似た意味を持つ「例を挙げると」(読み方:れいをあげると)と「例えば」(読み方:たとえば)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「例を挙げると」と「例えば」という言葉は、どちらも前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「例を挙げると」と「例えば」の違い
「例を挙げると」と「例えば」の意味の違い
「例を挙げると」と「例えば」の違いを分かりやすく言うと、「例を挙げると」は具体的な例を挙げる場合にしか使えない、「例えば」は具体的な例を挙げる場合だけではなく、例え話に対しても使えるという違いです。
「例を挙げると」と「例えば」の使い方の違い
一つ目の「例を挙げると」を使った分かりやすい例としては、「日本では外国の行事がたくさんあります。例を挙げるとクリスマスやハロウィンです」「偉人の中には貧困から身を立てた者が多いです。例を挙げるとリンカーンです」などがあります。
二つ目の「例えば」を使った分かりやすい例としては、「沖縄のお土産は人気があります。例えばちんすこうです」「私はただ例えばの話をしただけです」「ロマンス語、例えばフランス語、イタリア語、スペイン語などはラテン語に源を発している」などがあります。
「例を挙げると」と「例えば」の使い分け方
「例を挙げると」と「例えば」はどちらも前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「例を挙げると」は「過去問を参考に例を挙げるとこのような答えになります」のように、具体的な例を挙げる場合にしか使うことはできません。
一方、「例えば」は「スポーツ、例えば私はサッカーや野球が好きです」のように、具体的な例を挙げる場合だけではなく、「例えばここが外国ならこの荷物が盗まれていただろう」のように、例え話に対しても使えるというのが違いです。
「例を挙げると」と「例えば」の英語表記の違い
「例を挙げると」も「例えば」も英語にすると「for instance」「for example」「such as」となり、例えば上記の「ロマンス語、例えばフランス語、イタリア語、スペイン語などはラテン語に源を発している」を英語にすると「The Romance languages, such as French, Italian, and Spanish, are descended from Latin」となります。
「例を挙げると」の意味
「例を挙げると」とは
「例を挙げると」とは、前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを意味しています。
「例を上げると」とは誤用
「例を挙げると」を誤って「例を上げると」としないように気をつけましょう。
「例を挙げると」の使い方
「例を挙げると」を使った分かりやすい例としては、「家事と一言で言ってもやることはたくさんあります。例を挙げると、洗濯や皿洗いです」「北海道のお土産は人気があります。例を挙げると白い恋人やじゃがポックルです」などがあります。
「例を挙げると」は他を説明するために同類の中から引いて示すことを意味する「例」に、表し示すことを意味する「挙げる」が合わさり、前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することの意味で使われている言葉です。
「例を挙げると」の注意点
「例を挙げると」を使う上で注意しなければならないのは、具体的な例を挙げる場合にしか使えないという点です。
「例を挙げると」の特徴
「例を挙げると」はビジネスシーンや日常生活など様々な場面で使うことができるというのが特徴です。
「例を挙げると」の類語
「例を挙げると」の類語・類義語としては、例を挙げること意味する「挙例」があります。
「例えば」の意味
「例えば」とは
「例えば」とは、前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを意味しています。その他にも、ある事柄を他の事に例えることやある場合を仮定することの意味も持っています。
「例えば」の使い方
「球技、例えばサッカーやバスケットボールが好きです」「日本では外国から入ってきたお店がたくさんあります。例えばマクドナルドやサブウェイです」などの文中で使われている「例えば」は、「前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明すること」の意味で使われています。
一方、「あなたの勉強は例えば春の雪のようで一向に結果が積み重ならない」「これは例え話なのだがね」などの文中で使われている「例えば」は、「ある事柄を他の事に例えることやある場合を仮定すること」の意味で使われています。
「例えば」は前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明すること、ある事柄を他の事に例えることやある場合を仮定することの複数の意味を持つ副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「例えば」の特徴
「例えば」は具体的な例を挙げる場合だけではなく、例え話に対しても使えるというのが特徴です。特に、相手に説明しようとする気持ちが強い場合によく使われています。
また、「例えば」はビジネスシーンや日常生活など様々な場面で使うことができると覚えておきましょう。
「例えば」の類語
「例えば」の類語・類義語としては、一つの例を挙げることを意味する「一例を挙げると」、具体的な実例のことを意味する「事例」などがあります。
「例を挙げると」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「例を挙げると」は具体的な例を挙げる場合にしか使えない言葉です。
「例えば」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある事柄を他の事に例えることやある場合を仮定することを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明すること、例文4はある事柄を他の事に例えること、例文5はある場合を仮定することの意味で使っています。
「例を挙げると」と「例えば」はどちらも前に述べた事柄に対して具体的な例をあげて説明することを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、具体的な例を挙げる場合にしか使えないのが「例を挙げると」、具体的な例を挙げる場合だけではなく、例え話に対しても使えるのが「例えば」と覚えておきましょう。