【平たい】と【平ら】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「平たい」(読み方:ひらたい)と「平ら」(読み方:たいら)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「平たい」と「平ら」という言葉は、どちらも高低や凹凸がないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「平たい」と「平ら」の違い

「平たい」と「平ら」の意味の違い

「平たい」と「平ら」の違いを分かりやすく言うと、「平たい」はある物に厚みがなく均一に広がっていること、「平ら」はある物の表面に高低や凹凸がなく均一なことという違いです。

「平たい」と「平ら」の使い方の違い

一つ目の「平たい」を使った分かりやすい例としては、「日本人は平たい顔の人が多いです」「銅像が平たい石の上に立っていました」「平たいうどんのことをきしめんと言うらしい」「工事を行うために土地を平たくする」などがあります。

二つ目の「平ら」を使った分かりやすい例としては、「雪国は平らな家が多いです」「平らな面を上にしてください」「この箱は平らにお持ちください」などがあります。

「平たい」と「平ら」の使い分け方

「平たい」と「平ら」はどちらも高低や凹凸がないことを意味しており、大きな違いはありませが、微妙にニュアンスが異なるので上手に使い分けるようにしましょう。

「平たい」はある物に厚みがなく均一に広がっているというニュアンスで使い、「この石はとても平たい」「彼は平たい顔族だ」などような使い方をします。

一方、「平ら」はある物の表面に高低や凹凸がなく均一というニュアンスで使い、「この石はとても平らです」「工事を行うために土地を平らにする」などのような使い方をします。

基本的には「平たい」と「平ら」はお互いに置き換えることは可能ですが、一部の場合はお互いに置き換えることはできません。

例えば、「工事を行うために土地を平らにする」という言い回しは使うことはありますが、「工事を行うために土地を平たくする」と言い回しを使うことはないと覚えておきましょう。

なぜなら、「平たい」は厚みが小さいことを表現する場合に使うことが多いからです。

「平たい」と「平ら」の英語表記の違い

「平たい」も「平ら」も英語にすると「level」「flat」「even」となり、例えば上記の「この箱は平らにお持ちください」を英語にすると「Please carry this box on a level」となります。

「平たい」の意味

「平たい」とは

「平たい」とは、厚さがなく横に広がっていることを意味しています。その他にも、凹凸が少ないこと、円満であること、表現などがわかりやすいことの意味も持っています。

「平たい」の使い方

「これはとても平たい箱ですね」「外国人から平たい顔だなと言われました」などの文中で使われている「平たい」は、「厚さがなく横に広がっていることや凹凸が少ないこと」の意味で使われています。

一方、「妻に対して平たい旦那になっていました」「平たく言うと彼女は騙されたのです」などの文中で使われている「平たい」は、「円満であることや表現などがわかりやすいこと」の意味で使われています。

「平たい」は複数の意味を持つ形容詞で、ある物に厚みがなく均一に広がっている場合に使うことが多い言葉です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。

「平たい」の特徴

「平たい」は均一に拡がっているものに使うのが一般的ですが、円満であることや表現などがわかりやすいことの意味の場合はものではなく抽象的な場面で使います。ただし、円満であることの意味は現代においてはほとんど使用されていません。

また、表現などがわかりやすいことの意味は、「平たい」ではなく「平たく」の形で、「平たく言えば」のような言い回しで使われることが多いと覚えておきましょう。

「平たい」の類語

「平たい」の類語・類義語としては、平らであることを意味する「平べったい」、静かな水面のように平らなことを意味する「水平」などがあります。

「平ら」の意味

「平ら」とは

「平ら」とは、高低や起伏のないことを意味しています。その他にも、穏やかで安定していること、かしこまって座ったりしないで楽な姿勢でいることの意味も持っています。

「平ら」の使い方

「運動場を平らにする」「平らな地形はとても歩きやすいです」などの文中で使われている「平ら」は、「高低や起伏のないこと」の意味で使われています。

一方、「心を平らにすることは大切です」「どうぞお平らにしてください」などの文中で使われている「平ら」は、「穏やかで安定していることやかしこまって座ったりしないで楽な姿勢でいること」の意味で使われています。

「平ら」は高低や起伏のないこと、穏やかで安定していること、かしこまって座ったりしないで楽な姿勢でいることの3つの意味を持つ形容動詞ですが、基本的には高低や起伏のないことの意味で使うと覚えておきましょう。

形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができます。

「平ら」の特徴

「平ら」の高低や起伏のないことの意味はある物の表面に高低や凹凸がなく均一にする場合に使います。そのため、基本的にものに対して使う表現です。

穏やかで安定していることの意味は「心を平らにする」「世が平らに治まる」などのように、抽象的な表現として使います。

かしこまって座ったりしないで楽な姿勢でいることの意味は「お平らに」の言い回しで使うことが一般的になっていると覚えておきましょう。

「平ら」の対義語

「平ら」の対義語・反対語としては、 表面が平らでないことを意味する「凹凸」があります。

「平ら」の類語

「平ら」の類語・類義語としては、土地などが平らなことを意味する「平坦」、起伏がないことを意味する「フラット」、物の表面にでこぼこがなくてつるつるしていることを意味する「滑らか」などがあります。

「平たい」の例文

1.ここにある銅像を、平たい石の上に乗せて無事完成となります。
2.昔の人々は地球は平たいと信じていたが、実際は球体でした。
3.日本人が彫りが深くないので、海外の人からは平たい顔族と言われているらしいです。
4.旦那に対して平たい妻になっていたと、今になってつくづく思います。
5.平たく言うと彼女のことが好きなので、付き合いたいと思っています。

この言葉がよく使われる場面としては、厚さがなく横に広がっていることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、凹凸が少ないこと、円満であること、表現などがわかりやすいことを表現したい時に使います。

例文1と例文2は厚さがなく横に広がっていること、例文3は凹凸が少ないこと、例文4は円満であること、例文5は表現などがわかりやすいことの意味で使っています。

「平ら」の例文

1.北海道で平らな屋根が多い理由は、雪が落ちないようにするためです。
2.建物の建築や耕作ができるように、地面を重機で平らにしています。
3.生地を平らにのばしたパンであるフラットブレッドは、私の好物の一つです。
4.これから大事なことを言うのですが、気を平らにして聞いてくださいね。
5.皆さんあぐらや足を広げるなど、お平らな姿勢でいて構わないですよ。

この言葉がよく使われる場面としては、高低や起伏のないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、穏やかで安定していること、かしこまって座ったりしないで楽な姿勢でいることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「平ら」は高低や起伏のないこと、例文4は穏やかで安定していること、例文5はかしこまって座ったりしないで楽な姿勢でいることの意味で使っています。

「平たい」と「平ら」はどちらも高低や凹凸がないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ある物に厚みがなく均一に広がっていることを表現した時は「平たい」を、ある物の表面に高低や凹凸がなく均一なことを表現したい時は「平ら」を使うようにしましょう。

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