【バックグラウンド】と【バックボーン】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「バックグラウンド」と「バックボーン」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「バックグラウンド」と「バックボーン」という言葉は、「背景や原因」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




バックグラウンドとバックボーンの違い

バックグラウンドとバックボーンの意味の違い

バックグラウンドとバックボーンの違いを分かりやすく言うと、バックグラウンドは人間個人を作り上げた環境を表現する時に使い、バックボーンは人間個人の思想などの内的要因を表現する時に使うという違いです。

バックグラウンドとバックボーンの使い方の違い

一つ目のバックグラウンドを使った分かりやすい例としては、「彼女の由緒あるバックグラウンドを知った」「その乗り物にはバックグラウンドストーリーが隠されている」「バックグラウンド通信のせいで請求料金がぐんと増えてしまった」などがあります。

二つ目のバックボーンを使った分かりやすい例としては、「彼には反対意見を述べるほどのバックボーンがある」「思想的バックボーンを自己紹介にするには話が難しい」「今回の成功のバックボーンはチームプレーにあると思う」などがあります。

バックグラウンドとバックボーンの使い分け方

バックグラウンドとバックボーンはどちらの言葉も、後ろにある背景や原因を指す言葉ですが、使われる対象が異なります。

バックグラウンドは、人間の性格や地位を作り上げた環境や経歴を指す言葉で、物事が引き起こされた原因なども意味します。他にも、コンピューター内で起動はしているものの操作対象ではない状態を表す場合にも使います。

一方のバックボーンは、人間の思想や信条を成り立たせるような考え方で、精神的な柱や中心となる考えを指す言葉です。他にも、他者を後方から支援することを表す場合にも使われています。

したがって、バックグラウンドは人間個人を作り上げた環境などの外的要因を指し、バックボーンは人間個人の思想などの内的要因を指すという違いがあります。

バックグラウンドとバックボーンの英語表記の違い

バックグラウンドを英語にすると「background」となり、例えば上記の「由緒あるバックグラウンド」を英語にすると「an historical background」となります。

一方、バックボーンを英語にすると「backbone」となり、例えば上記の「述べるほどのバックボーン」を英語にすると「the backbone to speak out」となります。

バックグラウンドの意味

バックグラウンドとは

バックグラウンドとは、物事が引き起こされた原因や背景を意味しています。

その他にも、舞台や風景などの遠景や、個人を取り巻く環境を意味し、コンピューター内で複数のソフトが起動されている場合に操作対象となっていない状態を指すこともあります。

表現方法は「バックグラウンドをオフにする」「バックグラウンドを持つ」

「バックグラウンドをオフにする」「バックグラウンドを持つ」などが、バックグラウンドを使った一般的な言い回しです。

バックグラウンドの使い方

「計画のバックグラウンドを会議で聞いた」「どういうバックグラウンドでその事件が発生したのか」「細かいバックグラウンドは説明が難しい」などの文中で使われているバックグラウンドは、「物事が引き起こされた背景」の意味で使われています。

一方、「彼のバックグラウンドを考えれば悲しむのは当然だ」「被害者のバックグラウンドには共通点がある」「宗教的なバックグラウンドはない」などの文中で使われているバックグラウンドは、「その人間の性格などを作り上げた環境」の意味で使われています。

バックボーンは英語で「background」という表記になりますが、本来の意味は景色や写真などの背景です。飲食店などで流れている音楽や、映画などの作品でその場面のために流される音楽である「バックグラウンドミュージック」の略称としても使われています。

その他にも、人が育った環境や生い立ち、経歴であったり、予備知識などの意味を持つ英単語です。そのため、カタカナ語として使われる場合にも同じような意味で使われています。

バックグラウンドの対義語

バックグラウンドの対義語・反対語としては、これから先の未来を意味する「将来」、コンピューター内で複数ソフトを起動している時に操作対象となっているソフトの状態を指す「フォアグラウンド」があります。

バックグラウンドの類語

バックグラウンドの類語・類義語としては、今まで経験してきた身分や地位などの事柄を意味する「経歴」、生まれ育った境遇を意味する「素性」、中心になる題材の後方に見える景色を意味する「後景」、物事の筋道を意味する「経緯」などがあります。

バックボーンの意味

バックボーンとは

バックボーンとは、物事の中心となる考え方を意味しています。

その他にも、後ろ盾や、ネットワーク回線における核となるような大容量の基幹回線も表します。

表現方法は「バックボーンがある」「バックボーンがない」「バックボーンを知る」

「バックボーンがある」「バックボーンがない」「バックボーンを知る」などが、バックボーンを使った一般的な言い回しです。

バックボーンの使い方

「好きなマンガの主人公のバックボーンを知った時は胸が躍った」「バックボーンを表すものが用意されていると喜ぶ」「日本人特有ののバックボーンを持っている」などの文中で使われているバックボーンは、「物事の中心となる考え方」の意味で使われています。

一方、「芸能人は事務所がバックボーンとなっている」「自分がこの地位を得ることができたのはバックボーンがあったからに過ぎない」などの文中で使われているバックボーンは、「後ろ盾」の意味で使われています。

バックボーンは英語で「backbone」という表記になりますが、本来の意味は背骨です。他にも背骨のように一つの柱として扱われるものや、主力となるものも意味します。

また、自分の信じることを信じ、貫き通そうとする強い心を意味する「気骨」の意味も持つため、カタカナ語として使われる場合には物事を考える時に中心となるものや、その考え方を指す言葉として使われています。

ただし、上記例文のような「後ろ盾」の意味は英語の「backbone」にはないため、日本語特有の使い方とされているため、英語表現として使う場合には注意が必要です。

バックボーンの対義語

バックボーンの対義語・反対語としては、中央からは最も遠い部分を意味する「末端」、取るに足らないことを意味する「末梢」があります。

バックボーンの類語

バックボーンの類語・類義語としては、中心となる大切なところを意味する「中枢」、中心となる柱を意味する「基柱」、ある物事の中心となる重要なものを意味する「要石」、支えとなるような重要な存在を意味する「支柱」などがあります。

バックグラウンドの例文

1.何年もの前の実際の出来事がバックグラウンドとされた映像作品は非常にリアリティがあり、後味の悪さが残るほどだった。
2.バックグラウンドでずっと作動しているソフトウェアのせいか、突然パソコンの挙動がおかしくなったため今後は同時起動には気を付けようと思った。
3.端末を弄っていなかったのにバックグラウンド通信が行われていたのか、先月の通信量が見たことない数値を記録している。
4.バックグラウンドが壮絶なものであることが作中で描写され、多くの読者が心を痛めた。
5.気になっていた映画を見た後、売店でバックグラウンドミュージックが収録されたアルバムの購入を決めた。
6.結婚を考えている人とのバックグラウンドが違い過ぎて、愛情が一番大切なことはわかっているが、癖のある義理の両親や経済的なことなどを考えると迷ってしまう。
7.彼女がどうして音楽的才能に恵まれていたのかを調べると、芸術的に恵まれたバックグラウンドを知り納得に至った。
8.最近インストールしたソフトが勝手にバックグラウンド通信を行っていたため、通信量が跳ね上がってしまったようだ。
9.スピンオフドラマの企画を作るにあたって、本来特に設定のなかった脇役のバックグラウンドストーリーを考えることになった。
10.そのドラマはストーリー全体は好きだったが、主要登場人物のバックグラウンドの描写が甘く、あまり感情移入できなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、物事が引き起こされた原因や背景などが挙げられます。

例文2や例文3のようにコンピューターにおいてソフトウェアが操作対象となっていない状態を指したり、例文3のように生い立ちを表す言葉としても使われています。

また、例文5の「バックグラウンドミュージック」は、映画やゲームなどの作品において雰囲気演出のために流されている音楽を指す言葉で、「BGM」と表記されることもあります。

バックボーンの例文

1.音楽的なバックボーンがメンバーそれぞれ異なるが、だからこそより多くの人の耳に残るような作品を生み出すことができるのかもしれない。
2.設定されたバックボーンがあるからこその行動を登場人物がしてくれると、そのキャラクターが途端に気になってしまう傾向にある。
3.バックボーンを得ることができたのは父のおかげでもあるが、今後は自分の力で成果を出していきたい。
4.同じバックボーンを持つ人たちは団結する可能性が高いが、一度利害対立が起きてしまえば関係そのものが崩れる。
5.アメリカがイギリスから独立することができたのは、フランスというバックボーンがあったのも原因の一つだと思っている。
6.研究者を目指すなら、大学院を修了するまでに学んだことがその人のバックボーンになる。他分野についても幅広く知識を吸収し、先輩や友人など人間関係を大切にすることも大切だ。
7.いまの職場は、年齢も性別も国籍の多様性はもちろん、いろんなバックボーンの人がいて、おもしろいし、刺激になります。
8.日本の文房具が世界から評価されているのは、日本人特有のものづくりへのバックボーンがあるからだろうか。
9.若手研究者が集まって何かしようということになった。皆学問のバックボーンは違うが新しいことをやりたいという気持ちは同じだ。
10.今までの音楽活動は特にバックボーンがないままやってきたが、思うように曲が書けず、いよいよ壁にぶち当たった。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の中心となる考え方などが挙げられます。

例文3と例文5のバックボーンは、後ろ盾を意味する言葉として使われています。

バックグラウンドとバックボーンは、どちらも「背景や原因」を表します。どちらを使うか迷った場合は、個人を作り上げた環境を表す場合は「バックグラウンド」を、個人の思想などの内的要因を表す場合は「バックボーン」を使うと覚えておけば間違いありません。

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