似た意味を持つ「マンネリズム」と「マンネリ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「マンネリズム」と「マンネリ」という言葉は、「型にはまっていること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
マンネリズムとマンネリの違い
マンネリズムとマンネリの意味の違い
マンネリズムとマンネリの違いを分かりやすく言うと、マンネリズムはネガティブではない表現をする時に使い、マンネリはネガティブな表現をする時に使うという違いです。
マンネリズムとマンネリの使い方の違い
一つ目のマンネリズムを使った分かりやすい例としては、「マンネリズムに陥った作品は長く見ていられない」「マンネリズムの打破に努めている」「生活へのマンネリズムを解消するためにもレジャーを楽しむことにした」などがあります。
二つ目のマンネリを使った分かりやすい例としては、「マンネリ状態だからか彼とのデートも退屈だ」「脱マンネリのためにも色々な人と関わりたい」「マンネリを避けるために子どもたちが好きそうなものをいくつかピックアップする」などがあります。
マンネリズムとマンネリの使い分け方
マンネリズムと、これを省略した言葉であるマンネリはどちらも同じ意味を持ち、違いはありません。強いて違いを挙げるとすれば、意味合いが若干異なる点です。
マンネリズムは、文学や絵画といった芸術作品などの表現が型にはまっている傾向を指す言葉で、必ずしも否定的に使われるわけではない言葉です。
一方のマンネリは、代わり映えがなく退屈なものを表す言葉として使われることがほとんどです。
つまり、マンネリズムは芸術などにおける表現傾向の一つであるのに対し、マンネリは新鮮味がなくつまらない様子を表します。しかし、前者も惰性的に繰り返されていて独創性がないことからマイナスイメージを与える言葉として使われることがほとんどです。
マンネリズムとマンネリの英語表記の違い
マンネリズムもマンネリも英語にすると「mannerism」「routine」「stereotyped」となり、例えば上記の「マンネリズムに陥る」を英語にすると「become a mannerism」となります。
マンネリズムの意味
マンネリズムとは
マンネリズムとは、技法や形式が繰り返され型にはまっていることを意味しています。
マンネリズムの使い方
マンネリズムを使った分かりやすい例としては、「マンネリズムを感じることは安定しているということだ」「様々な企業がマンネリズムに陥る中、自社は躍進を続けている」「マンネリズムは感じず、まるで実家のような安心感さえ覚える」などがあります。
その他にも、「マンネリズムが好まれる場合もある」「マンネリズムによって飽き飽きし始めた」「バランスを取ることとマンネリズムは紙一重なのかもしれない」「マンネリズムから解放される時は一体いつになるだろう」などがあります。
マンネリズムは英語で「mannerism」と表記され、独特の癖や、型にはまっていて新鮮味がないことを意味します。また、「マナリズム」とも表現されることもあります。
マンネリズムの語源
イタリア語の「マニエラ」が由来となった「マニエリスム」というルネサンス後期の美術的表現の傾向を表す言葉が語源となっていますが、マニエリスムはグロテスクな表現様式を指すため、意味は大きく異なります。
マンネリズムの対義語
マンネリズムの対義語・反対語としては、既成の形式などにとらわれない先駆的な表現などを試みることを意味する「前衛」、人や物が異なる個性を持っている様子を意味する「個性的」があります。
マンネリズムの類語
マンネリズムの類語・類義語としては、同じことの繰り返しで代わり映えしないことを意味する「ワンパターン」、変化に乏しい様子を意味する「単調」、行動や考え方が固定的なことを意味する「ステレオタイプ」などがあります。
マンネリの意味
マンネリとは
マンネリとは、新鮮味がなく退屈なことを意味しています。
表現方法は「マンネリを感じる」「マンネリ化」「マンネリに陥る」
「マンネリを感じる」「マンネリ化」「マンネリに陥る」などが、マンネリを使った一般的な言い回しです。
マンネリの使い方
マンネリを使った分かりやすい例としては、「マンネリには程遠いくらい良好な関係を築けている」「マンネリに我慢できなかったのか別れを切り出された」「マンネリを脱却するための作戦を考える」などがあります。
その他にも、「短いスパンで海外旅行に行く彼はマンネリ知らずだ」「マンネリ化してしまった業務と長く付き合うコツを聞く」「マンネリ状態に陥ったことで先輩の機嫌が悪い」「マンネリをどう切り抜けたらいいのかわからない」などがあります。
マンネリはマンネリズムの省略語
マンネリは上述の「マンネリズム」を省略した言葉です。意味や語源なども全く同じで、使い方も同じではありますが、日常生活やビジネスシーンなどではマンネリという言葉が使われています。
マンネリと倦怠期の違い
恋愛においてマンネリという言葉が多く使われていますが、似たような言葉に「倦怠期」があります。こちらは、相手への気持ちが冷め、離れていく期間を指しますが、恋愛におけるマンネリは、相手と過ごす時間や関係性が新鮮ではなく退屈になった状態を指します。
マンネリの対義語
マンネリの対義語・反対語としては、目新しくて珍しいことを意味する「新奇」、風変りな様子を意味する「奇抜」、非常に変わっていることを意味する「希代」、特別に他と違っていることを意味する「特異」があります。
マンネリの類語
マンネリの類語・類義語としては、ひねりがなく面白味に欠ける様子を意味する「べた」、調子が同じで変化がほとんどないことを意味する「一本調子」、型にはまっていて個性や特色が見られない様子を意味する「類型的」などがあります。
マンネリズムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、技法や形式が繰り返され型にはまっていることなどが挙げられます。
基本的にはマイナスイメージを与える言葉として作用しますが、例文1のように必ずしもネガティブな意味合いで捉えられるわけではありません。
マンネリの例文
この言葉がよく使われる場面としては、新鮮味がなく退屈なことなどが挙げられます。
例文2の「脱マンネリ」や例文5の「マンネリ気味」などの複合語のマンネリは「マンネリズム」に置き換えて使われることはほとんどありませんが、例文4の「マンネリ化」は「マンネリズム化」と言い換えることができます。
マンネリズムとマンネリは、どちらも「型にはまっていること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、ネガティブな意味合いではない場合は「マンネリズム」を、ネガティブな意味合いの場合は「マンネリ」を使うと覚えておけば間違いありません。