似た意味を持つ「読破」(読み方:どくは)と「読了」(読み方:どくりょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「読破」と「読了」という言葉は、読み終えるという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
読破と読了の違い
読破と読了の意味の違い
読破と読了の違いを分かりやすく言うと、読破は難しい本や長い本を読み終えたことを表現する時に使い、読了は読み終えたことだけ表現する時に使うという違いです。
読破と読了の使い方の違い
一つ目の読破を使った分かりやすい例としては、「その小説を読破するのは難しい」「まとまった休みは本を読破するいい機会だ」「読破してなお理解ができなかった」などがあります。
二つ目の読了を使った分かりやすい例としては、「読了ありがとうございました」「社内メールの読了確認」「読了したため感想を言いたくて仕方ない」などがあります。
読破は本の冊数や文章量の多いものを読むときに使うため、メールや手紙などの長さには使いません。
読破と読了の英語表記の違い
読破を英語にすると「read through」となり、例えば上記の「その小説を読破する」を英語にすると「to read through the novel」となります。
一方、読了を英語にすると「finish reading」「read to the end」となり、例えば上記の「読了ありがとうございました」を英語にすると「Thank you for reading to the end」となります。
読破の意味
読破とは
読破とは、難読な本や長編の本を終わりまで読み通すことを意味しています。
表現方法は「読破する」「読破した」「読破できない」
「読破する」「読破した」「読破できない」などが、読破を使った一般的な言い回しです。
読破の使い方
読破を使った分かりやすい例としては、「難解な作品の読破にどのくらい掛かるだろうか」「読破せずともほしい情報は手に入った」「友人はその本を読破した後貸してくれた」「哲学書を一通り読破する」などがあります。
「読破中」の意味
「読破中」という表現は、読み終えることを意味しているため本来であれば間違った日本語として扱われます。しかし、何冊もあるシリーズを一冊ずつ読み終えていくことを表すために「読破中」と表現することもあります。
読破の破の字を使った別の言葉としては、困難や障害などを克服することを意味する「突破」、並外れている様子を意味する「破格」、困難な道や長い道のりを歩きとおすことを意味する「踏破」などがあります。
読了の意味
読了とは
読了とは、ある程度の長さのあるものを読み終えることを意味しています。
表現方法は「読了する」「読了した」「読了しました」
「読了する」「読了した」「読了しました」などが、読了を使った一般的な言い回しです。
読了の使い方
読了を使った分かりやすい例としては、「頂いた手紙を読了した」「公的書類を読了し必要事項を記載して提出した」「本の読了記録をつけてみる」「面白い本は一日で読了してしまう」などがあります。
読了を使った言葉として誤って使われている言葉に「読了感」と「読了済み」があります。
「読了感」の意味
一つ目の読了感は、読み終えた後の感覚を意味する言葉として誤って使われています。読了後の感想や読了後の感覚などの表現をする必要があります。読了後の感想を表すようであれば「読後感」という言葉が同義であるため、こちらも覚えておきましょう。
「読了済み」の意味
二つ目の読了済みは、物事が終わったことを表す「済み」と一緒に使われているため、二重表現とされることが多い言葉で、「頭痛が痛い」などの誤った表現と同じです。
ただし、頭痛が痛いの場合、「頭痛」も「痛い」もどちらも現在頭が痛いことを意味しています。
しかし、読了済みという言葉は「読了」は本を読み終えた時点を示し、「済み」は現在の時点で読了自体が過去の出来事であるという意味を付与しています。そのため、読了済みという言葉がよく見受けられています。
読了の了の字を使った別の言葉としては、学業などの一定の課程を終えることを意味する「修了」、十分に理解し納得することを意味する「了得」(読み方:りょうとく)、はっきりとよくわかる様子を意味する「了然」(読み方:りょうぜん)などがあります。
読破の例文
この言葉がよく使われる場面としては、難しく長い本を読み終えることを意味する時などが挙げられます。
例文4では英語がそこまで堪能ではない前提で話が進んでいるため「読破」を使っていますが、英語が得意であれば「読了」に変えるなど、実際に使う際は誰にとって難解なのかを明確にして使い分ける必要があります。
読了の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手紙などのある程度長いものを読み終えることを意味する時などが挙げられます。
例文2の「読了率」とはそのサイトのページが最後まで読まれているかどうかを示す数値のことです。閲覧者がどこまで見たのかによって、今後のサイト経営の成長に繋げていくため利用されています。
読破と読了どちらを使うか迷った場合は、難解だったり長編の書物を読み終えたことを表す場合には「読破」を、ある程度の長さのあるものを読み終えたことを表す場合は「読了」を使うと覚えておけば間違いありません。