似た意味を持つ「等々」(読み方:とうとう)と「等」(読み方:とう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「等々」と「等」という言葉は、どちらも「同類のものが他にあること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
等々と等の違い
等々と等の意味の違い
等々と等の違いを分かりやすく言うと、等々とは等の強調表現であるという違いです。
等々と等の使い方の違い
一つ目の等々を使った分かりやすい例としては、「介護を引き継ぐにあたって記録の方法等々を教えてください」「不動産の管理や売却等々ぜひ一度ご相談ください」「火起こしや薪割り等々を体験できる野外教室です」などがあります。
二つ目の等を使った分かりやすい例としては、「G7広島サミット等に伴い水際対策を強化します」「キャンペーン中は県在住者を対象に入館割引等を実施する」「宝くじの1等が当たる確率は限りなく低い」などがあります。
等々と等の使い分け方
等々と等という言葉は、どちらも名詞などに付いて、それらの類が他にまだあることや、それらを省略して例示することを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
等々とは、「等」を繰り返して強めていうものであり、同種類のものがまだ多くあることを意味する言葉です。上記の「火起こしや薪割り等々」は、火おこしや薪割りの他にも多くの体験ができることを表します。
等とは、「入館割引等」のような使い方で、同種のものを並べて、その他にもまだあることを意味します。また、「宝くじの1等」のような使い方で、助数詞として階級や順位を数えるのに用いられている接尾語です。
つまり、等々と等の違いは大きく二つあります。一つは、等々は同類のものがあることを表す「等」の強調表現であることです。もう一つは、等は助数詞として用いられますが、等々にはこの働きがありません。これらが、等々と等という言葉の明確な違いになります。
等々と等の英語表記の違い
等々も等も英語にすると「and so on」「etcetera」「etc.」となり、例えば上記の「記録の方法等々」を英語にすると「method of recording, etc」となります。
等々の意味
等々とは
等々とは、いくつかの語を並べたものに付いて、それらの類が他にまだ多くあること、また、それらを省略して例示することを意味しています。
等々の読み方
等々は「等等」とも書きますが、「等々」と表記されることが一般的です。「々」(読み方:のま)は踊り字の一種で、直前の漢字の繰り返しを示す符号です。
等々の読み方は「とうとう」です。「などなど」と読まれることもありますが、等を「など」と読むことは常用漢字表に載っていない表外読みです。常用漢字表に従えば、「とうとう」と読むことが正しいことを覚えておきましょう。
等々の使い方
等々を使った分かりやすい例としては、「マーケティング戦略等々を立案する」「これまでのビジネスモデル等々を検証すべきです」「環境問題への対応等々を議論する」「納入先は官公庁や一般企業等々ございます」などがあります。
その他にも、「音楽のみならずダンス等々の総合的な活動を行う」「英語、中国語、スペイン語等々多くの言語から選択できます」「ナイキ・アディダス・ニューバランス等々のスニーカーが大量入荷しました」などがあります。
等々とは、接尾語「等」を繰り返して意味を強めた表現です。主に名詞について、同類のものが他にもたくさんあることを意味します。また、それらを省略して例示する意を示す言葉です。上記の「英語、中国語、スペイン語等々」は、他にドイツ語や韓国語などの多くの言語があることを表しています。
等々という言葉は、「ついに」を意味する「とうとう」と混同されることがあるので注意が必要です。「ついに」を意味する「とうとう」は、物事が最終的にそうなるさまを表す副詞であり、「等々」とは用法が全く異なります。
等々の対義語
等々の対義語・反対語としては、ある一つの事柄や状態に限定することを意味する「のみ」などがあります。
等々の類語
等々の類語・類義語としては、 引用した文や語句のあとを省略することを意味する「云々」(読み方:うんぬん)、前に述べたものの他のものを意味する「その他」、そのほかを意味する「自余」、そのほかやそれ以外を意味する「余」などがあります。
等の意味
h3>等とは
等とは、同種のものを並べて、その他にもまだあることを表す、などを意味しています。
その他にも、「階級や順位を数えるのに用いる助数詞」の意味も持っています。
等の読み方
等の読み方は、音読みで「とう」です。訓読みでは「ひとしい」「など」「ら」と読みますが、これらのなかで「など」と「ら」は常用漢字表にない読みとなっており、「など」「ら」と読ませたい場合は、漢字ではなく平仮名で表記することが慣例となっています。
等の使い方
「e-Taxを利用して申告や納税等を行う」「契約書等のビジネス文書を英語翻訳いたします」「料金やスケジュール等は調整中です」などの文中で使われている等は、「同種のものを並べて、その他にもまだあること」の意味で使われています。
一方、「年末ジャンボ宝くじの一等前後賞はいくらですか」「福引きで三等が当たった」「兄弟姉妹は二親等にあたります」などの文中で使われている等は、「階級や順位を数えるのに用いる助数詞」の意味で使われています。
等とは、主に名詞に付く接尾語として、二つの用法があります。一つは、同種のものを並べて他にもまだあることを意味する用法、もう一つは、階級や順位を数えるのに用いる助数詞としての用法です。どちらの意味でも使用されているので、文脈により意味を捉えるようにしましょう。
「一等親」の意味
「等」を用いた日本語には、「一等親」(読み方:いっとうしん)があります。一等親とは、親等の一つです。親族関係の隔たりが本人から数えて一世であるものを意味し、父母、養父母、子、養子を指します。「一親等」とも言います。
等の対義語
等の対義語・反対語としては、範囲を限定することを意味する「だけ」などがあります。
等の類語
等の類語・類義語としては、 事物や動作・作用を例示的に列挙することを意味する「とか」、人を表す名詞や代名詞に付いて複数であることを意味する「達」、人を表す名詞に付いて複数であることを表すを意味する「共」、その他いろいろを意味する「エトセトラ」などがあります。
等々の例文
この言葉がよく使われる場面としては、それらの類が他にまだ多くあること、それらを省略して例示することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、等々という言葉は、名詞や名詞に準ずる語句について、例として挙げたもの以外に同じ種類のものがまだ多くあることを表します。
等の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を列挙する際にその一部だけを示して他を省略すること、階級や順位を数えるのに用いることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある「等」は、一部だけを示して他を省略することの意味で用いられています。例文5の「等」は、階級や順位を数えるのに用いる助数詞として使用されています。
等々と等という言葉は、どちらも「それらの類が他にあること」を表す接尾語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、それらの類が他にまだ多くあることを強調して表現したい時は「等々」を使うようにしましょう。