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【沈滞】と【停滞】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「沈滞」(読み方:ちんたい)と「停滞」(読み方:ていたい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「沈滞」と「停滞」という言葉は、どちらも物事が滞っている様子を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




沈滞と停滞の違い

沈滞と停滞の意味の違い

沈滞と停滞の違いを分かりやすく言うと、停滞よりも沈滞の方が物事が進まない程度が大きいという違いです。

沈滞と停滞の使い方の違い

一つ目の沈滞を使った分かりやすい例としては、「我が国の景気が沈滞している」「沈滞した雰囲気を何とかしたい」「コロナ禍で世の中が沈滞ムードだ」「沈滞化した商店街に活気が戻った」などがあります。

二つ目の停滞を使った分かりやすい例としては、「日本の上空で停滞前線が活発化する」「ダイエット停滞期の乗り越え方を調べる」「市場に停滞ムードが広がってきた」「ワクチン接種は停滞なく進められている」などがあります。

沈滞と停滞の使い分け方

沈滞と停滞という言葉は、どちらも1か所にとどまって動かないことや、物事の動きがない様子を表します。二つの言葉は、ほぼ同じ意味を持つため使い分けが難しい言葉ですが、あえて違いを言うならば活気がない度合いでしょう。

「沈滞ムード」と「停滞ムード」の違い

沈滞とは、活気がなく進歩や発展の動きがみられないことを意味します。上記の例文の「沈滞ムード」とは、世の中に活気がなく暗い雰囲気にあることを表します。停滞とは、物事が順調に進まないことを意味します。「停滞ムード」とは、経済活動などの勢いが衰えてる様子を表します。

沈滞と停滞という言葉を比べると、沈滞の方が活気がなく、物事が進まない度合いが大きい言葉だと言えるでしょう。

沈滞と停滞の英語表記の違い

沈滞も停滞も英語にすると「stagnation」となり、例えば上記の「景気が沈滞している」を英語にすると「business is stagnant」となります。

沈滞の意味

沈滞とは

沈滞とは、活気がなく進歩・発展の動きがみられないこと、意気が上がらずに停滞していることを意味しています。

その他にも、いつまでも一つ所にとどこおっていることの意味も持っています。

表現方法は「沈滞する」「沈滞している」「沈滞化」

「沈滞する」「沈滞している」「沈滞化」などが、沈滞を使った一般的な言い回しです。

沈滞の使い方

「不景気による沈滞ムードが漂う」「沈滞した地域の活性化を図る」「組織の沈滞化を招く事態だ」「沈滞ムードから脱却したい」などの文中で使われている沈滞は、「活気がなく進歩や発展の動きがみられないこと」の意味で使われています。

一方、「データが処理できずに沈滞している」「河川にゴミが沈滞している」「血液の沈滞は危険な状態です」などの文中で使われている沈滞は、「一つ所にとどこおっていること」の意味で使われています。

沈滞という言葉には二つの意味がありますが、一般的には、活気がなく進歩や発展する動きが見られないことの意味で使われています。沈滞の「沈」には、水中に沈むことの意味のほかに、気分がふさぎ落ち込むの意味があります。

「萎靡沈滞」の意味

沈滞という言葉を用いた日本語には「萎靡沈滞」(読み方:いびちんたい)があります。「萎靡」は草木がしおれていること、「沈滞」は流れが止まって動かなくなることであり、「萎靡沈滞」は文化や社会に活気がなく、進歩や発展する動きが見られないことを意味する四字熟語です。

沈滞の対義語

沈滞の対義語・反対語としては、物事が次第により良い方や望ましい方へ進んでいくことを意味する「進化」、物事がより進んだ段階に移っていくことを意味する「進化」、商売や株式市場などの景気がよく活気のある様子を意味する「活況」などがあります。

沈滞の類語

沈滞の類語・類義語としては、 物事の進行が止まって同じような状態が続くことを意味する「足踏み」、物価や相場などで目立った変動のない状態が続くことを意味する「横這い」、着手した物事がゆきづまって捗らないことを意味する「停頓」などがあります。

停滞の意味

停滞とは

停滞とは、1か所にとどまって動かないこと、物事が順調に進まないことを意味しています。

表現方法は「停滞する」「停滞気味」「停滞期」

「停滞する」「停滞気味」「停滞期」などが、停滞を使った一般的な言い回しです。

停滞の使い方

停滞を使った分かりやすい例としては、「日本海側に停滞前線が発生している」「気温上昇の停滞状態の原因を探る」「低気圧が日本海側に停滞する」「経済停滞の長期化は避けられない」などがあります。

その他にも、「体重が減らない停滞期が辛い」「ダイエット停滞期の期間は人それぞれです」「体重減少の停滞期はいつ終わるのか」「静電気は電流が停滞している状態です」「地場産業はここ数年、停滞気味である」などがあります。

停滞という言葉の「停」とは、じっと一所にとまって進まないことを表します。停滞とは、物事がある所にたまって滞ること、物事が調子よく捗らないことを意味するマイナスイメージの言葉です。

「停滞前線」の意味

上記の例文にある「停滞前線」とは、暖かい空気と冷たい空気の勢力がほとんど等しい接触面で発生する前線を意味します。動きが遅く、ほぼ同じ位置に止まっていることから名づけられました。梅雨前線や秋雨前線などのことです。

停滞の対義語

停滞の対義語・反対語としては、予定通りに活動や作業などが進むことを意味する「進行」、事態が進行して新たな局面が現れることを意味する「進展」などがあります。

停滞の類語

停滞の類語・類義語としては、物事が滞ってすらすらと進まないことを意味する「渋滞」、障害が多く物事がはかどらないことを意味する「難航」、事の処置や進行が難しくてすらすらいかないことを意味する「難渋」などがあります。

沈滞の例文

1.負け試合が続いているチームの沈滞ムードを払拭しようと、サポーターの応援に力が入る。
2.戦後の日本は沈滞期を脱却して、近代工業国としての発展を遂げました。
3.景気低迷の沈滞ムードを一掃してくれそうな、力強い経済対策はないものか。
4.不況で沈滞した世の中でも、芸術やスポーツは人を明るい気持ちにさせてくれる。
5.少子高齢化は、社会全体が沈滞することになりかねない重要な問題といえます。
6.コロナの沈滞ムードを吹き飛ばしたかったのでオンライン飲み会を開いたのだが、いつの間にか会社の愚痴披露大会と化してどんよりとしたものになった。
7.男は優秀な社員としてちやほやされていた時期もあったが、今ではエリート街道から転げ落ち、窓際部署でせっせいと資料作成作業に明け暮れており、精神はひどく沈滞していた。
8.商店街振興組合の会議では沈滞化した商店街に活気を取り戻したいとして、若者たちを呼び込んで何かイベントを定期的に行うということになった。
9.日本経済は長年沈滞していたが、構造改革を行うかと言えばそんなことはなくて、大人たちはみんな新しいことをやりたくないのが本音であった。
10.大型契約をライバル企業に取られそうになり、会社全体の空気は沈滞し、どこかであきらめムードもあったのだが、若手社員の奮闘により、その状況は徐々に変わりつつあった。

この言葉がよく使われる場面としては、いつまでも一つ所に滞っていること、活気がなく進歩や発展が見られないことを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「沈滞期」とは、活気がなく発展の動きがない時期のことです。ここでは、敗戦後の軍需の喪失と外国製機械の大量輸入によって、日本の工業が低迷していた時期を指しています。

停滞の例文

1.先週末に発生した台風は、沖縄の南の海上で停滞しており、発達の兆しがみられます。
2.日本経済の停滞状態をどう脱却するか、新興国への進出に活路を見出している。
3.作業は停滞なく流れており、確実に納期までには間に合うと思います。
4.ダイエットの停滞期の乗り越え方や、すぐに終わらせる方法を実践しても効果がなかった。
5.ダイエットで体重減少が停滞気味の時こそ、誘惑に負けないように気を引き締めましょう。
6.日本上空で停滞前線が活発になることで大雨特別警報が出る恐れがあったので、各自治体は避難所を開設したりして災害に備えようとしていた。
7.ダイエットは最初は思いのほか順調に進んでいたが、そろそろ停滞期にさしかかっており、徐々に体重の減量の速度が落ちていったようだった。
8.IT技術を使って停滞気味だった地場産業をどうしたら復興できるかということを皆で話し合っていたが、なかなかいい案が浮かばなかった。
9.王様は貴族だけでなく庶民たちにも節約を強いてしまったために経済や文化は停滞してしまって、街の姿も暗いものに変わってしまった。
10.大人になっても学ぶことをやめることなく、停滞せずに絶えず学び続けることが人間の与えられた唯一の試練であると思う。

この言葉がよく使われる場面としては、1か所にとどまって動かないこと、物事が捗らないことを表現したい時などが挙げられます。

例文4や例文5のように、停滞という言葉はダイエットの体重減少に関してよく使われています。「ダイエット停滞期」とは、ダイエットしているにも関わらず体重が減りにくくなる時期のことです。それまで順調に減っていた体重が減りづらくなっている状態の時期を表します。

沈滞と停滞という言葉は、どちらも物事が滞っている様子を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、活気がなく物事が捗らないことの度合いが大きいことを表現したい時は「沈滞」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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