乱れて道筋が立たないことを意味する「乱脈」、乱れていることを意味する「乱雑」、どうしていいか判断がつかず迷うことを意味する「困惑」などがあります。

渾沌の渾の字を使った別の言葉としては、異なるものが入り交じることを意味する「渾淆」(読み方:こんこう)、全てが溶け合って区別がつかないことを意味する「渾然」、物が入り交じって一つに溶け合うことを意味する「渾融」などがあります。

混沌の意味

混沌とは

混沌とは、全てが入り交じって区別が付かないことを意味しています。その他にも、天地がまだ開けず不分明であることの意味も持っています。

混沌の使い方

混沌を使った分かりやすい例としては、「混沌とし世の中で生きるのは難しい」「今の日本は渾沌たる政治情勢です」「この混沌とした飲み物は健康に良いらしい」「優勝候補が予選敗退したため優勝争いは混沌としている」などがあります。

混沌という言葉は、日常生活やビジネスシーンであまり使われることがないため、馴染みがある人は少ないはずです。物事が無秩序でまとまってない場合に使うと覚えておきましょう。

また、日常生活やビジネスシーンなどはあまり使われないのですが、漫画、アニメ、ゲームの世界などでは頻繁に使われている言葉です。

表現方法は「混沌とする」「混沌として」「混沌とした」

「混沌とする」「混沌として」「混沌とした」「混沌とした世の中」などは、混沌を使った一般的な表現方法になります。

混沌の由来

渾沌の「渾」という字が常用漢字ではないため、代用字として常用漢字である「混」が使われたことで「混沌」という言葉が生まれました。渾沌と混沌は意味が同じなため、どちらの漢字で表記しても間違いではありません。

この代用字というのは、他の単語でも使用されるものです。例えば、本来は「恃む」であるところを「頼む」と表記するのが代用字です。本来の字が難しい字面であったり、常用漢字ではない場合に代用字が使われます。

前述したように、どちらの漢字で表記をしても同じ意味になるので、どちらでも好きな表記で書き記して良いものであると覚えておきましょう。

しかし、公的な書類などに記載する際には、常用漢字である「渾」を使って「混沌」とする方が良いでしょう。「渾沌」という漢字の方が、最初からあった表記であるというだけで、どちらの字でも意味は全く同じです。

混沌の類語

混沌の類語・類義語としては、どうにもならないほどに壊れたり混乱することを意味する「滅茶苦茶」、不意な出来事に慌てて狼狽えることを意味する「狼狽」(読み方:ろうばい)、秩序がないことを意味する「無秩序」などがあります。

混沌の混の字を使った別の言葉としては、物事が入り乱れて秩序を失くすことを意味する「混乱」、複雑に入り交じって見通しがつかないことを意味する「混迷」、敵味方が互いに入り乱れて戦うことを意味する「混戦」などがあります。

渾沌の例文

1.今日は学校の友人と、渾沌に呻くゴアマガラを討伐しに行く予定です。
2.渾沌とした世の中で生きて行くには、それなりの覚悟が必要です。
3.この渾沌とした社会中で、素晴らしい企業作りを目指すことをここに誓います。
4.次期首相候補は渾沌とした状況なので、誰が選ばれるか予想もつかない。
5.複雑で渾沌とした社会を乗り越えるには、たくさんの人々と接し、経験を身に付けることが大切です。
6.とりあえず今いる人間でなんとか取引先との打ち合わせを行ったが、退職者や休職者が相次ぎ社内の内情は渾沌たるものだった。
7.政治の世界は常に渾沌とした状況であり、誰が勝利するかは予想がつかない。
8.世界のあらゆる神話を調べてみると、世界のはじまりは渾沌だったという始まりが多いことがわかった。
9.東京オリンピックの開催には、スタジアムの建設を巡って多くの問題があり渾沌とした状況が続いていました。
10.このように悪天候が続くと、交通機関が渾沌とした状況に陥ることがあるので、あらかじめ予約をするのもいいだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、全てが入り交じって区別が付かないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、天地がまだ開けず不分明であることを表現したい時にも使います。

「渾沌」の「渾」という字は常用漢字ではないので、日常生活でもあまり使用されません。そのため、「渾」という漢字に馴染みがない人がほとんどなはずです。「渾」は難しい漢字ですが、一つに混じり合うという意味を持ち、音読みで「コン」と読むと覚えておきましょう。

混沌の例文

1.新型コロナウイルスの流行により、混沌とした世の中が訪れようとしている。
2.次期社長候補が脱税容疑で逮捕されたため、次期社長の人選は混沌としてきた。
3.日本の心地良い環境に馴れてしまうと、インドのような混沌とした地域で生活するのは、とても苦労するだろう。
4.プロジェクトリーダーが突然退職してしまったので、チームが混沌としている。
5.渋谷のハロウィンは数多くの若者が集まり、街中が混沌としている。
6.今の世の中を混沌としていると感じる者もいるだろうが、戦前戦後を生き抜いた人から言わせれば押し並べて平和なのではないか。
7.米中対立など世界の政治情勢が混沌としているため、国際社会は不安を抱えている。
8.試合は優勝候補が予選敗退したため、優勝争いは混沌としているが、その方が観る分には楽しいものだ。
9.人口増加に伴い、行政サービスが後手後手となり、生活環境が混沌としたものになっている地域がある。
10.プロジェクトは違うチームから複数のアイデアが提出されたため、プロジェクトの方向性が混沌とした状態になっている。

この言葉がよく使われる場面としては、全てが入り交じって区別が付かないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、天地がまだ開けず不分明であることを表現したい時にも使います。

渾沌の「渾」という字が常用漢字ではないため、代用字の「混」が使われるようになって出来たのが「混沌」という言葉です。意味合いとしては全く同じものであり、どちらの漢字を使っても問題ありません。

渾沌と混沌どちらを使うか迷った際は、公的な書類などに記載する場合は常用漢字である「混」を使った「混沌」とする方が良いでしょう。その他の場合には、個人の好みによって好きな方の表記を使うことができます。

言葉の使い方の例文
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