【鍛錬】と【訓練】と【修練】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「鍛錬」(読み方:たんれん)と「訓練」(読み方:くんれん)と「修練」(読み方:しゅうれん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「鍛錬」と「訓練」と「修練」という言葉は、ある目的のために鍛えることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




鍛錬と訓練と修練の違い

鍛錬と訓練と修練の意味の違い

鍛錬と訓練と修練の違いを分かりやすく言うと、鍛錬は金属を鍛えることを表現する時に使い、訓練は慣れるまで練習させることを表現する時に使い、修練は心身を鍛えることを表現する時に使うという違いです。

鍛錬と訓練と修練の使い方の違い

鍛錬という言葉は、「身体の鍛錬に努め始めて3年が経つ」「鍛練を重ねた者の心身は並の人より強い」などの使い方で、技芸や心身を強く鍛えることを意味します。

訓練という言葉は、「社会的な知識だけではなく訓練を行う」「組織の中では適度な訓練は必要である」などの使い方で、能力や技能などを継続的に練習させて身に付けさせることを意味します。

修練という言葉は、「長きに渡った修練の末に勝利を手にした」「複雑な修練は負荷が掛かる」などの使い方で、人格や技芸などが向上するよう心身を厳しく鍛えることを意味します。

鍛錬と訓練と修練の使い分け方

鍛練と修練はどちらも心身を厳しく鍛えることを意味する言葉ですが、前者はもともと金属に対して使っていたため物と人に使うことができ、後者は人にのみ使います。

一方、訓練という言葉は、技芸や心身の更なる向上のために鍛えることを意味する鍛練や修練とは異なり、技能などを身に付けるために鍛えることを意味するため、スタートラインが大きく異なります。

そのため、鍛練と修練は、訓練よりも厳しく鍛える時に使われる言葉です。

これらが、鍛錬、訓練、修練の明確な違いです。

鍛錬の意味

鍛錬とは

鍛錬とは、厳しい訓練や修養を積んで技芸や心身を強く鍛えることを意味しています。

鍛錬の読み方

鍛錬は「たんれん」という読み方をし、「鍛練」という表記がされることもありますが、どちらも同じ読み方で、同じ意味です。

表現方法は「鍛錬を積む」「鍛錬を重ねる」「鍛錬を怠る」

「鍛錬を積む」「鍛錬を重ねる」「鍛錬を怠る」などが、鍛錬を使った一般的な言い回しです。

鍛錬の由来

江戸時代の剣豪である宮本武蔵の「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」という『五輪書』に記された言葉が由来となり、「鍛練」という言葉が使われるようになりました。

ですが、もとは金属を打って鍛えることを意味する言葉であり、金属素材を加熱して叩いて成形する加工法を意味する「鍛造」と同じように使われており、この鍛造の技法は紀元前3000年頃の古代エジプトで発見された首飾りによって存在が明確になっています。

そのため、この金属を加工する方法で見られる、何度も素材を叩くことで武具や金物を製造していたことから、宮本武蔵は『五輪書』の言葉を残し、今日に残る「鍛錬」という言葉を生み出したとされています。

鍛錬の類語

鍛錬の類語・類義語としては、鉄などの金属を熱して鍛えることで様々なものを作ることを意味する「鍛冶」(読み方:かじ)、学術や技芸などを学んで身に付けることを意味する「修業」、芸能や武術などを習うことを意味する「稽古」などがあります。

訓練の意味

訓練とは

訓練とは、あることを教え、継続的に練習させ、身に付けさせることを意味しています。

表現方法は「訓練を受ける」「訓練する」「訓練に参加する」

「訓練を受ける」「訓練する」「訓練に参加する」などが、訓練を使った一般的な言い回しです。

訓練を使った言葉として、「教育訓練」「防災訓練」があります。

「教育訓練」の意味

一つ目の「教育訓練」とは、現在や将来にわたって要求される能力を開発するための人材育成方法の一つで、職業教育と職業訓練の合成語です。国や都道府県、民間団体などが設置した施設にて教育や訓練が行われます。

また、雇用の安定と再就職の促進を図るために、教育訓練を受講するにあたって支払った費用の一部が支給されるものを「教育訓練給付金」と言います。

「防災訓練」の意味

二つ目の「防災訓練」とは、災害などに備えた訓練を指す言葉です。想定される災害は水害、火災や地震と様々で、1960年に関東大震災が起きた9月1日を防災の日とし、国を挙げて防災訓練が行われるようになりました。

訓練の対義語

訓練の対義語・反対語としては、練習ではなく本式に事を行うことを意味する「本番」があります。

訓練の類語

訓練の類語・類義語としては、動物を目的に応じて訓練することを意味する「調教」、繰り返して習うことを意味する「温習」、心身などを鍛えて立派なものにすることを意味する「練成」、ある目的に向かって教え導くことを意味する「指導」などがあります。

修練の意味

修練とは

修練とは、人格や技芸などが向上するように心身を厳しく鍛えることを意味しています。

表現方法は「修練に励む」「修練を重ねる」「修練を積む」

「修練に励む」「修練を重ねる」「修練を積む」などが、修練を使った一般的な言い回しです。

修練を使った言葉として、「修練医」「健民修練所」があります。

「修練医」の意味

一つ目の「修練医」とは、2年間以上に渡る臨床研修を修了した後に専門医を目指す医師を指す言葉で、後期研修医と呼ばれる人たちがこれに当たります。

2018年4月以降は、義務である2年以上の臨床研修中である者を研修医と呼び、臨床研修を終えた修練医を専攻医と呼ぶようになりました。

「健民修練所」の意味

二つ目の「健民修練所」とは、国民の体力の管理を目指して国民体力法に基づいて設置された療養施設を指す言葉です。17歳から19歳のすべての男子に対して体力検査を義務付ける法律で、兵役に適しているか否かを検査しました。

太平洋戦争期の大日本帝国にて行われたことから、この検査で要注意者などを確認した場合、修練所に集めて合同の生活教練が施されることとなりました。

修練の類語

修練の類語・類義語としては、学んだ技術などを実地で学ぶことを意味する「実習」、技芸や学問などを鍛え磨くことを意味する「練磨」、知識などをより高度なものにするために努力することを意味する「研磨」などがあります。

鍛錬の例文

1.週に何度かジムに通って鍛錬に勤しんでいたが、最近は仕事が忙しくなかなか時間を取ることができない。
2.鍛錬を重ねるようになってから、自身の生活習慣を見直して健康に目を向けることができるようになった。
3.「才のある者は鍛錬を怠る、うぬぼれる、しかし才がない者は日々努力する」という格言は織田信長が残したとされる言葉である。
4.わたしがスポーツや筋トレをはじめたのは肉体の鍛錬というのは同時に精神の鍛練にもつながるので、これは一石二鳥ではないかと気づいたことからであった。
5.力というのは毎日の地道な努力と鍛錬によってつくものであるから、一日でもさぼってしまえば力が絶対につかないどころか衰えてしまうのだ。
6.学問による鍛錬の道は険しくそして厳しいものであったが、それだけやりがいのある仕事であり、一生続けていけるという確信を持てたのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、厳しい訓練や修養を積んで技芸や心身を強く鍛えることを意味する時などが挙げられます。

例文3は、生まれつきの才能に頼って鍛錬を怠ると、いつの間にか他の人より劣ってしまうことを意味する言葉です。

訓練の例文

1.訓練とは言えど真剣に臨まなければ、いざという時に求められる行動が取れるとは思えない。
2.より良いパフォーマンスを行うために厳しい訓練を重ねる。
3.宇宙飛行士など特別な訓練を受けなければ、なることができない職業はいくつもある。
4.我が校では大規模な災害が起こった場合に備え、毎月5日に避難訓練を行っている。
5.小学校の防災訓練では、校長先生の総括で何年何組は一番遅かったからもし本当に災害が起きていたら死んでいたかもしれないと説教をされるのがお約束であった。
6.社内のスピーカーから緊急地震速報が流れて騒然となったが、どうやら不定期で行われる訓練放送のようで皆ホッとしていたが、地震はこうやって突然起こるものなのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、能力や技能などを身に付けさせるための活動を意味する時などが挙げられます。

他にも「訓練を重ねる」「訓練を行う」「訓練を経て」「訓練をする」などの表現をすることができます。

修練の例文

1.幼い頃から取り組んできたからと言って修練に励まなければ周りに置いていかれるだろう。
2.何事も一度に全てやり切るのではなく、こつこつと修練を積む方が大切であると思う。
3.体育館は放課後になると、学生が部活動で様々なスポーツや武道などを修練する場所になる。
4.学問にせよ、スポーツにせよ、なにをするにも修練がないところに成果はないのだから、いかにしてそれを成し遂げるかということだけに集中すべきだろう。
5.短歌というのはただ単に31の文字を並べるだけの簡単なものに思われるかもしれないが、実際のところ日々の修練があってこその世界なのである。
6.プロゲーマーへの道は通常の遊びとはまったく違う修練の道であり、0コンマ数秒の判断ミスがすべての勝敗を決めてしまう過酷な世界なのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、人格、学問、技芸などの向上のために心身を厳しく鍛えることを意味する時などが挙げられます。

他にも「修練を重ねる」「修練を続ける」「長年の修練」「修練の末」などの表現をすることもできます。

鍛錬と訓練と修練どれを使うか迷った場合は、金属を鍛えることを表す場合は「鍛錬」を、慣れるまで練習させることを表す場合は「訓練」を、心身を鍛えることを表す場合は「修練」を使うと覚えておけば間違いありません。

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