【見直す】と【見返す】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「見直す」(読み方:みなおす)と「見返す」(読み方:みかえす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「見直す」と「見返す」という言葉は、どちらももう一度注意しながら見ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「見直す」と「見返す」の違い

「見直す」と「見返す」の意味の違い

「見直す」と「見返す」の違いを分かりやすく言うと、「見直す」は見落としや誤りがないか再検討しながら見るというニュアンスがある、「見返す」は見落としや誤りがないか再検討しながら見るというニュアンスがないという違いです。

「見直す」と「見返す」の使い方の違い

一つ目の「見直す」を使った分かりやすい例としては、「自分が書いた文章をもう一度見直すことにしました」「株式市場は今後見直すだろう」「彼の評価を見直す必要があります」「その計画は見直す必要があるだろう」などがあります。

二つ目の「見返す」を使った分かりやすい例としては、「思い出の写真を何度も見返す」「その女は胡散臭そうに私を見返す」「可愛くなって私を振った彼を見返すつもりです」「お気に入りの映画を何度も見返す」「その写真を念入りに見返す」などがあります。

「見直す」と「見返す」の使い分け方

「見直す」と「見返す」はどちらももう一度注意しながら見ることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「見直す」はもう一度改めて見てその結果気づいた欠点を是正することを意味しているので、見落としや誤りがないか再検討しながら見るというニュアンスがあります。

一方、「見返す」は一度見たものをもう一度見ることを意味しており、ただ繰り返し見るだけで見落としや誤りがないか再検討しながら見るというニュアンスがないというのが違いです。

「見直す」と「見返す」の英語表記の違い

「見直す」を英語にすると「reconsider」「review」「reexamine」となり、例えば上記の「その計画は見直す必要があるだろう」を英語にすると「The plan needs to be reexamined」となります。

一方、「見返す」を英語にすると「look again」「return the look」「look over once more」となり、例えば上記の「その写真を念入りに見返す」を英語にすると「I look carefully at the picture again」となります。

「見直す」の意味

「見直す」とは

「見直す」とは、もう一度改めて見ることを意味しています。その他にも、それまでの認識を改めることの意味も持っています。

表現方法は「人を見直す」「自分を見直す」

「人を見直す」「自分を見直す」などが、「見直す」を使った一般的な言い回しになります。

「見直す」の使い方

「提出前に作成したレポートを見直す」「仕事の進め方を見直すことにしました」などの文中で使われている「見直す」は、「もう一度改めて見ること」の意味で使われています。

一方、「今回の一件で新しい社長を見直す」「海外に行って日本の良さを見直す」などの文中で使われている「見直す」は、「それまでの認識を改めること」の意味で使われています。

「見直す」はもう一度改めて見ることと、それまでの認識を改めることの意味の意味を持つ動詞です。

もう一度改めて見ることの意味は、ただ改めて見るのではなく、見落としや誤りがないか、再検討しながら見るというニュアンスがあります。

また、それまでの認識を改めることの意味は、「自分が住んでいる町の良さを見直す」「あなたを見直すことにしました」などのように、今まで気がつかなかった良さをみつけて改めて価値を認めるという使い方をします。

「見直す」の特徴

「見直す」はビジネスシーンや日常生活など、様々な場面で使うことができる言葉です。

「見直す」の類語

「見直す」の類語・類義語としては、もう一度検討しなおすことを意味する「再検討」、調べ直すことを意味する「再調」などがあります。

「見返す」の意味

「見返す」とは

「見返す」とは、一度見たものをもう一度見ることを意味しています。

その他にも、後ろを振り返って見ること、相手からの視線に対してそれを外さないように相手を見ること、昔受けた侮りや辱めに対する仕返しとして相手をしのぐ状態にある自分を誇示することの意味も持っています。

表現方法は「映画を見返す」「人を見返す」「動画を見返す」

「映画を見返す」「人を見返す」「動画を見返す」「写真を見返す」などが、「見返す」を使った一般的な言い回しになります。

「見返す」の使い方

「答案用紙を見返すことにしました」「出世して見返すつもりです」などの文中で使われている「見返す」は、「一度見たものをもう一度見ることや昔受けた侮りや辱めに対する仕返しとして相手をしのぐ状態にある自分を誇示すること」の意味で使われています。

一方、「こちらも負けずに相手を見返す」「見返す顔に涙が溢れていました」などの文中で使われている「見返す」は、「相手からの視線に対してそれを外さないように相手を見ることや後ろを振り返って見ること」の意味で使われています。

「見返す」は複数の意味を持つ動詞ですが、どの意味でも使われています。また、意味によって使い方が異なっているので、きちんと使い分けるようにしましょう。

「見返す」は「いじめた人を見返す」「振った彼女を見返す」などのように、過去に屈辱を受けた相手に対して前より成長した自分を誇らしげにアピールするというニュアンスでもよく使われています。

「見返す」の特徴

「見返す」はビジネスシーンや日常生活など、様々な場面で使うことができる言葉です。

「見返す」の類語

「見返す」の類語・類義語としては、過ぎ去った事柄を思い出すことを意味する「振り返る」、顔やからだを後方へ向けることを意味する「振り向く」、過ぎ去った事を思い起こすことを意味する「顧みる」などがあります。

「見直す」の例文

1.違った角度から何度も見直すことで、間違いに気付くこともあります。
2.自分の答えに間違いがないか、答案用紙をもう一度見直す。
3.このままでは倒産する恐れがあるので、経営方針を見直すことにしました。
4.試合に出たいのであれば、素行を見直す必要があると思いますよ。
5.今回思い切った政策を実行したので、新しい総理大臣を見直しました。

この言葉がよく使われる場面としては、もう一度改めて見ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、それまでの認識を改めることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3はもう一度改めて見ること、例文4と例文5はそれまでの認識を改めることの意味で使っています。

「見返す」の例文

1.配られた資料をもう一度見返すことで、頭に内容を叩き込む。
2.自分の名前を呼ばれた気がしたので、声をした方に見返す。
3.相手がメンチを切ってきたので、こちらも負けずに相手を見返す。
4.私を捨てた彼氏を見返すために、美人になる努力しました。
5.私をいじめた人を見返すために、勉強を頑張って良い大学に入ることを決めました。

この言葉がよく使われる場面としては、一度見たものをもう一度見ることを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、後ろを振り返って見ること、相手からの視線に対してそれを外さないように相手を見ること、昔受けた侮りや辱めに対する仕返しとして相手をしのぐ状態にある自分を誇示することを表現したい時にも使います。

例文1は一度見たものをもう一度見ること、例文2は後ろを振り返って見ること、例文3は相手からの視線に対してそれを外さないように相手を見ること、例文4と例文5は昔受けた侮りや辱めに対する仕返しとして相手をしのぐ状態にある自分を誇示することの意味で使っています。

「見直す」と「見返す」はどちらももう一度注意しながら見ることを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、見落としや誤りがないか再検討しながら見るというニュアンスがあるのが「見直す」、見落としや誤りがないか再検討しながら見るというニュアンスがないのが「見返す」と覚えておきましょう。

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