【掲載】と【掲示】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「掲載」(読み方:けいさい)と「掲示」(読み方:けいじ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「掲載」と「掲示」という言葉は、文字や図などの情報を伝えることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




掲載と掲示の違い

掲載と掲示の意味の違い

掲載と掲示の違いを分かりやすく言うと、掲載は本や新聞などに載せることを表現する時に使い、掲示は人目に付くようにして知らせることを表現する時に使うという違いです。

掲載と掲示の使い方の違い

一つ目の掲載を使った分かりやすい例としては、「先日近所で起きた事故に関する記事が掲載された」「先週から雑誌に掲載され始めたマンガはすぐに有名になった」「掲載事業でより地域経済が活発になるよう願う」などがあります。

二つ目の掲示を使った分かりやすい例としては、「掲示板を見てみると避難訓練の日時に関しての貼り紙があった」「文化祭のポスターが校内にたくさん掲示され始めた」「掲示物に承認印を押さなければ貼りだすことができないらしい」などがあります。

掲載と掲示の使い分け方

掲載と掲示はどちらの言葉も、何かを伝えるために文章などで示すことを意味しますが、どこに示すかが若干異なります。

掲載の載という漢字は書物などに書き記すことを意味するため、掲載という言葉は新聞や雑誌などにおいて文字や図で伝える手段を取る場合に使われています。

一方の掲示は、掲示の示という漢字が相手に分かるように何かを出すことを意味するため、不特定多数の人の目に触れるように示す場合に使われています。

つまり、掲載は本や新聞などを読んだ人に向けて情報を伝えるのに対して、掲示はより人目に付く場所に情報を掲げて情報を受け取る対象は限定しません。このことから、掲載よりも掲示という言葉が使われている方が、より知らせる必要がある情報と言えます。

また、掲示という言葉は掲げられた情報が記載されている文書自体を指すこともできますが、掲載という言葉は行為を示すことしかできません。

掲載と掲示の英語表記の違い

掲載を英語にすると「publish」「print」となり、例えば上記の「記事が掲載された」を英語にすると「published an article」となります。一方、掲示を英語にすると「notice」となり、例えば上記の「掲示板」を英語にすると「notice board」となります。

掲載の意味

掲載とは

掲載とは、新聞や雑誌などに文章や写真を載せることを意味しています。

表現方法は「写真を掲載」「掲載された」「掲載する」

「写真を掲載」「掲載された」「掲載する」などが、掲載を使った一般的な言い回しです。

掲載の使い方

掲載を使った分かりやすい例としては、「掲載されている電子広告が大きすぎると間違えてそのページに進んでしまう」「新商品に関してはホームページにも掲載される」「遅延証明書は掲載されるため受け取れずとも安心だ」などがあります。

その他にも、「先日発売された雑誌に掲載されたクーポンを上手く使いたい」「人気のマンガの週間雑誌掲載年数を知って感慨深くなった」「サービスの掲載順は人気順や新着順などで選ぶことができる」などがあります。

掲載は、書物などに書き記すことを意味する載という漢字が使われていることから、新聞や雑誌などにおいて文字や図で相手に何かを伝える場合に使われています。

上記例文のように今日では広告の形態が多様化してきたことから、紙媒体だけではなく、ウェブサイトや公用車を広告媒体として活用することもあります。地方自治体の多くはこの方法を財源として確保し、地域経済などの活性化の推進を図っています。

このように、ビジネスシーンや公用文書などでも使われていますが、日常生活においては少し硬い表現であることから、「掲載された広告」などの表現よりも「載っていた広告」という表現が多くなされています。

掲載の類語

掲載の類語・類義語としては、文章にして新聞や雑誌などに載せることを意味する「登載」、新聞や雑誌などに掲載されていることを意味する「所載」、翻訳をしたものを雑誌や新聞などに載せることを意味する「訳載」などがあります。

掲載の対義語

掲載の対義語・反対語としては、消してなくすことを意味する「消去」、記載事項を消すことを意味する「抹消」、文章などを削り取ることを意味する「削除」があります。

掲示の意味

掲示とは

掲示とは、紙に書くなどして人目につく所に掲げることを意味しています。

表現方法は「掲示する」「掲示される」「ポスター掲示のお願い」

「掲示する」「掲示される」「ポスター掲示のお願い」などが、掲示を使った一般的な言い回しです。

掲示の使い方

掲示を使った分かりやすい例としては、「合格者は広間のボードに掲示されるらしい」「週報を作成して掲示しなければならない」「掲示板のニュースを見て社員は喜んでいた」「健康への影響を掲示する必要がある」などがあります。

一方、「掲示を見なければ来週の休講であることを知らないまま登校していた」「貼り出された掲示に既視感を感じた」「扉の裏ある掲示だけでは誰にも伝わらないだろう」などの文中で使われている掲示は、「掲げられたもの」の意味で使われています。

掲示という言葉は、相手に分かるように何かを出すことを意味する示という漢字を含むため、不特定多数の人の目に触れるように示す場合、もしくは上記例文の「貼り出された掲示」などのように示されたもの自体を表す場合に使われています。

「掲示板」の意味

上記例文の「掲示板」は、多くの人に情報を伝えることを目的とする板のことを指しますが、学校などにある掲示物を貼り出すような板だけでなく、電車内や駅構内にある電気を使用したものも掲示板に含みます。

また、「BBS」と呼ばれる電子掲示板は、インターネット上で不特定多数の人たちが使うことが出来るシステムで、一つのテーマに関する記事の書き込み、閲覧、レスポンスなどを行うことができ、ネット上での会話や議論などに使われています。

掲示の類語

掲示の類語・類義語としては、人の目に触れるように書き出して示すことを意味する「掲出」、はっきりと示すことを意味する「明示」、旗などを高いところに掲げることを意味する「掲揚」などがあります。

掲示の対義語

掲示の対義語・反対語としては、図書や文書などを回して読むことを意味する「回覧」、取り除けることを意味する「除去」があります。

掲載の例文

1.今月号に掲載された読み切りマンガが大人気だったために続編が作られることとなったと聞いてファンが大喜びしていた。
2.過去の偉人たちの多くは、自分の手紙や日記がどこかに掲載されて誰かに読まれるようなことは想定していなかっただろう。
3.次の親睦会の詳細を掲載しておくのでご確認をお願い致しますと、一件のファイルが添付されたメールが届いたのは一昨日のことだった。
4.新聞に掲載された写真と記事を切り取ってスクラップを行い、その記事について感想などをしたためることで文章力を鍛えることができる。
5.掲載媒体によっては狙っているターゲットの目に触れないことも考えられるため、そこまで考慮しなければならないだろう。
6.最近は雑誌など紙媒体の売れ行きが良くないため、高い広告掲載料を払っても費用対効果が合わないと出稿してくれる企業が減っている。
7.先月号で掲載された内容につきまして、一部間違いがございました。以下の通り、訂正してお詫びいたします。
8.私達は雑誌に掲載されていた記事を元に、レストランを探したのだが見つからず、結局他のレストランへ行った。
9.先月から掲載された漫画はそこそこ好評だったので、これからもっと人気になっていくだろうと期待をしている。
10.本日紹介した料理のレシピの方は、番組の公式ホームページにも掲載されているので、どうぞご覧くださいませ。

この言葉がよく使われる場面としては、新聞や雑誌などに文章や写真を載せることなどが挙げられます。

例文3や例文5などのように、新聞や雑誌といった印刷物など以外にも図や文書を載せる場合にも、掲載という言葉が使われています。

掲示の例文

1.電車の中でうたた寝をしてしまって、ふと目を覚まして電光掲示板を見れば、降車するはずだった駅をとうに過ぎていた。
2.インターネットが普及した今では電子掲示板を伝言板として使い、コミュニケーションを取る方法も取られている。
3.掲示物を回収するために校内を歩き回ることとなったが、思ったより量が多く手分けして回収することになった。
4.店の目立つ場所に自治体に貰ったステッカーを掲示するよう勧められた店が多いのか、この商店街のほとんどの店舗で入口付近に貼りだされていた。
5.掲示用のテープが上手く剥がせずに汚いまま残ってしまっていたが、調べてみれば温めれば粘着剤が剥がせるらしい。
6.駅に掲示するポスターは、みな基本急いでいて足を止めて読んだりしないんだから、文字が多いのはだめだよと上司からアドバイスを受けた。
7.校内では「廊下を走らないで!」という張り紙があちこちに掲示してあったが、生徒の目には入っていないようだった。
8.小学生の頃に訪れていたネットの掲示版が今でも存在していることが分かり、懐かしさのあまり何時間も入り浸ってしまった。
9.大学の掲示版には休講のお知らせの張り紙が貼ってあり、友人は休講と分かっていたならもう少し寝ていたかったのにとつぶやいていた。
10.僕は駅のホームで下りの電車を待っていた。ふと電光掲示板を見ると人身事故でダイヤが遅れていることを知った。

この言葉がよく使われる場面としては、紙に書くなどして人目につく所に掲げることなどが挙げられます。

例文2の「電子掲示板」は、インターネット上で書くことができる掲示板で、「Bulletin Board System」の頭文字をとって「BBS」と呼ばれることもあります。

掲載と掲示どちらを使うか迷った場合は、本や新聞などに載せることを表す場合は「掲載」を、人目に付くようにして知らせることを表す場合は「掲示」を使うと覚えておけば間違いありません。

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