似た意味を持つ「ご留意ください」(読み方:ごりゅういください)と「ご承知おきください」(読み方:ごしょうちおきください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」という言葉は、どちらも相手にお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の違い
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の意味の違い
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の違いを分かりやすく言うと、「ご留意ください」とはある物事に心を留めて気を付けてもらうこと、「ご承知おきください」とは理解してくださいとお願いすることという違いです。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の使い方の違い
一つ目の「ご留意ください」を使った分かりやすい例としては、「寒い日が続いておりますのでお体にご留意ください」「待ち合わせの時間に遅刻しないようご留意ください」「あなたたちはその点をご留意ください」などがあります。
二つ目の「ご承知おきください」を使った分かりやすい例としては、「返信にお時間がかかりますことをご承知おきください」「本日は19時までの営業となりますので、ご承知おきくださいませ」「何かしらの処理を取らざるを得ませんのでご承知おきください」などがあります。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の使い分け方
「ご留意ください」と「ご承知おきください」はどちらも相手にお願いする場合に使う言葉ですが、ニュアンスが少し異なっているので間違えないように注意しましょう。
「ご留意ください」はある物事に心を留めて気を付けてもらうことを意味しており、相手に注意喚起したり、体調を気遣う場合に使います。
一方、「ご承知おきください」は理解してくださいとお願いすることを意味しており、相手に対して、予め知っておいてくださいやご理解をお願いする場合に使う言葉というのが違いです。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の英語表記の違い
「ご留意ください」を英語にすると「please take notice」「please note that」となり、例えば上記の「あなたたちはその点をご留意ください」を英語にすると「All of you, please take notice to that point」となります。
一方、「ご承知おきください」を英語にすると「please note that」「we kindly ask for your understanding」となり、例えば上記の「何かしらの処理を取らざるを得ませんのでご承知おきください」を英語にすると「Pleas note that we will have to take some sort of action」となります。
「ご留意ください」の意味
「ご留意ください」とは
「ご留意ください」とは、ある物事に心を留めて気を付けてもらうことを意味しています。
「ご留意ください」の使い方
「ご留意ください」を使った分かりやすい例としては、「資料を作成する上で下記の点にご留意ください」「段々と肌寒い季節になってきましたので、服装にはご留意ください」「本サービスを利用するに辺りいくつかの点にご留意ください」などがあります。
「ご留意ください」はある物事に心を留めて気をつけることを意味する「留意」に、相手に何かを要望や懇願することを意味する「ご〇〇ください」が合わさり、ある物事に心を留めて気を付けてもらうというお願いをする言葉です。
また、「ご留意ください」は書き言葉と話し言葉どちらでも使うことができます。
「ご留意ください」は敬語表現だが上司や取引先には使えない
「ご留意ください」は敬語表現ですが、相手に要望や懇願することの意味を含んでいるので、上司や取引先などの目上の人に対して使うのはあまり適していません。
「ご留意くださいませ」とさらに丁寧な表現もありますが、相手に要望や懇願することという本質は変わっていなので、こちらも目上の人に対しては使わないようにしましょう。
もし目上の人に対して使いたいのであれば、「ご〇〇ください」の表現を使うのではなく、「ご留意願います」「ご留意いただきたく」「ご留意いただけますと幸いです」「ご留意いただきますようよろしくお願いいたします」などを使うのが適しています。
「ご留意ください」の類語
「ご留意ください」の類語・類義語としては、気をつけてもらうことを意味する「ご注意ください」、困ったことにならないように予め注意してもらうことを意味する「ご用心ください」などがあります。
「ご承知おきください」の意味
「ご承知おきください」とは
「ご承知おきください」とは、理解してくださいとお願いすることを意味しています。
「ご承知おきください」の使い方
「ご承知おきください」を使った分かりやすい例としては、「こちらが決定事項になります。何卒ご承知おきください」「誠に勝手ながら年末年始は休業とさせていただきますので、ご承知おきください」などがあります。
「ご承知おきください」は依頼や要求などを聞き入れることや事情などを知ることを意味する「承知」に、相手に何かを要望や懇願することを意味する「ご〇〇ください」が合わさり、これから行われることを理解してくださいとお願いすることを意味する言葉です。
「ご承知おきください」は敬語表現だが上司や取引先には使えない
「ご承知おきください」は敬語表現ですが、相手に要望や懇願することの意味を含んでいるので、上司や取引先などの目上の人に対して使うのはあまり適していません。
もし目上の人に対して使いたいのであれば、「お含みおきください」「ご了承いただけますよう」「ご了承願います」「ご理解いただきますよう」「ご容赦いただきますよう」などを使うようにしましょう。
「ご承知おきください」の類語
「ご承知おきください」の類語・類義語としては、事情を汲んで相手に理解してもらうことを意味する「ご了承ください」、心に留めておいてくださいということを意味する「お含みおきください」などがあります。
「ご留意ください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物事に心を留めて気を付けてもらうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ご留意ください」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「ご承知おきください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、理解してくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ご承知おきください」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」はどちらも相手にお願いすることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、ある物事に心を留めて気を付けてもらうことを表現したい時は「ご留意ください」を、理解してくださいとお願いすることを表現したい時は「ご承知おきください」を使うと覚えておきましょう。