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【収まる】と【治まる】と【納まる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「おさまる」という読み方の「収まる」と「治まる」と「納まる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「収まる」と「治まる」と「納まる」という言葉は同音の言葉ですが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




「収まる」と「治まる」と「納まる」の違い

「収まる」と「治まる」と「納まる」の意味の違い

「収まる」と「治まる」と「納まる」の違いを分かりやすく言うと、「収まる」は問題が解決することを表現する時に使い、「治まる」は乱れた状態が元通りになることを表現する時に使い、「納まる」はその場に落ち着くことを表現する時に使うという違いです。

「収まる」と「治まる」と「納まる」の使い方の違い

「収まる」という言葉は、「引き出しに教材が収まる」「先生がやってきたことによって彼らの言い合いは収まった」などの使い方で、中に入れることや、物事が解決することを意味します。

「治まる」という言葉は、「内乱が治まったニュースを聞いた」「怪我の痛みが治まらないうちは歩くこともままならない」などの使い方で、乱れた状態が元に戻って平穏が訪れることや、病気やケガの痛みなどが鎮まることを意味します。

「納まる」という言葉は、「税金が納まった証明書を保管する」「娘が父の腕の中に納まって寝ている」などの使い方で、金品を本来あるべき場所に入れることや、その場に落ち着くことを意味します。

「収まる」と「治まる」と「納まる」の使い分け方

「収まる」と「納まる」は中に入れることを意味しますが、前者は問題が解決され良い結果となることや、現れていたものが消えることも意味し、後者は、その場に落ち着くことや、金品が本来あるべきところに支払われることも意味します。

一方の「治まる」は、「収まる」同様、落ち着いて穏やかになるという意味を持ちますが、政治などによって乱れた状態が元の状態へと戻ることや、病気の症状やケガの痛みといったものが鎮まることも意味します。

そのため、新型コロナウイルスのような感染症が流行している状態に対しては、「コロナ禍が収まる」のように「収まる」を使います。

「収まる」ではなく「納まる」を使ってしまうと、感染病がその場に落ち着くことを意味してしまい、「治まる」を使ってしまうと、感染者の症状が鎮まることを意味することとなります。

これが、「収まる」、「治まる」、「納まる」の明確な違いです。

「収まる」の意味

「収まる」とは

「収まる」とは、一定の範囲の中にきちんと入ることを意味しています。

「気持ちが収まる」「興奮が収まる」「怒りが収まる」は落ち着くこと

上の意味では「服がクローゼットに収まる」「書いたものが紙に全て収まる」などのように使いますが、「怒りが収まらないまま一日が経った」「興奮が収まるよう深呼吸をする」「不安な気持ちが収まる」などのように納得することや、人の気持ちを落ち着けることも意味します。

「涙が収まる」「汗が収まる」はなくなること

「映画を見終わる頃に涙が収まった」「とめどない汗がやっと収まる」などのように現れていたものがなくなることも意味します。

「コロナが収まる」「事態が収まる」「揺れが収まる」は穏やかな状態になること

「収まる」という言葉は、良い結果を得て問題を解決する時に使うことから、「コロナ騒動が収まる」「長らく続いた危機的事態が収まる」「地震の揺れがようやく収まる」「近隣同士の争いが丸く収まったようだ」などのように落ち着いて穏やかな状態になることも意味します。

そのため、望んでいたものを自分のものにすることを意味する「手中に収める」といった慣用表現もあります。

「収まる」の類語

「収まる」の類語・類義語としては、熱した感情や気分などを冷ますことを意味する「冷却」、落ち着いていて静かなことを意味する「沈静」、分裂や混乱していたものがまとまって収まりがつくことを意味する「収束」があります。

「治まる」の意味

「治まる」とは

「治まる」とは、政治の秩序が行き渡ることを意味しています。

「頭痛が治まる」「症状が治まる」は痛みが鎮まること

上の意味では「ようやく内乱ばかりであった国が治まる」などのように使いますが、「薬を飲んだからか頭痛が治まる」「病院に行ったが病状は治まりかけていた」などのように痛みや症状が鎮まることも意味します。

「洪水が治まる」「氾濫が治まる」は穏やかな状態になること

「洪水が治まったものの浸水被害が多く出ている」「川の氾濫が治まるのはいつになるだろうか」などのように落ち着き穏やかな状態になることも意味します。

「腹の虫が治まらない」の意味

「治まる」を使った言葉として、「腹の虫が治まらない」があります。これは、腹が立って我慢できないほど、怒りが抑えきれないことを意味する慣用句です。

腹の中の虫によって怒り暴れていることが由来となった言葉です。そのため、空腹でお腹が鳴ることを腹の虫のせいにして空腹を表すための表現として使うのは誤りです。

「治まる」の対義語

「治まる」の対義語・反対語としては、本来なら整っているはずのものが崩れることや、平和でなくなることを意味する「乱れる」があります。

「治まる」の類語

「治まる」の類語・類義語としては、減って少なくなることを意味する「減少」、厳しさや激しさの程度を和らげることを意味する「緩和」、騒ぎや高ぶった気分などを鎮めて落ち着かせることを意味する「鎮静」があります。

「納まる」の意味

「納まる」とは

「納まる」とは、金品が受け取るべきところに入ることを意味しています。

「自転車が納まる」「クッションに納まる」は適切な場所に落ち着くこと

上の意味では「依頼されたものを納める」「全員分の会費が納まったのを確認する」などのように使われますが、「自転車が納まるような袋を購入する」「子犬がクッションの上に納まる」などのように当然と思われる場所に落ち着くことも意味します。

「仕事が納まる」「新年会が納まる」は物事を終わりにすること

「年内の仕事が納められた」「一本締めで新年会は納まった」などのように物事を終わりにすることや、「教授の椅子に納まる」などのように地位や境遇に落ち着くことを意味する時にも使われます。

「元の鞘に納まる」の意味

「納まる」を使った言葉として、「元の鞘に納まる」があります。これは、一度離縁した人たちが再び元の関係に戻ることを意味する言葉で、「元の鞘に収まる」とも書きます。

抜かれた刀が本来納まるべき場所である鞘に、刀が戻ることに由来した慣用表現です。特に男女の仲に使われることが多い言葉です。

「納まる」の対義語

「納まる」の対義語・反対語としては、ばらばらに別れることを意味する「散る」があります。

「納まる」の類語

「納まる」の類語・類義語としては、品物や金銭を納めることを意味する「納入」、中に入れてしまっておくことを意味する「収納」があります。

「収まる」の例文

1.彼の思考は良い意味で常識的な考えに収まらないため、他の人たちにとって刺激となることが多い。
2.この騒動が収まるまでは、舞台鑑賞のため劇場に足繁く通うことも難しくなるだろう。
3.食欲が収まったはずなのにすぐに空腹を感じてしまい、一日三食以上食べてしまう。
4.忘年会の幹事を任され、予算内に収まる範囲で一番いいコースを頼んだら予想以上の高評で、次回も幹事を頼むと言われてしまった。
5.激しい揺れでわたしは机の下でつかまっているしかなかったが、揺れが収まるとホッとしたのもつかの間、学校にいる子どもたちはどうなったのか一気に不安が襲ってきた。
6.目の前に憧れの俳優さんがいることでわたしは一気に興奮状態になり、それは大きな声を上げてしまうほどで、気持ちが収まるまでに相当時間がかかった。

この言葉がよく使われる場面としては、何かの中に入ることや、落ち着いて穏やかな状態になることを意味する時などが挙げられます。

例文3の「食欲が収まる」だけでなく、「怒りが収まる」「興奮が収まる」などの人間の感情の起伏に関する表現もすることができます。

「治まる」の例文

1.織田信長が天下を治めた辺りの歴史は学んでいて、ロマンを感じるため楽しい。
2.どこかの土地では襲ってきた津波が治まった逸話が残っている。
3.だんだん痛みが治まってきたため、ベッドを出て食べれそうなものを作った。
4.怪我や病気なら時間が経てば痛みも治まるが、陣痛だけはそうはいかない。しかもいつ終わりが来るか分からないからなお辛い。
5.暗号通貨で多くの収益を得たので、そろそろ引き出そうとしたら突然交換業者から通貨を引き出すことはできないと言われ、わたしは腹の虫が治まらなかった。
6.仕事のストレスからか吐き気は治まる気配はなく、日常生活に支障が出るほどだったので病院で診てもらうと自律神経失調症だと診断された。

この言葉がよく使われる場面としては、平穏になることや、痛みや症状が鎮まることを意味する時などが挙げられます。

その他にも、例文1や例文2のように乱れたものが正しい状態に戻ることも意味します。

「納まる」の例文

1.来年度入学する生徒の入学金が納まったことを確認したため、入学前の手続きなどに関する連絡を行う。
2.カメラを向けられたメンバーは各々ポーズを取りながら全員写真に納まった。
3.スマートフォンは、女性や子どもの手にも納まる程度の大きさの物も人気である。
4.友人夫婦はふとした勘違いがもつれ、離婚するしないの大騒ぎになったが、最近の様子を見るとどうやら元の鞘に納まったらしい。
5.当時、手のひらサイズに納まったビデオカメラが出た時はびっくりしたが、今ではそんなことが当たり前になっているのだから時代の流れと感じるよ。
6.万年准教授の男は念願の教授の椅子に納まることに執念を燃やしていたようだが、周りを見渡せばライバルは多くそう簡単には行かないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、あるべきものが当然の場所に入ることを意味する時などが挙げられます。

例文2の「写真に納まる」のように、カメラに写るようにその場に落ち着くことから、被写体がカメラに写ることを表す時にも使うことができます。

「収まる」と「治まる」と「納まる」どれを使うか迷った場合は、問題が解決することを表す場合は「収まる」を、乱れた状態が元通りになることを表す場合は「治まる」を、その場に落ち着くことを表す場合は「納まる」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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