似た意味を持つ「悠々自適」(読み方:ゆうゆうじてき)と「悠悠閑閑」(読み方:ゆうゆうかんかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「悠々自適」と「悠悠閑閑」という言葉は、どちらも「ゆったりとしている様子」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
悠々自適と悠悠閑閑の違い
悠々自適と悠悠閑閑の意味の違い
悠々自適と悠悠閑閑の違いを分かりやすく言うと、悠々自適とはゆったりとした暮らし方のみを表し、悠悠閑閑とは暮らし方だけでなく心構えや環境なども表すという違いです。
悠々自適と悠悠閑閑の使い方の違い
一つ目の悠々自適を使った分かりやすい例としては、「退職後は田舎で悠々自適の生活を送りたい」「悠々自適な生活をブログに綴っています」「悠々自適な老後を送る人が羨ましい」「独身生活は悠々自適です」などがあります。
二つ目の悠悠閑閑を使った分かりやすい例としては、「これからは悠々閑々たる余生を送りたい」「取り乱すことなく悠悠閑閑としていた」「どうすれば悠悠閑閑とした人になれるだろう」「悠悠閑閑とした大自然に感動しました」などがあります。
悠々自適と悠悠閑閑の使い分け方
悠々自適と悠悠閑閑という言葉は、どちらも落ち着いていてゆったりとしている様子を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
悠々自適とは、世間のことに煩わされず、心の赴くままにゆったりと過ごすことを意味します。「悠々自適の生活」「悠々自適な老後」のような使い方で、ゆったりとした暮らしぶりや日々の過ごし方を表す言葉です。主に、定年退職後の落ち着いた生活を表現する時に使われています。
悠悠閑閑とは、呑気でゆっくりしている様子を意味します。ゆったりとした過ごし方だけでなく、「悠悠閑閑とした人」「悠悠閑閑とした大自然」のように、ゆったりとした人の心の持ち方や、悠然とした環境などに対しても使われています。
つまり、悠々自適はゆったりとした暮らし方のみを表しますが、悠悠閑閑は暮らし方だけでなく、心構えや環境など幅広く表す言葉なのです。この点が、悠々自適と悠悠閑閑という言葉の明確な違いになります。
悠々自適と悠悠閑閑の英語表記の違い
悠々自適を英語にすると「at rest」「untroubled」「free from worldly cares」となり、例えば上記の「悠々自適の生活を送る」を英語にすると「live free from worldly cares」となります。
一方、悠悠閑閑を英語にすると「composed and unhurried」「leisurely and quiet」「in indolence」となり、例えば上記の「悠々閑々たる余生」を英語にすると「leisurely and quiet life」となります。
悠々自適の意味
悠々自適とは
悠々自適とは、のんびりと心静かに、思うまま過ごすことを意味しています。
悠々自適の読み方
悠々自適の読み方は「ゆうゆうじてき」です。誤って「ゆゆじてき」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「悠々自適に過ごす」「悠々自適な生活」「悠々自適な人」
「悠々自適に過ごす」「悠々自適な生活」「悠々自適な人」などが、悠々自適を使った一般的な言い回しです。
悠々自適の使い方
悠々自適を使った分かりやすい例としては、「リタイア後は山村で悠々自適に過ごすつもりだ」「地方での悠々自適な生活に憧れています」「悠々自適な人がする行動にはある共通点があります」などがあります。
その他にも、「こんな年金では悠々自適に暮らすなんて夢のまた夢です」「時には英語圏を旅しながら悠々自適に過ごしています」「悠々自適な老後のためにお金の使い方に気を付けている」などがあります。
悠々自適の由来
悠々自適という言葉の由来は、「悠々」と「自適」の二つの熟語にあります。「悠々」は落ち着いてゆったりとしたさま、「自適」は心の赴くままにのびのびと楽しむことを表します。悠々自適とは、世間に煩わされず自分の思いのままに暮らすことを意味する四字熟語です。「優遊自適」とも書きます。
悠々自適の対義語
悠々自適の対義語・反対語としては、仕事が多くて非常に忙しいさまを意味する「多事多端」、貧乏で生活に追われ少しも時間のゆとりがないことを意味する「貧乏暇無し」などがあります。
悠々自適の類語
悠々自適の類語・類義語としては、自然に囲まれた環境で質素に暮らすことを意味する「採薪汲水」、俗事を離れ自然に親しみ悠々自適の生活を送ることを意味する「一竿風月」、世俗から離れた悠々自適の生活を送ることを意味する「晴耕雨読」などがあります。
悠悠閑閑の意味
悠悠閑閑とは
悠悠閑閑とは、ゆったりして気長に構え、のんびりするさまを意味しています。
悠悠閑閑の使い方
悠悠閑閑を使った分かりやすい例としては、「定年後は毎日を悠悠閑閑と過ごしています」「向河原には悠悠閑閑とした雰囲気があります」「悠悠閑閑と悠々自適な暮らしがしたい」「悠悠閑閑とした自然が好きです」などがあります。
その他にも、「あくせくせずに悠悠閑閑と生きる」「前途遼遠な道のりだが悠悠閑閑に対処したい」「悠悠閑閑な日々をブログに綴っています」「困難な時代を悠悠閑閑と生き抜きたい」などがあります。
「悠悠閑閑」は「悠悠緩緩」「優優簡簡」「優優閑閑」「優優寛寛」とも書きますが、「悠悠閑閑」と表記されることが一般的です。
悠悠閑閑とは、気長にのんびりとしていること、ゆっくりと落ち着いているさまを意味する四字熟語です。「悠悠」は落ち着いてのんびりしたさま、「閑閑」は静かに落ち着いているさまを表します。緊迫感がなくゆったりしている様子を表現するプラスイメージの言葉です。
悠悠閑閑の対義語
悠悠閑閑の対義語・反対語としては、恐れてびくびくするさまを意味する「戦々恐々」、あまりにも事件が多く困難が絶えないさまを意味する「多事多難」などがあります。
悠悠閑閑の類語
悠悠閑閑の類語・類義語としては、ゆったりと落ち着きはらったさまを意味する「余裕綽綽」、ゆったりとした心のままに学問や芸術を深く味わうことを意味する「優游涵泳」、ゆったりと落ち着いているさまを意味する「悠揚」、物事に動ぜず落ち着いているさまを意味する「悠然」などがあります。
悠々自適の例文
この言葉がよく使われる場面としては、世間のことに煩わされず、自分の思いのままに暮らすことを表現したい時などが挙げられます。
例文5の文中にある「悠々自適の生活」とは、誰にも邪魔されることのない、のんびりとした自由な暮らしのことです。気の向くまま、自分の好きなように暮らす様子を表します。
悠悠閑閑の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ゆったりと落ち着いているさま、呑気に構えるさまを表現したい時などが挙げられます。
悠悠閑閑という言葉は、例文1や例文2のように、人の心の持ち方に対して使われることが多くあります。また、例文3から例文5のように、ゆったりした環境や暮らし方などを表す時にも使われています。
悠々自適と悠悠閑閑という言葉は、どちらも「ゆったりとしている様子」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ゆったりとした暮らしぶりを表現したい時は「悠々自適」を使うようにしましょう。