似た意味を持つ「ありえる」と「ありうる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ありえる」と「ありうる」という言葉は、どちらも起こる可能性があることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ありえる」と「ありうる」の違い
「ありえる」と「ありうる」の意味の違い
「ありえる」と「ありうる」の違いを分かりやすく言うと、「ありえる」とは口語として使われている表現、「ありうる」とは文語として使われている表現という違いです。
「ありえる」と「ありうる」の使い方の違い
一つ目の「ありえる」を使った分かりやすい例としては、「私がメンバーに選ばれないなんてそんなことありえるはずがない」「このままいけば優勝することもありえる」「これは十分ありえる話です」などがあります。
二つ目の「ありうる」を使った分かりやすい例としては、「この計画は実現することもありうる」「救急隊が到着したもののすでに手遅れということもありうる」「このまま行くと日本が沈没する可能性もありうる」「そいつは十分にありうる話です」などがあります。
「ありえる」と「ありうる」の使い分け方
「ありえる」と「ありうる」はどちらも起こる可能性があることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ありえる」と「ありうる」はどちらの言葉も使われていますが、本来は「ありうる」が正しい日本語になります。「ありうる」を漢字表記にすると「あり得る」となり、「得る」という漢字は「える」と読むこともできるため、「ありえる」と読む人が増えてきました。
したがって、話し言葉として使う場合は発音がしやすい「ありえる」を、書き言葉として使う場合は「ありうる」を使うと覚えておきましょう。ただし、正しい日本語は「ありうる」なので、公共の場や会議などの改まった場面では「ありうる」の方を使うのが適しています。
もし、どちらの言葉を使えばいいか分からない場合は、漢字表記の「あり得る」を使えば間違えることないでしょう。
「ありえる」と「ありうる」の英語表記の違い
「ありえる」も「ありうる」も英語にすると「possible」となり、例えば上記の「そいつは十分にありうる話です」を英語にすると「That story sounds possible」となります。
「ありえる」の意味
「ありえる」とは
「ありえる」とは、起こる可能性があることを意味しています。
「ありえる」の漢字表記
「ありえる」を漢字にすると、「有り得る」や「あり得る」と表記することができます。
「ありえる」の使い方
「ありえる」を使った分かりやすい例としては、「一目惚れなんて本当にありえるのだろうか」「移籍することもありえると彼はインタビューで答えました」「どんなに凄い人でも失敗することはありえる」「今から話すことは実際にありえる話です」などがあります。
「ありえる」は起こる可能性があることを意味する話し言葉です。「ありえる」は辞書に載っていない言葉なので正しい日本語ではないのですが、広く一般的に使われているため認められつつあります。また、一部の辞書では「ありえる」が表記されているのも事実です。
ただし、新聞、公共の場、会議などの改まった場面ではまだ認められていないので、正しい日本語である「ありうる」の方が適しているでしょう。反対に、SNS上や会話などのくだけた場面では「ありえる」を使っても問題ありません。
「ありえる」の類語
「ありえる」の類語・類義語としては、断定はできないがその可能性があることを意味する「かもしれない」、全くないというわけではないことを意味する「無くもない」などがあります。
「ありうる」の意味
「ありうる」とは
「ありうる」とは、起こる可能性があることを意味しています。
「ありうる」の漢字表記
「ありうる」を漢字にすると、「有り得る」や「あり得る」と表記することができます。
「ありうる」を使った分かりやすい例としては、「彼ならワールドカップで得点王になることもありうる」「雪が積もっているので今日中に荷物が届かないことありうる」「このままだと無観客開催のありうるだろう」などがあります。
「ありうる」は起こる可能性があることを意味する書き言葉です。また、「ありうる」は辞書に載っている正しい日本語になります。ただし、SNS上や会話などのくだけた場面では、口語として使いやすい「ありえる」の方を使う人が多いのが現実です。
そのため、「ありうる」は主に新聞、公共の場、会議などの改まった場面で使う言葉と覚えておきましょう。
「ありうる」の類語
「ありうる」の類語・類義語としては、物事が実現できる見込みがあること意味する「可能性がある」、外からは見えない状態で存在することを意味する「潜在的」、できないことではないことを意味する「不可能ではない」などがあります。
「ありえる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、起こる可能性があることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ありえる」は口語として使うのが一般的です。
「ありうる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、起こる可能性があることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ありうる」は口語として使うのが一般的です。
「ありえる」と「ありうる」はどちらも起こる可能性があることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、口語として使う時は「ありえる」を、文語として使う時は「ありうる」を使うと覚えておきましょう。