似た日本語の「清濁併せ持つ」(読み方:せいだくあわせもつ)と「清濁併せ呑む」(読み方:せいだくあわせのむ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」の違い
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」の意味の違い
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」の違いを分かりやすく言うと、「清濁併せ持つ」とは善と悪両方の性質を持っていること、「清濁併せ呑む」とは心が広くて善でも悪でも分け隔てなく受け入れることという違いです。
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」の使い方の違い
一つ目の「清濁併せ持つ」を使った分かりやすい例としては、「彼は清濁併せ持っている人です」「清濁併せ持つ政治家を支持していいのか迷っている」「彼女を清濁併せ持つ人なのであまり近寄りたくない」などがあります。
二つ目の「清濁併せ呑む」を使った分かりやすい例としては、「清濁併せ呑むくらいでないと大企業の社長は務まらないだろう」「清濁併せ呑むことはそう簡単にはできません」などがあります。
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」の使い分け方
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」は、似た日本語であるものの意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。
「清濁併せ持つ」は「彼女は清濁併せ持つ人だ」のように使い、善と悪両方の性質を持っていることを意味しています。
一方、「清濁併せ呑む」は「私たちの社長はやる気さえあれば元犯罪者でも受け入れる清濁併せ呑む人です」のように使い、心が広くて善でも悪でも分け隔てなく受け入れることの意味で使う言葉です。
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」の英語表記の違い
「清濁併せ持つ」は日本語のことわざなので直訳した英語はありませんが、近い表現として寛容であることを意味する「be tolerant」があります。また、「清濁併せ呑む」も日本語のことわざなので直訳した英語はありません。
「清濁併せ持つ」の意味
「清濁併せ持つ」とは
「清濁併せ持つ」とは、善と悪両方の性質を持っていることを意味しています。
「清濁併せ持つ」の読み方
「清濁併せ持つ」の読み方は「せいだくあわせもつ」です。誤って「せいじょくあわせもつ」と読まないようにしましょう。
表現方法は「清濁併せ持つ人」
「清濁併せ持つ人」が、「清濁併せ持つ」を使った一般的な言い回しになります。
「清濁併せ持つ」の使い方
「清濁併せ持つ」を使った分かりやすい例としては、「彼女は清濁併せ持っている人でだ」「清濁併せ持つ人は逆に人間らしいと言える」「彼は清濁持つ人で何を考えているか分かりません」などがあります。
「清濁併せ持つ」は善と悪のことを意味する「清濁」に、異なる性質を同時に持つことを意味する「併せ持つ」が合わさり、善と悪両方の性質を持っていることの意味で使われている言葉です。
「清濁併せ持つ」は人に対して使う言葉ですが、あまり使用されていない日本語なので馴染みがない人も多いでしょう。
「清濁併せ持つ」の類語
「清濁併せ持つ」の類語・類義語としては、二つ以上のものを合わせ持っていることを意味する「兼ね備える」があります。
「清濁併せ呑む」の意味
「清濁併せ呑む」とは
「清濁併せ呑む」とは、心が広くて善でも悪でも分け隔てなく受け入れることを意味しています。
「清濁併せ呑む」の読み方
「清濁併せ呑む」の読み方は「せいだくあわせのむ」です。誤って「せいじょくあわせのむ」と読まないようにしましょう。また、「清濁併せ呑む」の漢字に「合わせ」や「飲む」とするのは間違いなので注意が必要です。
表現方法は「清濁併せ呑む人」「清濁併せ呑むもよろしい」「清濁併せ呑む心」
「清濁併せ呑む人」「清濁併せ呑むもよろしい」「清濁併せ呑む心」「清濁併せの呑む性格」などが、「清濁併せ呑む」を使った一般的な言い回しになります。
「清濁併せ呑む」の使い方
「清濁併せ呑む」を使った分かりやすい例としては、「彼は清濁併せ呑む性格なのでみんなから好かれている」「人の上に立つには清濁併せ呑む器量が必要だろう」「もう少し清濁併せ呑むことができるようになりたいです」などがあります。
「清濁併せ呑む」は政治家、経営者、リーダーに使う
「清濁併せ呑む」は政治家、経営者、リーダーなどの人の上に立つ人物に対して使うのが一般的です。また、度量の大きさを褒める場合にのみ使うので、プラスのイメージで持つ言葉になります。
「清濁併せ呑む」の由来
「清濁併せ呑む」の由来は、海は清流も濁流も区別しないで全てを受け入れてしまう広さがあることです。海は水が綺麗か否かで選別することはなく、綺麗な川の清流と、激しく流れる濁った濁流どちらでも受け入れます。
このことが転じて、度量が大きく心が広くて善でも悪でも分け隔てなく受け入れることを「清濁併せ呑む」と言うようになりました。
「清濁併せ呑む」の類語
「清濁併せ呑む」の類語・類義語としては、心を寄せて近づいて来る者はどんな者でも受け入れることを意味する「来る者は拒まず」、度量が大きく思いやりがあって無闇に人を責めないことを意味する「寛大な」などがあります。
「清濁併せ持つ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、善と悪両方の性質を持っていることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「清濁併せ持つ」は人に対してのみ使う言葉になります。
「清濁併せ呑む」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心が広くて善でも悪でも分け隔てなく受け入れることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「清濁併せ呑む」はプラスのイメージで使う言葉です。
「清濁併せ持つ」と「清濁併せ呑む」は似た日本語ですが、意味は異なっています。「清濁併せ持つ」は善と悪両方の性質を持っていること、「清濁併せ呑む」は心が広くて善でも悪でも分け隔てなく受け入れることと覚えておきましょう。