似た意味を持つ「供物」(読み方:くもつ)と「供花」(読み方:きょうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「供物」と「供花」という言葉は、どちらも「故人にお供えする物」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
供物と供花の違い
供物と供花の意味の違い
供物と供花の違いを分かりやすく言うと、供物とは葬式でお供えする品物全般を表し、供花とは葬式でお供えする花のみを表すという違いです。
供物と供花の使い方の違い
一つ目の供物を使った分かりやすい例としては、「供物を盛る器を多めに用意する」「供物用におすすめの和菓子はありますか」「供物をいただいた方にお礼状を出す」「供物料の書き方を教えてください」などがあります。
二つ目の供花を使った分かりやすい例としては、「供花台をきれいに磨きました」「葬儀に間に合うよう取り急ぎ供花を手配する」「供花の名札の書き方について調べる」「供花を贈る時のマナーや注意点はありますか」などがあります。
供物と供花の使い分け方
供物と供花という言葉は、どちらも通夜や葬式などで使われ、仏様に供える品物を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
供物とは、お葬式や法要の際に、故人に対して供える飲食物や物品を総称したものです。仏教においては「香」「花」「灯明」「水」「飲食」の5種類が基本の供物とされていますが、現代では、日持ちするものや消費できるものが良いとされています。
供花とは、通夜や告別式などの葬儀で故人に供える花のことです。供花は故人に対する哀悼の意を表すものです。白を基調とした花が供花に選ばれることが多くありますが、最近では故人の好みを尊重したお花を捧げるケースも見られます。
つまり、供物は故人への弔意を表すために葬式で供える品物全般を表しますが、その中でも花を供えることを供花と言います。何をお供えするかによって、言葉を使い分ける必要があることに注意しましょう。
供物と供花の英語表記の違い
供物を英語にすると「offering」「sacrifice」「oblation」となり、例えば上記の「供物を盛る器」を英語にすると「a bowl in which to put an offering」となります。
一方、供花を英語にすると「offering of flowers」「floral tribute」となり、例えば上記の「供花台」を英語にすると「flower offering table」となります。
供物の意味
供物とは
供物とは、神仏に供える物、供養物を意味しています。
供物の読み方
供物の読み方は「くもつ」の他に「ぐもつ」とも読みますが、一般的には「くもつ」と読まれています。
供物の使い方
供物を使った分かりやすい例としては、「供物に果物のかご盛りを選びました」「供物用にのし紙を用意しました」「御供物料の相場はどれぐらいですか」「供物や供花を辞退する場合もあります」などがあります。
その他にも、「供物はどこで買うのがよいのだろう」「供物のお返しの相場はどれぐらいでしょうか」「ニトリで折りたたみ式の供物台を購入する」「故人が好きだったお菓子を供物にしました」などがあります。
供物とは、仏様や神様に供える物であり、お葬式や法要に際して故人の供養や遺族への弔意を表すために贈るものです。宗教や地域にもよりますが、法要では果物や菓子あるいは線香などが供物の定番です。また、日常的に仏壇にお供えしている水や花も供物と言います。
「御供物料」の意味
供物を用いた日本語には「御供物料」があります。お供物料とは、法事や法要の際に供物に代えて渡すお金のことです。もともとは、ロウソクやフルーツなどを供物として持っていくことが主流でしたが、近年ではお供え物の代わり御供物料を渡すのが一般的となっています。
供物の類語
供物の類語・類義語としては、金や花など神仏に供える物を意味する「お供え」、神仏に供える供物を意味する「盛り物」、神仏や貴人にささげる物を意味する「捧げ物」などがあります。
供花の意味
供花とは
供花とは、仏または死者に花を供えること、その花を意味しています。
その他にも、「供花会の略」の意味も持っています。
供花は「供華」とも書きますが、供花と書かれることが多くあります。
供花の読み方
供花の読み方には、「きょうか」「くげ」「くうげ」と複数ありますが、「きょうか」と読まれることが一般的です。
供花の使い方
「供花の相場を教えてください」「供花料をお渡しする」「供花代を用意していた封筒に入れました」「供花代の勘定科目は何ですか」「供花のお礼に関する決まりはありません」などの文中で使われている供花は、「仏に花を供えること」の意味で使われています。
一方、「3月に供花が行われる予定です」「京都六条長講堂で供花が行われました」「供花を執り行う」などの文中で使われている供花は、「供花会の略」の意味で使われています。
供花とは、故人に供える花のことです。供花には死者の霊を慰めると同時に祭壇や会場を飾る意味があり、故人と親しかった友人や親族、遠方で会葬できなかった人から贈られるものです。供花に最も使われている花は、菊です。菊の花は長持ちして枯れづらく、また、邪気を払うとされています。
「供花料」の意味
供花を用いた日本語には「供花料」があります。供花料とは、供花の代わりにお渡しするお金のことです。北海道地方に多い習慣であり、表書きには「御花代」または「御花料」と書くことが決まりになっています。
供花の類語
供花の類語・類義語としては、神前または霊前に花を供えることを意味する「献花」、慶弔などの意を表す生花や造花を輪に作ったものを意味する「花輪」、葬式などで死者を弔うためにおくる生花や花輪を意味する「弔花」、仏壇に供える花や墓参の際に供える花を意味する「仏花」などがあります。
供物の例文
この言葉がよく使われる場面としては、神や仏に供える飲食物その他の物品を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「お供え物」と「供物」に違いはなく、どちらも食品や花などの神仏に供える物を意味します。
供花の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仏または死者に花を供えること、供花会の略を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、供花とは葬儀や告別式の会場に供える花のことです。個人で贈る場合もあれば、会社の職場一同や親族一同で贈ることもあります。
供物と供花という言葉は、どちらも「仏様にお供えする物」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、仏様にお供えする品物を表現したい時は「供物」を、仏様にお供えする花を表現したい時は「供花」を使うようにしましょう。