似た意味を持つ「確証」(読み方:かくしょう)と「確信」(読み方:かくしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「確証」と「確信」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
確証と確信の違い
確証と確信の意味の違い
確証と確信の違いを分かりやすく言うと、確証とは確かな証拠、確信とは確かな信念という違いです。
確証と確信の使い方の違い
一つ目の確証を使った分かりやすい例としては、「微細粒子の存在を確証するための実験です」「正しく操作できるか確証が持てない」「確証を得るにはさらに研究が必要です」「彼と結婚できる確証が欲しい」などがあります。
二つ目の確信を使った分かりやすい例としては、「彼は無実だと確信をもって言えます」「発音が下手でも英語は通じると確信する」「確信犯は社会の変動期に現れやすい」「早期の英語教育が必要だと私は確信する」などがあります。
確証と確信の使い分け方
確証と確信という言葉は、字面や音の響きが似ていますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
確証とは、確かな証拠のことであり、ある事柄に対して絶対的な証拠があることを意味します。自分の判断が正しいことや、真実を明らかにする際に根拠がある状態のことです。一方、確信とは、確かに信じることであり、絶対的な証拠はなくても自分の認識に自信がある状態のことです。
例えば「勝てる確証はありませんが確信はあります」とは、勝負に勝った実績や確かな勝利の根拠はないけれど、勝利できるという揺るがない自信がある様子を表します。
確証と確信の英語表記の違い
確証を英語にすると「confirmation」「conclusive evidence」「positive proof」となり、例えば上記の「確証する」を英語にすると「give positive proof」となります。
一方、確信を英語にすると「conviction」「assurance」「confidence」となり、例えば上記の「確信をもって」を英語にすると「with confidence」となります。
確証の意味
確証とは
確証とは、確かな証拠、間違いのない証拠を意味しています。
表現方法は「確証が持てない」「確証を得る」「確証がない」
「確証が持てない」「確証を得る」「確証がない」などが、確証を使った一般的な言い回しです。
確証の使い方
確証を使った分かりやすい例としては、「卒業生の活躍は、本校の教育の質を確証するものです」「英語の力がついているとの確証が持てない」「実際のデータを用いて確証的因子分析を行います」などがあります。
その他にも、「ネット検索における確証バイアスを減らす」「確証性バイアスの強い人が増えています」「最新情報であるのか確証が持てない」「現在のところ不正請求の確証を得ることはできていません」などがあります。
確証とは、確かな証拠のことであり、 事実を明らかにする根拠となるものが信頼できるものであることを意味します。証拠に基づき、客観的にみても確かであることを表す時に用いられる言葉です。
「確証バイアス」の意味
確証を用いた日本語には「確証バイアス」があります。確証バイアスとは、認知心理学や社会心理学における用語であり、認知バイアスの一種です。自分の願望や信念を裏付ける情報を選択し、これに反証する情報を排除する心的傾向を意味します。
確証の対義語
確証の対義語・反対語としては、ある事が本当かどうかと疑う心を意味する「疑念」、不正があるのではないかなどと疑いをもつことを意味する「疑惑」、疑わしく思うことを意味する「不審」などがあります。
確証の類語
確証の類語・類義語としては、はっきりした証拠を意味する「明証」、証拠をあげて事実を証明することを意味する「立証」、確かな証拠をもって証明することを意味する「実証」、物事の確実なことを他の面から証明することを意味する「裏付け」などがあります。
確信の意味
確信とは
確信とは、固く信じて疑わないこと、固い信念を意味しています。
表現方法は「確信した」「確信を持つ」「確信を得る」
「確信した」「確信を持つ」「確信を得る」などが、確信を使った一般的な言い回しです。
確信の使い方
確信を使った分かりやすい例としては、「バッターはホームランを確信して歩き出した」「ベストな選択だと確信をもって言えます」「正しいお金の使い方だったと確信ができました」「英語留学を通して成長すると確信している」などがあります。
その他にも、「政治的思想に基づく確信犯だ」「あれはうっかりミスじゃない確信犯だろう」「人権侵害を確信的に繰り返している」「彼女は冤罪だと確信する」「解決できるという絶対的な確信を持つ」などがあります。
確信とは、文字通り「確かに信じること」であり、疑わずに固く信じることを意味します。固い信念を表す言葉であり、日常生活からビジネスシーンまで幅広い場面で用いられています。
「確信犯」の意味
上記の例文にある「確信犯」とは、もともと、道徳上や政治上の確信に基づき、本人は悪いことでないと確信してなされる犯罪を意味しました。この意味が誤用され、悪いことだと分かっていながら行われる行為を意味するようになり、今では後者の意味で用いられることが普通になっています。
「確信度」の意味
確信を用いた日本語には「確信度」があります。確信度とは、データマイニングで相関ルールの重要度を表す指標の一つです。ある事象が発生したときに、別の事象が発生する割合のことであり、確信度が高いほど、相関ルールの信頼性が高いと考えられています。
確信の対義語
確信の対義語・反対語としては、信じないことや信用できないことを意味する「不信」、あやぶみおそれることを意味する「危惧」、うたがわしく思う気持ちを意味する「疑念」などがあります。
確信の類語
確信の類語・類義語としては、正しいと信じる自分の考えを意味する「信念」、物事の真偽や善悪などを見極め自分の考えを定めることを意味する「判断」、物事にはっきりした判断をくだすことを意味する「断定」などがあります。
確証の例文
この言葉がよく使われる場面としては、不動の証、誰が見ても間違いないと認められる証拠を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「確証が持てない」とは、ある物事の真偽や判断選択などが、確実で間違いがないという証拠を掴むことができないことです。また、確実な証拠があるという実感を持てないことも表します。
確信の例文
この言葉がよく使われる場面としては、固く信じること、信じて疑わないことを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2にある「確信を持つ」とは、疑う余地がないほどに信じ込んでいる様子を表しています。「持つ」は、心の中に思いを抱くことを意味する言葉です。
確証と確信という言葉は、似ていますが意味は大きく異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、間違いのない証拠を表現したい時は「確証」を、信じて疑わないことを表現したい時は「確信」を使うようにしましょう。